2年目以降の住宅ローン控除。年末までの〈流れ〉と〈必要書類〉についておさらい!
配信日: 2020.10.15 更新日: 2020.10.28
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
2年目の住宅ローン控除は年末調整で!
1年目と異なり、2年目の住宅ローン控除は勤務先の年末調整で簡単に済ませることができますが、年末調整を受けるためには勤務先の定める期限までに必要な書類をそろえて提出しなければなりません。まずは簡単な流れを時系列ごとに確認していきます。
年末調整までのスケジュールを確認
下記が、年末調整までのおおよそのスケジュールとなっています。
10月頃
住宅ローン控除の適用を受けるには一年目に確定申告が必要になります。具体的な時期としては、住宅を購入した年の翌年1月中旬から3月中旬ごろになります。この1年目の確定申告していると、10月頃を目途に税務署から「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」という書類が送られてきます。この書類は年末調整によって住宅ローン控除を受けるのに必要となります。
ただ、この書類は9年分(一定の場合は12年分)まとめて送られてくるため、紛失しないよう厳重に保管しておく必要があります。
11月頃まで
毎年10月から11月にかけて、金融機関から「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」(残高証明書)という書類が届きます。これはその年の12月末時点でのローン残高の予定額が記載された書類です。毎年送られてくるとはいえ、住宅ローン控除の適用に必要な書類となりますので紛失しないように気を付けてください。
11月から12月中
勤務先によっても異なりますが、多くの会社において11月から12月にかけて年末調整に必要な書類一式が配布されます。具体的には「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」などです。
勤務先の定める期間までに配布された書類に必要事項を記入し、「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」と「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」(残高証明書)とともに提出します。
ここまで提出できれば、行うべき手続きは全て終了です。あとは勤務先が年末調整の実施と同時に住宅ローン控除の手続きも行ってくれます。これにより、確定申告をする必要もなく住宅ローン控除の適用が受けられるのです。
住宅ローン控除を年末調整で受ける場合の注意点は?
続いて、住宅ローン控除を年末調整によって受ける場合の注意点について解説していきます。
書類の管理に気を付ける
住宅ローン控除の適用に必要な書類は、届いたらなくさないように厳重に保管しておかなければなりません。特に「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」は9年分がまとめて送られてくるため、注意が必要です。
もし、必要な書類を紛失してしまった場合は、税務署などに問い合わせをして再発行ということになります。時期によっては再発行に時間がかかり、年末調整に間に合わないということもあり得ます。そうなると自身で確定申告をしなければならなくなってしまいます。
借り換えや繰り上げ返済の時期に気を付ける
住宅ローンの繰り上げ返済や借り換えを10月以降に行った場合は注意が必要です。残高証明書に記載された残高と実際の残高に相違が生じる可能性があるからです。
もし、10月以降に繰り上げ返済などを行った場合は、早めに金融機関へその旨相談するようにしてください。
年末調整に向けて早めのご準備を
2年目以降の住宅ローン控除は、年末調整によって適用を受けることができます。もし、書類に不備や不足があって年末調整に間に合わないという場合は、1年目と同様に確定申告による手続きとなります。確実に年末調整によって住宅ローン控除の適用を受けたいと考えているのであれば、10月ごろから必要書類を確認するなどして、しっかりと準備を進めておくべきです。
出典
国税庁 No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)
執筆者:柘植輝
行政書士
2級ファイナンシャルプランナー