医療費控除で“1万円戻ってくる”と準備中、友人に「申告書作る手間のほうが損」と笑われショック!「年収450万円・医療費11万円」ですが、申告する意味はないでしょうか? 実際に得する金額とは

配信日: 2026.03.11
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医療費控除で“1万円戻ってくる”と準備中、友人に「申告書作る手間のほうが損」と笑われショック!「年収450万円・医療費11万円」ですが、申告する意味はないでしょうか? 実際に得する金額とは
「医療費が10万円を超えたら税金が戻ってくる」と聞いていたのに、友人に相談したら「たったそれだけなら、申告書を作る手間のほうが損じゃない?」と笑われてしまった。
そんな経験をすると、せっかくのやる気もそがれてしまうかもしれません。
 
今回の記事では、医療費控除の仕組みと、年収450万円の会社員が実際にどれくらい得をするのかを具体的な数字で解説します。
高柳政道

FP1級、CFP、DCプランナー2級

医療費控除とは

医療費控除は、1年間で多額の医療費を支払った際に適用できる所得控除の制度です。具体的には、1月1日から12月31日までの間に支払った医療費が一定額を超過した場合、超過分を所得から差し引けます。
 
一般的に「年間10万円を超えたら」といわれますが、正確な計算式を確認してみましょう。
 
「実際に支払った医療費の合計額」から「保険金などで補てんされる金額」を引き、さらに「10万円」(※)を引いた金額が医療費控除の対象額になります。
 
※その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額を差し引きます。
 
今回のケースでは、医療費が11万円で保険金などの補てんがないと仮定して進めます。計算式に当てはめると、11万円から10万円を引いた「1万円」が控除の対象です。
 
ここで注意が必要なのは、「1万円がそのまま現金で戻ってくるわけではない」という点です。あくまで「課税される所得が1万円減る」という意味であり、実際に手元に戻る金額は税率を掛けた分だけです。
 
多くの人がこの仕組みを誤解しており、「1万円戻ると思っていたのに数百円しか振り込まれなかった」とがっかりするケースが少なくありません。制度の仕組みを正しく理解しておけば、過度な期待をせずに冷静な判断ができます。
 

医療費控除を適用するなら会社員でも確定申告が必要

会社員は通常、年末調整で税金の手続きが完了しますが、医療費控除は年末調整では対応できません。適用を受けるには、自身で確定申告を行う必要があります。
 
「確定申告」と聞くと、税務署に並んだり、複雑な書類を手書きしたりするイメージを持つかもしれません。しかし、現在はスマートフォンとマイナンバーカードがあれば、自宅から簡単に手続きが可能です。
 
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、画面の案内に従って入力を進めるだけで完了します。マイナポータルと連携させれば、医療費通知情報などのデータを自動で取り込めるため、領収書を1枚ずつ入力する作業も大幅に省略可能です。
 
また、確定申告の期間は原則として2月16日から3月15日までですが、還付申告だけであれば1月から受け付けています。混雑する時期を避けて早めに手続きを済ませれば、ストレスも少なくスムーズに進められるでしょう。
 
友人が「手間がかかる」と言ったのは、昔の手書き申告のイメージが強いからかもしれません。現在のデジタル化された申告方法なら、初めての人でもハードルは大きく下がっています。
 

11万円の医療費くらいなら手続きするほうが損? 控除と節税の中身とは

では、年収450万円の会社員が医療費11万円で申告を行った場合、具体的にいくら得をするのか計算してみましょう。まず、年収450万円の課税所得に応じた所得税率は、おおむね10%(復興特別所得税を含めると約10.21%)になります。
 
医療費控除の対象額が1万円の場合、所得税の還付金額は「1万円×10.21%」で1021円です。これだけを見ると「たった1000円のために手続きをするのは割に合わない」と感じるのも無理はありません。
 
しかし、忘れてはいけないのが「住民税の減税効果」です。住民税の税率は所得にかかわらず一律10%ですので、「1万円×10%」で1000円分、翌年の住民税が安くなります。
 
所得税の還付金と住民税の減税額を合わせると、トータルの節税メリットは2021円です。この金額をどう捉えるかが、判断の分かれ目になります。
 
スマホ申告に慣れれば、作業時間は30分から1時間程度で済みます。時給換算で2000円以上になるなら、決して「損」とはいえないのではないでしょうか。
 
さらに、一度申告の方法を覚えてしまえば、将来もっと高額な医療費がかかった際にもスムーズに対応できます。今回の2000円は、将来のための「手続きの練習代」をもらいながら学べる機会と捉えてみてはいかがでしょうか。
 

まとめ

医療費控除は、支払った医療費の一部を所得から差し引き、税負担を軽くする制度です。11万円の医療費なら控除対象は1万円ですが、年収450万円の人なら約2000円の節税効果が見込めます。
 
手続きはスマホで完結でき、以前に比べて手間は大幅に減っています。「たった2000円」と思わず、将来への備えや家計のプラスとして前向きに検討してみてください。
 

出典

国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 令和7年分確定申告特集 医療費控除を受ける方へ
 
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

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