令和3年1月から開始された「スマホで確定申告」の方法って?
配信日: 2021.02.12
確定申告は、年間の所得を計算して申告し、納付すべき税額を確定することです。この申告の仕方にはいくつかの方法があります。今回は、その方法を見てみましょう。
執筆者:長崎元(ながさき はじめ)
行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表
学校を卒業後、IT企業に就職。約15年勤めた後、行政書士として開業。前職で培ったITの技術と知識を活かし、効率的で、お客様にストレスのかからないサービスを提供している。主な取扱業務は、「許可の取得」や「補助金の申請」。
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申告書用紙で申告する場合
1つは、申告書を紙で作成して税務署に持って行く方法です。分かりやすいですが、確定申告の期限間際などは税務署が混み合うことも多いので、時間に余裕を持って行くのが良いでしょう。
また昨今は、新型コロナウイルス感染症の件もあるので、税務署の対応も例年とは異なる部分があることも考えられます。特に列の並び方などは、距離の確保が求められるのではないでしょうか? 行った際に、昨年や一昨年と違うと混乱しないよう、場内の案内を確認するなどし、混乱しないように注意しましょう。
また、税務署に持って行く以外に、郵送する方法もあります。こちらは手軽で良いのですが、確定申告書の控えが必要な場合は、返送用の封筒を入れましょう。封筒の入れ忘れはよくあるケースです。
e-Taxでの申請
さて、上記の“紙“での提出の他、e-Taxを使用した電子申告があります。この方法を使えば、税務署に行く必要も、ポストに行く必要もありません。パソコンの前に座ったまま、確定申告を済ませることができます。e-Taxは以前から使用することができましたが、パソコンでe-Taxを使う際には、ICカードの読み取り機を自分で用意する必要があり、少々手間でした。
スマートフォンでの申請
しかし、今年(令和3年)1月から、スマートフォンやタブレットからもe-Taxを使用した確定申告が行えるようになりました。これまでICカードの読み取り機が必要でしたが、これに代わって、スマホのカメラを使うことになります。
今回は、今年から導入されたスマートフォンを使った確定申告のうち、iPhoneからの確定申告についてみてみたいと思います。
スマートフォンでe-Taxによる確定申告を行うには、次のどちらかが必要です。
(1)マイナンバーカードと、マイナンバーカード読み取り対応のスマートフォン
(2)ID・パスワード
すでにマイナンバーカードをお持ちの方、「カード持っているから、スマホで申請できる」と早合点しないでください。お手持ちのスマートフォンがマイナンバーカードの読み取りに対応している必要があります。お手持ちのスマートフォンが対応しているか分からない場合は、マイナポータルの公式サイト(※)から調べることができます。
スマートフォンがマイナンバーの読み取りに対応していない場合は、(2)のIDとパスワードを使った方法を選択することになります。IDとパスワードは税務署に行き、発行してもらいます。
結局税務署に行くなら、これまでどおりで良いのでは? と思われた方、確かに「税務署に行く」という点では、そのとおりなのですが、この方法はマイナンバーカードが普及するまでの暫定的な対応であり、マイナンバーカードを使用した申請方法が推奨されています。
上記(1)か(2)が用意できたら、次の手順に進みます。
スマートフォンに専用のアプリケーションをインストールします。お手持ちのスマートフォンがAndroidならGoogle Playストア、iPhoneならApp Storeで「マイナポータルAP」と検索すると出てきます。これをインストールします。
手順2でインストールしたアプリケーションから、確定申告を行うことができます。最初は利用者登録などでご自身の名前などの基本情報を入力する必要があり、煩わしさを感じるかもしれません。
しかし、基本的には画面の表示どおりに捜査していけば確定申告が完了する流れとなっています。
まとめ
誰もがそうだと思いますが、一番やりやすい方法は、“昨年度と同じ方法“だと思います。昨年、紙を税務署に提出された方は、勝手が分かっているので、今年も同じ方法を選択するのが一番手間が掛からないでしょう。
しかし、税務署としては、紙を保管する場所の問題などがあります。また資源節約の観点では、紙を使わないe-Taxのほうが良いといえます。
長年確定申告をされてきた方ならなおさら、切り替えは難しいかもしれませんが、今年から始まったスマートフォンによる申告、一度挑戦してみてはいかがでしょうか?やっぱりダメだった、なら来年、元に戻せば良いので、まずは今年一度、挑戦を。
(※)マイナポータル「よくあるご質問」
執筆者:長崎元
行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表