同じ「年収600万円」なのに、年末調整で“3万円多く戻ってきた”という同僚…「iDeCoに入ってるから」とのことですが、そんなに“得になる”のでしょうか? メリットと注意点を確認

配信日: 2026.01.04 更新日: 2026.01.05
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同じ「年収600万円」なのに、年末調整で“3万円多く戻ってきた”という同僚…「iDeCoに入ってるから」とのことですが、そんなに“得になる”のでしょうか? メリットと注意点を確認
12月もしくは1月の給与支給時に行われる年末調整による還付で、「今年はいくら戻ってくるかな」と楽しみにしている人も多いでしょう。特に2025年の年末調整は、基礎控除が拡大されたことにより、例年より還付額が増えるケースが多い年です。
 
そんな中、同僚が自分よりも3万円も多く還付されている理由が、iDeCoをやっているからと聞くと、「そんなにお得な制度なのか」と興味を持つ人も出てくるのではないでしょうか。iDeCoという言葉は聞いたことがあっても、実際にどのような制度で、どれくらいお得なのかまでは、具体的なイメージがわかないという人も多いかもしれません。
 
本記事では年収600万円の人を例に、実際にiDeCoでどれだけ年末調整の還付金が増えるのかを解説します。
浜崎遥翔

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

そもそもiDeCoとはどのような制度か

iDeCo(イデコ)の正式名称は個人型確定拠出年金で、国民年金や厚生年金といった公的年金に上乗せして、老後の資金を自分で作るための私的年金制度の1つです。
 
自分で申し込みを行い、自分で掛金を拠出し、定期預金や投資信託などの商品を自分で選んで運用します。最終的に、積み立てた掛金と運用益を60歳以降に年金として受け取る仕組みです。
 
なお、毎月の拠出金額には上限があり、会社員は、勤め先に企業年金制度がなければ月2万3000円(年間27万6000円)、企業年金がある場合は月2万円(年間24万円)まで拠出できます。
 

掛金は全額控除! 年収600万円ならいくら戻る?

iDeCoのメリットは、税制上の優遇措置があることです。その1つが所得控除で、支払った掛金は小規模企業共済等掛金控除として、その全額分の所得控除を受けられます。
 
例えば、年収600万円の人が、年間27万6000円の掛金を拠出した場合を考えてみましょう。年収600万円の人の課税所得を計算すると、多くは所得税率が10.21%(復興特別所得税含む)のレンジに入ります(扶養人数などによって異なる場合もあります)。
 
iDeCoで27万6000円の所得控除を受けることで、「27万6000円×10.21%」つまり約2万8000円の節税ができるのです。
 
年末調整は、毎月の給与から概算で天引きされていた所得税を精算する手続きであり、この約2万8000円は年末調整のタイミングで還付金として戻ってきます。
 
なお、iDeCoの掛け金拠出による控除は、住民税も対象となることを知っておくと良いでしょう。住民税率は所得によらず一律10%であり、27万6000円の10%にあたる2万7600円分の節税となるのです。これは、翌年6月から支払う住民税に反映されます。
 

運用益が非課税になるメリットも大きい

iDeCoのメリットは、掛金拠出時の節税だけではありません。本来、株式や投資信託の運用で得た利益には20%の税金がかかりますが、iDeCoの掛金を運用して得た利益に関しては非課税です。
 
例えば、毎月2万3000円分の投資信託を25年間積み立て、年利3%で運用できた場合の運用益は約330万円となり、本来なら約66万円の税金がかかります。しかし、iDeCoを使えばこの税金を0にできるというわけです。
 
もちろん、NISA(少額投資非課税制度)を使っても同様の非課税効果は得られますが、iDeCoを使うことでNISAの非課税枠(1800万円)を温存できます。老後資金の準備はiDeCoで行い、それ以外の資金はNISAで運用するといった使い分けも有効でしょう。
 

60歳まで引き出せない点と出口の課税に注意

非常にメリットの大きいiDeCoですが、デメリットや注意点もあります。
 
まず、原則として60歳になるまで資産を引き出せません。急な出費やライフイベントでお金が必要になっても解約できないため、無理のない金額で設定することが重要です。
 
また、運用中は非課税ですが、60歳以降に受け取る際には退職所得もしくは雑所得として課税対象となります。受け取る際にも大きな控除枠があるため、一定額までは税金がかかりませんが、会社の退職金が多い場合や、公的年金の受給額が多い場合は、控除枠を使い切ってしまい課税されるかもしれません。
 
将来どれくらい税金がかかるかは、勤め先の退職金制度や公的年金の受給見込み額によって異なりますが、全額が完全に非課税で受け取れるわけではないという点は理解しておきましょう。
 

まとめ

iDeCoは、掛金の全額所得控除による即効性のある節税と、運用益非課税による長期的なメリットを併せ持つ制度です。年収600万円で月2万3000円の積立を行う場合、所得税と住民税合わせて年間5万円以上の税負担軽減効果があり、所得税分は年末調整によって還付を受けられます。
 
ただし、60歳までの資金拘束や受け取り時の課税ルールなど、仕組みを正しく理解しておくことが大切です。自分のキャリアプランや資産状況に合わせて、上手に活用してみましょう。
 

出典

国民年金基金連合会iDeCo公式サイト iDeCoって何? iDeCo(イデコ)の特徴
 
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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