「初任給28万円」と聞いて“余裕で生活でできる!”と思ったのに、振り込みは「23万円」で衝撃! 5万円も引かれるのは“普通”なんですか? 天引きされる税金・社会保険料とは

配信日: 2026.05.20
この記事は約 4 分で読めます。
「初任給28万円」と聞いて“余裕で生活でできる!”と思ったのに、振り込みは「23万円」で衝撃! 5万円も引かれるのは“普通”なんですか? 天引きされる税金・社会保険料とは
「就職したら、月28万円の収入だ」と思っていた人は、実際の振込額を見て「えっ、これだけ?」とショックを受けたかもしれません。
 
給与からは、社会保険料や所得税などが差し引かれるため、雇用契約書の金額と手取り額には、ある程度の差が生じてしまうのです。本記事では、給与から天引きされる社会保険料や税金について紹介します。
橋本典子

特定社会保険労務士・FP1級技能士

給与から引かれているものは?

給与からは、通常、健康保険料をはじめとする社会保険料、所得税・住民税などが差し引かれます。
 

差し引かれる社会保険料

通常、給与から社会保険料として差し引かれるものは次の通りです。


・健康保険料
・厚生年金保険料
・雇用保険料
・子ども・子育て支援金

これらのほかに、40歳になると介護保険料が控除されるようになります。
 

差し引かれる税金

給与から差し引かれる税金は、以下のとおりです。


・所得税
・住民税

なお、住民税は、前年の所得に応じてかかるため、新卒で就職した人の多くは課税されないでしょう。ただし、学生時代にアルバイト収入が多かったなど、前年所得が一定額以上の場合は住民税がかかることがあります。
 

社会保険料と税金はいくら引かれる?

「総支給額が28万円」の場合に差し引かれる社会保険料と所得税は、いくらくらいになるのでしょうか?
 

差し引かれる社会保険料

タイトルの「総支給額28万円」の場合、下記の社会保険料が差し引かれます。なお、健康保険料は、協会けんぽ(東京支部・2026年度・標準報酬月額28万円)の料率で、雇用保険料は2026年度4月分以降の率で計算しています。


・健康保険料 1万3790円
・厚生年金保険料 2万5620円
・雇用保険料 1400円

なお、5月に支払われる給与からは、健康保険料に上乗せされる形で「子ども・子育て支援金」の徴収が始まります。標準報酬月額が28万円の場合、子ども・子育て支援金の額は「月322円」です。
 
子ども・子育て支援金を含めた社会保険料の合計は、4万1132円になります。健康保険料と厚生年金保険料は、原則として、一度決定されると9月までは同額が控除されます。残業などで多少収入が変わっても、額は変わりません。
 
しかし、雇用保険料は、その月の総支給額に雇用保険料率を掛けて計算するため、残業や休日出勤、ほかの手当の増減等があれば毎月変わります。
 

差し引かれる所得税

所得税は、社会保険料を差し引いた後の課税金額をもとに、扶養人数や税額表の種類(甲欄か乙欄か)によって決まります。タイトルの「給与が28万円」のケースで考えてみましょう。28万円に非課税枠の通勤手当が含まれていない場合、課税される額は「23万8868円」です。
 
扶養なし・甲欄の場合、23万8868円に対応する所得税は5680円です。社会保険料4万1132円と合わせると、控除額は4万6812円になります。
 

4月と5月では控除額が違う

「でも、4月の給与は所得税と雇用保険料しか引かれなかったよ」という人もいるでしょう。それは、健康保険料と厚生年金保険料は「翌月に控除される」からです。
 

社会保険料の控除開始は5月

通常、4月分の健康保険料・厚生年金保険料・子ども・子育て支援金は、5月に支払われる給与から差し引かれます。そのため、4月に入社した場合、控除が始まるのは5月支払いの給与からなのです。
 
なお、雇用保険料は支払月の総支給額をもとに計算されるため、4月支払いの給与から控除されます。
 

賃金締切日と支払日の関係

給与には、会社が決めた「締切日と支払日」があります。「末日締め・翌月20日支払い」の会社では、4月1日から4月30日に働いた分の給与は5月20日に振り込まれます。
 
「20日締め・当月25日支払い」の会社では、3月21日から4月20日に働いた分が4月25日に支払われます。新卒で入社日は4月1日の場合、4月25日の振込額は4月1日~4月20日の就労分です。
 
社会保険料の翌月徴収や賃金締切日を考えると、今後のおおまかな振込額については、5月支払分を参考にするのがよいでしょう。
 

まとめ

社会保険料や所得税を高いと感じる人は多いと思いますが、社会人になると避けられないものです。実際、最初は驚いていた人も、徐々に「このくらいの額が目安だな」と感覚がつかめてくるでしょう。
 
社会保険には、将来の年金や傷病手当金、出産手当金などの保障があります。また、雇用保険にも、育児休業や失業時の給付が整備されています。こうした制度があるため、いわゆる掛け捨てではありません。社会保険料は毎年見直しが行われますから、定期的に確認しておくと安心です。
 

出典

全国健康保険協会 令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)
国税庁 給与所得の源泉徴収税額表(令和8年分)
 
執筆者 : 橋本典子
特定社会保険労務士・FP1級技能士

  • line
  • hatebu
【PR】 yumobile
FF_お金にまつわる悩み・疑問