年末調整でiDeCoを控除し忘れた場合の対処法をFPが解説
配信日: 2021.01.22
今回は、iDeCoの控除を忘れた場合の対応について解説します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
iDeCoの控除は確定申告でも適用を受けられる
iDeCoの控除を受けるには年末調整でなければダメと思い込んでいる方が時々見受けられますが、実はそうではありません。iDeCoに拠出した掛け金分の所得控除は確定申告で行うこともできるのです。もちろん、年末調整を受けたもののiDeCoの分が反映されていなかったという人が、後日、確定申告でiDeCo分を反映させるということも可能です。
確定申告とは
確定申告について簡単に説明すると、いわば自分で行う年末調整です。年末調整では必要書類を提出すると会社が収入や控除を計算し、税金や所得を確定させる手続きを済ませてくれます。
対して確定申告は、年末調整の手続きを全て自分で行うイメージです。収入や控除を自分で計算し、所得や税金を確定させるのです。iDeCoに拠出した掛け金は小規模企業共済等掛金控除の対象となりますが、これは生命保険に支出した保険料が対象の生命保険料控除のように年末調整によって適用される控除です。
しかし医療費控除など、中には年末調整では適用されず、年末調整を受けていても確定申告が必要な控除もあります。
iDeCoによる控除を確定申告で受けるには?
繰り返しになりますが、iDeCoに拠出した掛け金分の控除が年末調整に間に合わなかった場合、その適用を受けるには確定申告による手続きが必要です。
しかし、確定申告は通年で実施されているわけではなく、原則として例年2月中旬から3月中旬が申告期間となっています。理由次第では期限後であっても確定申告できることがありますが、必ず期日までに手続きをするようにしてください。
確定申告に必要な書類は
iDeCoに拠出した掛け金について確定申告をするには次のような書類が必要です。
・確定申告書(国税庁のホームページ上では書類を用意することなく作成できます)
・源泉徴収票(年末最後の給与が確定した後、勤務先から交付されます)
・マイナンバー確認書類(マイナンバーカード、マイナンバー通知カード、住民票の写しのいずれか1つ)
・身分証明書(マイナンバー確認書類として通知カードや住民票を利用した場合に必要です)
・小規模企業共済等掛金払込証明書(毎年10月から11月にかけて国民年金基金連合会からはがきで送られてきます)
小規模企業共済等掛金払込証明書が手元にない!
小規模企業共済等掛金払込証明書は年末調整や確定申告の期間前である10月から11月頃に届くため、しっかり保管していたつもりが、いざ使おうと思ったら無くしてしまったということも少なくありません。また、年に一度しか届かないため、引っ越しに伴う住所変更を忘れて旧住所に届いていたということもあるでしょう。
もし手元に小規模企業共済等掛金払込証明書がない場合は、自身が加入しているiDeCoの窓口となっている金融機関に依頼することで再発行できます。ただし再発行には時間を要するため、紛失などに気づいた段階ですぐに手続きをするようにしてください。
年末調整でiDeCoの控除を受けられなかったら確定申告を
iDeCoの控除は年末調整だけでなく、確定申告をすることで受けることができます。iDeCoの掛金分が反映されないと、税金を過度に払ってしまっている状態のままになってしまいます。万が一、年末調整によってiDeCoの掛け金が控除されなかった場合、期限内に確定申告をすることができるよう早めに準備を進めていきましょう。
出典 国税庁 確定申告書等作成コーナー
執筆者:柘植輝
行政書士