70代の父は「貯金3000万円」なのに、“住民税非課税世帯”として「給付金がもらえる」とのこと。生活に困ってないと言いますが、「年金7万円」なら対象になるのでしょうか?

配信日: 2026.05.22
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70代の父は「貯金3000万円」なのに、“住民税非課税世帯”として「給付金がもらえる」とのこと。生活に困ってないと言いますが、「年金7万円」なら対象になるのでしょうか?
70代の親が貯蓄を3000万円ほど持っているのに、「住民税非課税世帯」として給付金の対象になっていると聞くと、不思議に思う人もいるのではないでしょうか。住民税非課税世帯の判定基準は所得であり、保有する資産は対象になりません。
 
それでは、年金収入が月7万円ほどの場合、本当に非課税世帯に当てはまるのでしょうか。本記事では住民税非課税世帯の基準と給付金の仕組みを解説します。
金子賢司

CFP

住民税非課税世帯とは?

住民税は、所得に応じて課される所得割と、一定額が課される均等割の2つで構成されています。地方税法295条では、生活保護受給者や前年の合計所得金額が一定額以下の者には住民税を課さないと定められています。
 
住民税非課税世帯とは、世帯全員の住民税(所得割、均等割)が非課税となる世帯のことです。判定の基礎は前年の所得であり、保有している預貯金や不動産といった資産は計算に含まれません。
 
均等割の非課税限度額は、自治体ごとに条例で定められています。例えば、1級地に該当する東京23区などでは、扶養親族のいない単身者の場合、前年の合計所得金額が45万円以下であれば住民税は非課税です。
 
なお、自治体は1から3級地に区分され、2級地・3級地では基準額がさらに低くなる場合があります。
 

「年金7万円」なら住民税非課税世帯に該当?

65歳以上の単身者で収入が年金のみの場合、住民税非課税となる年金収入の目安は1級地で年155万円以下です。これは公的年金等控除110万円と非課税限度額45万円を合計した金額となります。
 
月の年金収入が7万円であれば、年間の年金収入は84万円となります。これに公的年金等控除110万円を差し引くと、公的年金等に係る所得は0円です。年金以外に給与や事業所得などがなければ、合計所得金額も0円となります。
 
いずれの級地でも非課税限度額を下回るため、父親は住民税非課税世帯に該当します。月7万円程度の年金は国民年金の満額に近い水準であり、住民税非課税のラインは余裕をもってクリアできる水準です。
 

「貯金3000万円」でも給付金の対象になる?

給付金の対象判定にも、貯蓄額は考慮されません。
 
その代表的な例が、内閣府が所管する「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」です。令和6年度には、住民税非課税世帯へ1世帯あたり3万円を目安として給付が行われました。
 
さらに、18歳以下のこどもがいる世帯では、こども1人あたり2万円が加算の対象でした。受給要件は、あくまで住民税非課税世帯であることであり、預貯金や有価証券といった資産の有無は判定基準には含まれません。
 
つまり、貯蓄が3000万円あっても、所得基準で住民税非課税世帯に該当すれば給付金は支給されます。年金収入のみの高齢者世帯は、貯蓄の多寡にかかわらず非課税世帯に当てはまるケースが多い傾向です。
 
現行制度で所得のみを基準とする点は問題視されており、現役世代も含めた中低所得層を支援する「給付付き税額控除」など、新たな制度の検討も進められています。
 

まとめ

住民税非課税世帯の判定は所得を基準とし、資産は考慮されません。月7万円の年金収入であれば年84万円となり、公的年金等控除110万円を差し引くと所得は0円となるため、父親は住民税非課税世帯に該当します。
 
貯蓄が3000万円あっても、給付金は所得を基準に判定されるため、父親は支給の対象となるわけです。資産の多寡が判定に影響しない仕組みを押さえておきましょう。
 

出典

総務省 個人住民税
国税庁 No.1600 公的年金等の課税関係
国税庁 高齢者と税(年金と税)
 
執筆者 : 金子賢司
CFP

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