「年末調整」で税金は全部精算されたと思っていたのに、突然「追加で住民税を払ってください」という通知が届きました…… 会社員なのに、なぜこんなに取られているのでしょうか?
このため、年末調整で税金関係が済んだにもかかわらず、住民税が別途徴収されることになります。本記事では、年末調整と住民税の関係について解説していきます。
FPオフィス Conserve&Investment代表
2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。
所得税と住民税は支払い方に違いが
原則として会社員として収入を得た場合、所得税と所得に応じた住民税を負担する必要があります。
主な収入が給与であり、会社員+アルバイトのような複数の法人で雇用されておらず、また給与収入以外の所得が20万円以下であれば、雇用主が従業員に代わり税金関係の手続きを行う年末調整によって一般的には税金の手続きが完了します。
ただし状況によっては、別途手続きが必要になることがあります。年末調整で計算された所得税は給与から差し引かれますが、源泉徴収されている場合はそこから差し引かれるので、基本的に新たな負担が生じることはありません。
住民税はこの年末調整で決定した課税額を基に、お住まいの自治体が住民税の負担額を決定し、翌年度に支払いを行うことになります。
なぜ住民税の追加徴収が生じるのか?
住民税の徴収が生じるケースとして、前年の所得の申告額が異なっていたケースが考えられます。例えば、確定申告で収入を少なく申告してしまい、のちに修正申告で課税額が増加した場合、修正後の所得で住民税が再計算され、不足額を納付することになります。
また、正社員とアルバイトの掛け持ちで複数の法人から給与を受け取っており、正社員のほうは年末調整をしてアルバイト先は源泉徴収も確定申告もなしにしてしまった場合、翌年度に自治体がそれを認識したタイミングで追加徴収が行われる可能性があります。
このほかに、退職・転職をした場合にも住民税の手続きが必要になることがあります。給与からの天引きを選んでいた場合、退職時の清算で給与から住民税の残額を「全額天引き」に選択できることがあります。
このときの住民税の残額が清算給与額より多い場合は、不足分を一括で振り込む必要がありますので、追加徴収が生じたように感じてしまうかもしれません。
また、会社員と個人事業主を並行し、利益を得ている場合は20万円以下であっても住民税の申告が必要になります。所得が一定以下なので年末調整のみで済ませて住民税の申告を行っていない場合も住民税の追加徴収の対象となる可能性があります。
まとめ
年末調整・所得税・住民税はそれぞれ連動しており、年末調整の所得額を基に所得税と住民税が計算され、納税を行います。
住民税は前年の所得に対し、翌年度に分割して納付していきますが、前年度の修正申告を行った場合や年末調整では申告が完了できないケース(複数の法人による雇用、給与収入以外の所得など)で税金関係を済ませてしまうと、後日住民税の追加納付の対象となる可能性があります。
また、給与から天引きされている場合、退職・転職時に住民税の残額を清算することが雇用主から提案されることがありますが、住民税の残額が清算時の給与よりも多いと相殺しきれず、残額を振り込むことになります。
転職・退職に伴う住民税の清算は、本来負担する住民税額と総額は変わりませんが、一括納付となるため金額が大きくなり負担が生じる原因となります。
会社員で住民税決定通知後に追加納付の連絡が来る場合は、年末調整の利用に起因するケースが考えられます。追加納付は速やかに支払い、以後はご自身の税金関係が年末調整だけで完了できるかどうかをよく把握して税金関係に対応していくことをお勧めします。
執筆者 : 菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表
