夫婦で「ふるさと納税」を上限まで使ったけど、実は“住宅ローン控除”との併用で「年5万円」も控除しきれず捨てていた!? 5月の通知書で気づく「実質負担2000円」の注意点

配信日: 2026.04.21
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夫婦で「ふるさと納税」を上限まで使ったけど、実は“住宅ローン控除”との併用で「年5万円」も控除しきれず捨てていた!? 5月の通知書で気づく「実質負担2000円」の注意点
共働き世帯にとって、ふるさと納税は家計を助ける有効な手段であり、限度額いっぱいまで寄附する人も多いでしょう。
 
しかし、毎年5月頃に配られる「住民税決定通知書」は確認しているでしょうか。実は、マイホームを購入して住宅ローン控除を受けている場合、制度の仕組み上、年間数万円規模の控除を使い切れず、結果として自己負担が増えてしまうケースが存在します。
 
本記事では、年収500万円の会社員を例として、2つの制度を併用した際に起こりがちな「損」や、通知書で損をしていないか確認するためのポイントを解説します。
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住宅ローン控除とふるさと納税の併用で起こる損とは?

本来はお得な制度を併用しているのに、なぜ損をするのでしょうか。その理由は、両制度ともに「本来支払うはずの税金」を原資としており、「まず所得税から控除し、引ききれない分を住民税から差し引く」という共通の仕組みを持っているためです。
 
ここで問題となるのは、住民税側の住宅ローン控除には上限が設けられている点です。
 
年収500万円の会社員のように、課税総所得金額が200万円を超える場合、その上限は9万7500円(居住年が2014年から2021年12月31日までであって特定取得の場合は13万6500円)と決まっています。ふるさと納税によって先に所得税が減少すると、住宅ローン控除で使える所得税の枠が縮小します。
 
その結果、本来所得税で控除できたはずの金額が住民税へ回り、上限に達してしまうケースが発生するのです。住民税の控除枠を超えた分は切り捨てられ、結果として控除が消滅します。
 
これが「実質負担2000円に収まらない」原因であり、制度の見えにくい注意点といえます。
 

控除がムダになるケースとは?

では、実際にどの程度の影響があるのか、年収500万円の会社員を例に具体的に確認していきます。例えば、年収500万円で年間約20万円の住宅ローン控除を受けている場合、ふるさと納税の限度額は約6万円です。
 
しかし、医療費控除などで確定申告を行うと、ふるさと納税の控除が先に所得税へ反映されるため、住宅ローン控除を差し引く枠が不足します。住民税の上限を超えて回された控除額は切り捨てられ、「実質負担2000円」のはずが、数万円の自己負担が発生する事態に陥る可能性があるのです。
 
つまり、「6万円寄附したのに控除額が1万円程度にとどまる」といった事態が起こり得ます。この場合、自己負担は2000円ではなく、本来戻るはずだった実質5万円近くの税金を捨てていることになります。
 

5月に届く「住民税決定通知書」のチェックポイント

こうした損失を防ぐためには、毎年5月頃に受け取る住民税決定通知書の内容を確認することが重要です。見落とされがちですが、ここに結果が明確に反映されています。
 
特に確認したいのは、左下にある「税額控除額」の欄と、右側の「摘要」欄です。確定申告をしている場合、摘要欄に「住宅借入金等特別税額控除」と記載されています。その金額が住民税側の上限額である9万7500円と一致している場合は注意が必要です。
 
上限に達していれば、本来受けられたはずの控除が切り捨てられている証拠となります。ここであふれてしまった金額が、そのまま「本来は戻るはずだったのに捨ててしまったお金」となり、ケースによっては5万円もの損につながります。
 

共働き世帯は「ワンストップ特例」を活用しよう

住宅ローン控除とふるさと納税を併用する際、控除の取りこぼしを防ぐために有効な対策がワンストップ特例制度の活用です。
 
確定申告を行う場合、ふるさと納税の控除が所得税と住民税の両方に分散されるため、住宅ローン控除で使える所得税の枠が圧迫されやすくなります。一方、ワンストップ特例を利用すると、ふるさと納税の控除はすべて住民税から差し引かれる仕組みが活用可能です。
 
この方法であれば、住宅ローン控除のベースとなる所得税が減らないため、所得税の枠の食い合いを避けることができます。ただし、住民税側の控除上限(9万7500円)は変わらないため、住宅ローン控除の住民税分と合算して上限を超える場合は、ワンストップ特例を使っても控除の切り捨てが生じる点には注意が必要です。
 
共働きでそれぞれ寄附を行っている家庭では、医療費控除などで確定申告が必要な場合を除き、この制度の活用が有効でしょう。
 

ふるさと納税を上限まで使う前に、制度を正しく理解しておこう

ふるさと納税も住宅ローン控除も、正しく活用すれば家計にとって大きな味方になる制度です。しかし、2つを組み合わせることで控除が意図せず切り捨てられ、数万円規模の損失が生じるケースは決して珍しくありません。
 
大切なのは、年収やローン残高をもとに事前にシミュレーションを行い、どちらの制度をどのように使えば控除を最大限に生かせるかを確認しておくことです。また、毎年5月に届く住民税決定通知書で実際の控除額を照合する習慣を持つことで、見落としを防ぐことができます。
 
制度は仕組みを正しく理解したうえで活用しましょう。
 

出典

国税庁 No.1000 所得税のしくみ
総務省 新築・購入等で住宅ローンを組む方・組んでいる方へ 個人住民税の住宅ローン控除がうけられる場合があります。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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