誰も住んでない実家の「固定資産税の納付書」で、税金が「年4万→24万円」と“6倍”に跳ね上がりビックリ! 何もせず「放置してただけ」なのにナゼ? 固定資産税の注意点を解説
本記事では、空き家に対する法的な取り扱いと、固定資産税が最大6倍になる仕組みについて解説します。
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目次
「住宅用地の特例」の仕組み
固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産を所有している人に対して課される地方税です。原則として固定資産の評価額に標準税率を乗じて計算されますが、人が居住する家屋が建っている土地には「住宅用地の特例」という税負担を軽減する措置があります。
この特例により、敷地面積が200平方メートル以下の「小規模住宅用地」については、固定資産税の課税標準額が6分の1に減額されます。土地の本来の固定資産税額が24万円であっても、この特例が適用されていれば、税額は4万円に抑えられます。
ただし、この軽減措置は、長期間放置された空き家に対して無条件で適用され続けるものではありません。
「空き家対策特別措置法」の改正と「管理不全空家等」の創設
深刻化する空き家問題に対応するため、国は「空家等対策の推進に関する特別措置法」を定めています。これまでも、倒壊の危険性などがある空き家は「特定空家等」に指定され、自治体から勧告を受けると住宅用地の特例から除外される仕組みがありました。
さらに、令和5年12月13日には改正法が施行され、新たに「管理不全空家等」という区分が設けられました。これは、現状では特定空家等には該当しないものの、屋根や壁の腐食・破損、雑草の繁茂、敷地内のゴミの散乱など適切な管理が行われておらず、放置すれば特定空家等になるおそれがある空き家を指します。
自治体から管理不全空家等に指定されて「指導」を受け、改善されないまま「勧告」の段階に至ると、特定空家等と同様に住宅用地の特例の対象から外れます。つまり、管理が行き届いていないだけで、税制上の優遇措置を失うリスクがあるということです。
固定資産税が最大6倍になる仕組み
住宅用地の特例が解除された場合、負担額は具体的にどのように変わるのでしょうか。小規模住宅用地の土地にかかる固定資産税を例に見てみましょう。
土地の本来の税額が24万円となるケースを想定します。住宅用地の特例が適用されている間は、課税標準額が6分の1に軽減されるため、土地の固定資産税は「24万円×1/6=4万円」です。
しかし、自治体から勧告を受けて翌年の1月1日時点で特例の対象から外れた場合、軽減のない本来の税額計算に戻ります。その結果、土地の固定資産税は24万円の請求となり、軽減措置は適用されません。
これが、固定資産税が「年4万円から24万円へと6倍になる」仕組みです。家屋の税金は別途かかりますが、土地部分の税負担が元の水準に戻るだけでも、家計への影響は小さくありません。
税負担の増加を防ぐための空き家対策
このような税負担の増加を防ぐには、空き家が「管理不全空家等」に指定されないように、日頃から適切な対策を続けることが大切です。そのため、建物の換気や通水、雑草の処理などは定期的に行う必要があります。
将来的に居住する予定がないのであれば、維持費や税金が増える前に売却や賃貸活用を検討することも1つの選択肢です。建物の老朽化が進んでいる場合は、解体して更地(さらち)にしたうえで売却するという方法もあります。
なお、更地にすると住宅用地の特例自体が適用されなくなるため、売却の見通しや費用とのバランスを踏まえて判断することが必要です。
適切な管理で固定資産税の急増リスクを回避しましょう
空き家をそのまま放置することは、建物の価値を下げるだけでなく、税制上の優遇措置を失い、経済的な負担を増やす原因にもなり得ます。固定資産税の納付書が届き、税額が大きく変わっていた場合、法改正による特例の解除の可能性もあるでしょう。
制度の仕組みを正しく理解し、定期的な維持管理を続けることで、こうした急激な税負担の増加を回避できます。将来の使い道を見据えながら、早めに対応を検討することをおすすめします。
出典
国土交通省 住宅:空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報
e-Gov 法令検索 空家等対策の推進に関する特別措置法
大阪市 住宅用地の課税標準の特例措置
杉並区 管理不全空家等への対応
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー