更新日: 2020.12.04 税金

医療費控除でいくら戻ってくる? 対象や条件をチェックしよう!

執筆者 : 柴田千青

医療費控除でいくら戻ってくる? 対象や条件をチェックしよう!
今年は新型コロナウイルスの影響で、思いがけないほど医療費が多くかかった人がいるかもしれません。医療費が多くかかったときには、その分、税金の負担を軽減できる医療費控除という制度があるので、今回はその対象や条件について解説します。
 
柴田千青

執筆者:

執筆者:柴田千青(しばた ちはる)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

2級DCプランナー/精神保健福祉士/キッズ・マネー・ステーション認定講師/終活アドバイザー

小美玉市教育委員
出産を機にメーカーの技術職から転身。自身の資産管理や相続対策からお金の知識の重要性を知り、保険などの商品を売らないFPとして独立。次世代に伝えるための金銭教育活動とともに、セミナー講師・WEB記事を中心とした執筆・個別相談などを行う。

柴田千青

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執筆者:柴田千青(しばた ちはる)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

2級DCプランナー/精神保健福祉士/キッズ・マネー・ステーション認定講師/終活アドバイザー

小美玉市教育委員
出産を機にメーカーの技術職から転身。自身の資産管理や相続対策からお金の知識の重要性を知り、保険などの商品を売らないFPとして独立。次世代に伝えるための金銭教育活動とともに、セミナー講師・WEB記事を中心とした執筆・個別相談などを行う。

医療費控除とは?

自分や家族のために支払った医療費が一定額を超えるときは、所得税の計算において、その医療費を基に計算される金額を総所得から控除することができます。課税される所得が少なくなる分、納める税金が少なくて済むのです。
 
所得税は、収入から経費のほか、基礎控除や社会保険料控除など各種の所得控除を行った後の残りの額(課税所得)に、その額に応じた税率を掛けて算出します。
 
会社員など給与収入がある人の場合、この計算は勤務先の方で行い、月の給与から源泉徴収された分との差額についても年末調整で精算しています。ただし、年末調整では医療費控除を行えないので、もし医療費控除を受けようという場合は自分で確定申告を行う必要があります。
 

医療費控除でいくら戻ってくる?

医療費控除を行うと、どのくらい戻ってくるか見てみましょう。
 

1.医療費控除の計算方法

医療費控除の金額は次のように計算します(最高で200万円まで)。
 
医療費控除の額=実際に支払った医療費の合計額-(1)保険金などで補てんされる金額-(2)10万円・・・(A)
 
(1)生命保険などで支給される入院給付金や、健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など。ただし、保険金などで補てんされる額は給付目的となる医療費分が限度となるので、引ききれない額が出た場合でも他の医療費から差し引かれることはありません。
 
(2)その年の総所得金額などが200万円未満の人は、総所得金額などの5%の金額(例:総所得金額が180万円だったら9万円)
 
(1)の額を差し引くので、入院などで医療費がたくさんかかったとしても医療保険などの給付が多くあると医療費控除の額がなくなり、医療費控除を受けられないという場合も出てきます。
 
また、医療費控除を受けられるのは医療費が10万円以上かかった場合と思っている人もいるようですが、(2)の総所得が少ない場合は差し引く額が少なくなることから、10万円以下でも医療費控除を受けられる可能性が出てきます。
 

2.医療費控除で戻ってくる額は?

(A)で算出された医療費控除の額は戻ってくる税金の額ではなく、所得から差し引くことができる額です。そのため医療費控除を行うことで戻ってくる額は、その部分にかかってくる税金分です。
 
例として、年収436万円の会社員のご家庭で、年間20万円の医療費がかかったとして計算してみましょう。
 
仮に給与所得控除や医療費控除を除く、さまざまな所得控除(基礎控除や社会保険料控除など)の総額が276万円で、年末調整時の課税所得が160万円だったとします。この場合の所得税の税率は5%です。
 
医療費控除=20万円-10万円=10万円となり、確定申告で医療費控除を行うと、その分、課税所得が少なくなるので、この10万円にかかっていた分の税金5000円(10万円×5%=5000円)が戻ってくるということです。
 

医療費控除の対象や条件

医療機関へ支払ったお金でも、医療費控除の対象とならないものもありますし、医療機関でなくても市販薬の購入にかかった費用などで医療費控除の対象となるものもあります。
それぞれどのようなものが対象となるか、一部になりますが例を挙げておきます。
 

1.医療費控除の対象となる例

・通院費
タクシー代は公共交通機関の利用ができない場合のみ。人的役務の対価分なので自家用車の場合のガソリン代や駐車場代は対象外です。
 
・医薬品の購入費
ドラッグストアなどで購入した市販薬でも対象になります。ただし、ビタミン剤など病気の予防や健康増進目的のものは対象外です。
 
・寝たきりの人のおむつ代
医師発行の「おむつ使用証明書」(2年目以降は市町村が交付するおむつ使用の確認書などでも代用可)が必要です。

2.医療費控除の対象とならない例

 
・美容目的の手術や歯列矯正
ただし、子どもの成長を阻害しないように行う不正咬合の矯正などは医療費控除の対象になります。
 
・人間ドックや健康診断の費用
人間ドックや健康診断の結果、異常が発見されて治療が始まった場合には医療費控除の対象になります。
 
・予防接種代
医療費控除の対象となるかどうか迷ったときは、治療や療養に必要なものは対象、予防や健康増進、美容目的のものは対象外と覚えておきましょう。
 

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医療費控除を受けるときに気をつけること

1.ふるさと納税のワンストップサービスを使っていた人は、あらためて申告が必要

医療費控除を行うには確定申告が必要ですが、確定申告を行うと、ふるさと納税のワンストップ特例制度による控除は無効になります。
 
あらためて確定申告での寄附金控除を行う必要が出てくるので、ワンストップ特例申請書を提出済みの自治体の分も含め、各自治体が発行する「寄附金受領証明書」が必要になります。もし確定申告でふるさと納税の寄付内容をあらためて記入しなかった場合、ふるさと納税に関する還付・控除が適用できなくなってしまいます。
 

2.保険からの給付金などを差し引くことを忘れないように

支払った医療費にばかり目を奪われ、医療保険などの給付金で補てんされる分を差し引かずに医療費控除の申請を行ってしまう場合があります。調査が入り、補てんされた分の間違いを指摘されると、多く還付されすぎた分を返さなければならないほか、場合によっては罰金が科されてしまいます。
 
医療費控除の対象や計算方法をよく理解し、間違いのないように申告しましょう。
 
平成29年分から領収書ではなく、医療費控除の明細書や医療費通知書の添付で済むようになり、医療費控除は多少申告しやすくなりました。
 
労力のわりに戻ってくる額は少なく感じるかもしれませんが、医療費控除を受けられるくらい医療費がかかったということは、それだけこの1年の生活が大変だったということです。多少なりとも税金負担を減らすということで、医療費控除も役立てていただければと思います。
 
出典
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
 
執筆者:柴田千青
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者


 

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