会社員「年収400万円」がマイホームを購入! でも“住宅ローン控除”が終わると、住民税が「6万円」も増える!? 11年目から“手取りが減る理由”と家計の注意点
控除期間が終了する11年目には、「いつもより手取りが減っている」という変化が起こる可能性があります。本記事では、年収400万円の会社員を例に、ローン控除終了後に住民税がどれくらい増えるのかを解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
住民税が月額5000円アップ? 手取りが減る仕組み
住宅ローン控除は、年末のローン残高に応じて「所得税」と「住民税」が軽減される制度です。まず所得税から控除され、それでも控除しきれなかった分が翌年の住民税から差し引かれます。
控除期間中は、この仕組みによって毎月の住民税が抑えられ、手取り額が底上げされていました。しかし、控除期間が終了すると、これまで軽減されていた税負担が元に戻ります。
例えば、2015~2016年前後に入居した場合、控除額の上限は13万6500円です。年収400万円の会社員で扶養家族なしの場合、所得税額は年額でおよそ7~9万円となるため、控除額が13万円ある場合は所得税が全額控除され、余った分が住民税から差し引かれます。
しかし、控除期間が終了すると、この住民税の軽減もなくなります。仮に年間6万円の住民税軽減を受けていた場合、11年目の6月からは月額約5000円、天引き額が増えてしまうのです。
さらに、これまで年末調整で受け取っていた還付金も適用対象外になります。そのため家計全体で見ると、年間で10万円以上の手取り減を実感するケースもあるでしょう。
固定資産税の優遇終了と家計の支出増に要注意
住宅ローン控除が終了するタイミングは、支出が重なりやすい時期でもあります。まず見落とせないのが、住宅設備の寿命です。新築から10年ほどたつと、給湯器やエアコン、水回りなどの故障が起こり始め、数十万円単位の突発的な出費が発生する可能性があるでしょう。
さらに、外壁塗装や防水工事といった大規模修繕の準備も必要になります。加えて、10年固定型住宅ローンを利用している場合は、11年目に金利上昇のタイミングが重なる可能性もあります。
また、この時期には、子どもの教育費が「貯め期」から「使い期」へ移行する家庭も多いでしょう。住宅維持費と教育費のピークが重なると、節約だけで対応するのは難しくなります。
そのため、住宅ローン控除があるうちに、11年目以降の支出増加を見据えた備えができているかが重要になります。
11年目の変化に備える「家計の余力」
支出増加の変化に備えるためには、控除が受けられている間から「家計の余力」を確保しておくことが大切です。
ポイントは、「住宅ローン控除によって軽減されている税金分は、最初から存在しないものとして生活する」ことです。
年末調整の還付金や、毎月軽減されている住民税分を「臨時収入」として使ってしまうと、控除終了後の負担増に対応できず、家計に大きな影響が出る可能性があります。
そこで有効なのが、還付金と住民税軽減額の合計をあらかじめ把握し、その分を「住宅維持・増税対策費」として別口座に積み立てる方法です。例えば、月5000円の住民税軽減と年10万円の還付金がある場合、年間で約16万円の資金を確保できる計算になります。
さらに、このような長期の積み立てには新NISAなどの非課税制度を活用するのも有効です。将来の修繕費に備えつつ、資金を効率良く増やせる可能性があります。
仮に修繕費として使わなかった場合でも、そのまま老後資金や教育費へと活用できるため無駄がありません。「税金が安いうちに貯める」だけでなく、「仕組み化して残す」という視点が、将来の家計を支えるポイントになります。
住宅ローン控除の期間後を想定した計画的な家計管理を
年収400万円の会社員にとって、住宅ローン控除の恩恵は大きい一方で、終了後の影響も無視できません。11年目以降は住民税の増加により、毎月の手取り額が減少する可能性があります。
減ってから慌てるのではなく、控除期間中を「貯めどき」ととらえることが重要です。税負担が軽減されている今のうちに資金を蓄え、将来の支出増に備えた家計基盤を整えていきましょう。
出典
国税庁 No.1212 住宅の新築等をし、令和3年までに居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
国税庁 No.2260 所得税の税率
総務省 新築・購入等で住宅ローンを組む方・組んでいる方へ 個人住民税の住宅ローン控除がうけられる場合があります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー