子どもの「矯正代」を“ボーナス100万円”で払う予定です。歯並びが悪く「見た目の改善」のためですが、審美目的でも“医療費控除”の対象になりますか? 判断基準と具体例を確認

配信日: 2026.05.21
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子どもの「矯正代」を“ボーナス100万円”で払う予定です。歯並びが悪く「見た目の改善」のためですが、審美目的でも“医療費控除”の対象になりますか? 判断基準と具体例を確認
歯列矯正は保険適用にならない場合が多く、費用が高額になりやすいです。そのため、ボーナスで子どもの歯列矯正費を支払うような場合、「医療費控除の対象になるのか」「審美目的だと対象外なのでは」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。高額な歯列矯正費は、控除の可否で家計への影響も大きく変わります。
 
本記事では、子どもの歯列矯正費が医療費控除の対象となる場合の考え方や判断基準、控除額の仕組み、申告時の注意点までを分かりやすく解説します。
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子どもの歯列矯正は医療費控除の対象になる?

子どもの歯列矯正は、一定の条件を満たせば医療費控除の対象になります。ポイントは「治療目的かどうか」です。医療費控除は、病気やけがの治療、または身体の機能改善を目的とした医療行為に対して認められる制度だからです。
 
一般的に、子どもの歯列矯正は成長過程におけるかみ合わせの改善や正常な発育を促す目的で行われることが多く、「治療」として認められやすい傾向があります。例えば、咀嚼(そしゃく)機能の改善や発音への影響の解消などが目的であれば、医療費控除の対象となる可能性が高いです。
 
一方で、大人の矯正は見た目の改善が主目的と判断されやすく、対象外となるケースも少なくありません。つまり、同じ歯列矯正でも一律で医療費控除の対象となると言えるものではなく、「誰の治療か」「何のための治療か」が重要な判断基準になります。
 

「審美目的」は対象外? 医療費控除の判断基準と具体例

歯列矯正において医療費控除が認められるかどうかは、見た目の改善か機能の改善かで判断されます。
 

対象になるケース

噛み合わせが悪く食事に支障がある場合や、あごの成長バランスを整える必要があるケースのほか、歯並びの問題が原因で虫歯や歯周病のリスクが高まる場合も、予防的な治療として対象になることがあります。
 

対象外になるケース

一方で、歯並びをきれいに見せることのみを目的とした矯正、いわゆる審美目的の場合は医療費控除の対象外とされます。例えば、かみ合わせや発音に問題はなく、見た目だけを整えるために行う矯正は、審美目的と判断される可能性があります。
 
なお、子どもの場合は成長段階にあるため、結果的に見た目が改善されたとしても、治療目的と認められるケースが多い点は押さえておきたいポイントです。
 

ボーナスで100万円支払った場合の控除額は?

医療費控除は「支払った額がそのまま還付される制度」ではなく、課税所得を減らす仕組みです。医療費控除額は、以下の計算式で求められます。
 
医療費控除額 = 支払った医療費 − 生命保険金や医療費保険などで穴埋めされた額 − 10万円
※総所得が200万円未満の場合は、総所得の5%
 
例えば、年間で歯列矯正費100万円を支払った場合、保険金などで穴埋めがなければ、医療費控除額は90万円となり、90万円が課税所得から控除されます
 

実際に軽減される税額の目安

医療費控除は控除額そのものが戻ってくるわけではなく、所得税や住民税の負担が軽減されます。例えば、所得税率10%であれば、約9万円の節税効果が見込まれます。さらに住民税(一般的に10%)も軽減されるため、合計で十数万円程度の節税につながるケースもあります。
 
このように、ボーナスでまとめて支払った場合でも、一定の税負担軽減が期待できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
 

医療費控除を受けるための注意点と手続きのポイント

医療費控除を確実に受けるためには、事前の準備と記録が欠かせません。
 
まず、申告時には医療費控除の明細書を提出します。その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費が対象となるため、対象となる医療費の合計を計算する必要があります。領収書の添付や提示は不要ですが、確定申告期限から5年間は、税務署から提示または提出を求められる場合があるため、領収書は自宅で保管しておきましょう。
 
なお、歯列矯正は治療目的か審美目的かで判断が分かれることがあるため、診断内容や治療目的が分かる資料も保管しておくと安心です。
 

誰が申告するかも重要

医療費控除は、家族分をまとめて申告できますが、所得金額が高い人が申告したほうが節税効果は大きくなります。共働き家庭では、どちらが申告するかを検討することも大切です。
 
さらに、通院にかかった交通費(公共交通機関)も対象となるため、忘れずに記録しておきましょう。交通費なども含めた積み重ねが、最終的な控除額に影響します。
 

子どもの歯列矯正費は「治療目的かどうか」が医療費控除のポイント

子どもの歯列矯正費は高額になりやすいものの、治療目的と認められれば医療費控除の対象となる可能性があります。特に成長期の子どもの矯正は、機能改善の側面が重視されるため、審美目的のみと判断されないケースが多い点が特徴です。
 
ただし、最終的な判断は個別の状況によります。矯正治療を検討している場合は、契約前に「治療目的として説明されているか」「領収書や診断内容を保管できるか」も確認し、医療費控除の申告を見据えて準備しておきましょう。
 

出典

国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費
国税庁 No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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