月収7万円のパート勤務です。職場に有休を申請したら「ダメ」と言われました。正社員でないと有休は取れないのですか?

配信日: 2025.12.31
この記事は約 4 分で読めます。
月収7万円のパート勤務です。職場に有休を申請したら「ダメ」と言われました。正社員でないと有休は取れないのですか?
「うちの会社には有休はない」「パート・アルバイトに有休はない」という会社もあるようです。一定の要件を満たせば会社は、有休を与える必要があります。では、そもそも有休をもらうためにはどのような要件があるのでしょう。内容を解説するともに、付与日数について見ていきましょう。
新美昌也

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

年次有給休暇とは

年次有給休暇(有休)とは、一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために勤続年数に応じて付与される、労働基準法39条に定められた制度です。有休を取得したことで、給与の減額など不利益な扱いを受けることもありません。
 
労働者であれば、正社員、パートタイム労働者などの区分なく、有休の対象となります。
有休は、原則、理由を問わず好きなときに取得でき、会社側としては労働者に指定された日に有休を取らせなければなりません。ただし、休暇によって、事業の正常な運営が妨げられる場合には、休暇日を変更する権利(時季変更権)が会社に認められています。例えば、「業務が多くて忙しい」というあいまいな理由では、時季変更権は認められません。
 
年休は、発生の日から2年間で時効により消滅します(労働基準法115条)ので早めに取得しましょう。なお、その年に付与された有休を使いきれなかった場合、使わなかった分は翌年に繰り越されます。つまり、翌年は繰り越し分と新規付与分の両方の有休を利用できます。
 
なお、法律において付与される年休分を、使用者が買い上げること(一定の金銭を支払うことによって日数を減ずること)は、労働者が希望しても許されません。ただし、法定を上回る年休(例えば、時効にかかった未消化の年休や企業独自の特別休暇)の買い上げは許されます。
また、労働者が退職時までに行使しなかった年休を退職時に使用者が買い上げることは、有休の趣旨に反しないので許されます。
 

年次有給休暇の取得要件と付与日数

有休を取得するには、次の2つの要件を満たす必要があります。
 
(1)雇い入れの日から6ヶ月経過していること
(2)この期間の全労働日の8割以上出勤したこと
 
初回の付与日数は、正社員など一定の要件を満たした労働者の場合、入社6ヶ月後に10日間です。有休の付与日数は勤続年数に応じて増えていきます。最初に年次有給休暇が付与された日から1年後に11日、さらにその1年後には12日、それ以降は1年ごとに2日ずつ増えていきます。入社6年6ヶ月以降は毎年20日、有休が付与されます(図表1)。
 
図表1. 正社員など一定の要件を満たした労働者の付与日数


(厚生労働省「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」より筆者作成)
 

パートタイム労働者も有休は取れる?

パートタイム労働者など、所定労働日数が少ない労働者についても年次有給休暇は付与されます。ただし、付与日数については正社員と違うルールが適用され、週の労働日数に比例して有休が付与されます(比例付与)。
 
この比例付与の対象となる労働者は、(1)週の所定労働日数が4日以下であること、かつ(2)週の所定労働時間が30時間未満です。したがって、この条件を超えて働くパートタイマーは比例付与の対象とならず、正社員と同じ日数が付与されます。
 
例えば、1日8時間、週4日働くパートタイマーであれば、週の所定労働時間が32時間になりますので、比例付与の対象から外れ正社員と同じ日数が付与されます(図表2)。
 
図表2. パートタイムなど所定労働日数が少ない4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者の付与日数


(厚生労働省「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」より筆者作成)
 

有休取得時の賃金の計算方法

賃金の算定方法には、次の3つの方法があります。
 
(1)労働基準法で定める平均賃金(一般的な方法)
(2)所定労働時間を労働した場合に支払われる通常の賃金
(3)健康保険法に定める標準報酬月額の30分の1に相当する金額(労使協定の締結が必要)
 
上記のどれを選択するかについては、就業規則などに明確に規定しておく必要があります。この際、正社員とパートタイマーで賃金の算定方法を変えることができません。
 

まとめ

一定期間勤続した労働者に対して、使用者は原則、労働者が請求する時季に年次有給休暇を与えなければなりません。法律上の権利なので、要件を満たせば、パートタイム労働者などにも付与されます。
 
ただし、所定労働日数が少ないパートタイム労働者については正社員よりも付与日数は少なくなりますので留意しましょう。
 

出典

デジタル庁 e-Gov 法令検索 労働基準法 第39条(年次有給休暇)、労働基準法第115条(時効)、労働基準法付則第136条(不利益禁止)
厚生労働省 年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています
 
執筆者 : 新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問