家族の医療費をまとめて払っていたら、年間で「20万円」近くになりました。別居している親の分は、医療費控除で申告できないのでしょうか?

配信日: 2026.05.13
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家族の医療費をまとめて払っていたら、年間で「20万円」近くになりました。別居している親の分は、医療費控除で申告できないのでしょうか?
親の医療費については、同居していない場合であっても、一定の条件を満たせば合算して医療費控除を申告できるケースがあります。判断のポイントとなるのは、「生計を一にしているかどうか」です。
 
この条件を正しく理解していないと、本来適用できる控除を利用できない可能性もあるため、制度の内容を確認しておくことが重要です。
 
本記事では、医療費控除の基本的な仕組みから、具体的な計算方法、申告時の注意点までを整理し、家計の負担を軽減するための実践的な知識を解説します。
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同居は必須条件ではない! 親の医療費を合算できる「生計を一にする」の定義

家族の医療費をまとめて申告する場合、最大のポイントは「生計を一にしているかどうか」です。これは、必ずしも同じ屋根の下で暮らしていることを意味しません。
 
国税庁の定義によると、別居している場合でも、常に生活費や療養費などの仕送りを行っている実態があれば、「生計を一にする」ものとして取り扱われるとしています。
 
つまり、離れて暮らす親の医療費を子どもが支払っている場合、その親が子どもの仕送りで生活しているといった背景があれば、子ども側の確定申告で親の医療費を合算することは可能と考えられます。
 
なお、親と同居している場合には、明らかに独立して生活していると認められる場合を除き、原則として「生計を一にしている」とみなされます。
 

医療費控除でいくら戻る? 「10万円」または「総所得金額等の5%」を超える額が対象

医療費が20万円近くかかった場合、実際にいくら控除されるのか気になるところです。国税庁によると、医療費控除の金額は、以下の計算式で算出されます。
 
・(実際に支払った医療費の総額-保険金などで補てんされた金額)-10万円=医療費控除額
 
ただし、この10万円という数字には例外があります。その年の総所得金額等が200万円未満の人の場合は、10万円ではなく総所得金額等の5%を差し引くことになっています。
 
例えば、年間の総所得金額等が150万円の人の場合、「150万円×5%=7万5000円」となり、その年に実際に支払った医療費総額が7万5000円を超えた分について控除を受けることが可能です。
 
今回のケースで、年間20万円の医療費を支払っていて、仮に総所得金額等が200万円以上、保険金などで補てんされる金額がない場合は、10万円が所得から控除される計算になります。
 

確定申告に向けた準備と医療費通知の活用

医療費控除を適用させるためには原則として確定申告が必要です。確定申告の際、以前は医療費の領収書を提出する必要がありましたが、現在は医療費の領収書から「医療費控除の明細書」を作成し確定申告書に添付することで申告が可能です。
 
領収書自体は確定申告期限等から5年間、自宅などで保存する必要があります。提出は不要ですが、税務署から求められた場合には提示または提出しなければなりません。
 
より手続きを簡略化したい場合は、健康保険組合など医療保険者から届く医療費通知(医療費のお知らせ)を活用しましょう。この通知を申告書に添付することで、明細書への個別の記載を省略することができます。
 

家族の医療費を賢く申告して家計の負担を軽減しよう

自身の分だけでなく、生計を一にしている家族のために支払った医療費も合算して申告できる医療費控除は、家計負担の軽減につながる制度のひとつといえるでしょう。
 
今回のように年間で20万円近い支出がある場合、適切に申告することで数万円単位の税金が還付される可能性があります。同居か別居かという形式にとらわれず、実質的に生計を一にしている家族の分まで含めて計算することが節税への第一歩です。
 
申告の準備として、まずは1年分の医療費の領収書を家族ごとに整理し、保険金などで補てんされた金額がないか確認しましょう。確定申告時期に向けて、早めに医療費の総額を把握しておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.1180 扶養控除 「生計を一にする」の意義
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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