最終更新日: 2019.01.10 公開日: 2018.09.26
資産運用

そのFPアドバイスはアナタに合っていますか?…「投資は長期が基本」では、その長期って、どの位かFPは教えてくれますか?

執筆者 : 大泉稔

資産運用や投資の基本として「長期」、「積立」、「分散」の3つを挙げるファイナンシャルプランナー(FP)が多いようです。
 
本稿では、まず「長期」について考えてみたいと思います。本稿では以下、「長期」かつ「一括」の投資を想定します。「投資(=運用。以下、「運用」で統一します)は長期が基本」というのがFPアドバイスの定番です。
 
理由は2点。まず1点目は「複利効果」です。運用中に生じた利益を受け取らず、元本に加えれば、今度は「利益が利益を生む」ことにつながります。2点目は「時間分散」です。時間と共に「リスクも分散する」という考え方です。
 
 
大泉稔

Text:

Text:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

大泉稔

執筆者:

Text:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

「長期運用って、何年ですか?」と尋ねたら、明確に答えてくれますか?

そもそも「長期」というのは何年なのでしょうか?10年、それとも20年?意外と5年とか?
 
某社の運用セミナーでは「変額保険は20年運用すれば利益が出る」と言い切っていました。ということは、20年なのでしょうか。しかし、「長期運用は○年」と明確に答えることはできないはずです。
 
何故ならば、運用は「不確実」が前提だからです。この不確実なことを投資の世界では「リスク」という言い方もします。なので、そもそも論で言えば「運用は長期で」と言い切ってしまうのも問題なのです。
 

「日経平均は一時2万4000円台を回復」という新聞の見出しに見覚えはありませんか?

投資の利益は2通りの道筋があります。「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」です。
 
「キャピタルゲイン」とは「売却益」のことです。売却することで「投資した金額」を「下回る(=元本割れ)金額」で売るのは「売却損」、キャピタルロスとも言います。投資したものを売却することは、「損益を確定する」とも言います。
 
また、「インカムゲイン」とは「保有期間中」に得る利益のことです。債券の利息や株式の配当金、投資信託の分配金などが該当します。
 
ところで、今年の1月18日に、日経新聞にて「日経平均、一時2万4000円台回復 26年2カ月ぶり」という見出しが出たのをご存知でしょうか。この見出し、どういう意味かわかりますか?
 
これは、26年前に「日経平均」で運用を始めた人が、「元本を回復する(つまりプラスマイナスゼロの状態)」までに要した時間が26年だったという意味です。それまでの間に売却(=損益確定)をすると、キャピタルロスになってしまう状態でした。つまり26年間、負けっぱなしです。確かに、長期運用の成果ですし、まさに「待てば海路の日和あり」の言葉通りですね。
 
利益を生んだのではなく、元本を「回復」するのに要したのが26年だったのです。「26年間、よく我慢できましたね」と思わず声を掛けたくなります。
 
26年という歳月の間、家族と共にライフイベントがあり、勤め先を含め、ご自身を取り巻く環境にも変化があったでしょう。この26年間は、どのようなお気持ちだったのでしょうか?日々、冷や冷やなさっていたのでしょうか。それとも、「諦めモード」だったのでしょうか。
 

「配当はもらえていたよね?」

先述について、運用に少し詳しい方なら「26年間、配当はもらえていたよね?」と思われるでしょう。
 
はい、「インカムゲイン」はあったと思います。しかし、そのインカムゲインは、26年もの間、「冷や冷や」な気持ちの日々を温めてくれたのでしょうか?
 
日本の企業の配当金の金額は、2017年度に過去最高を記録しました。しかし、それでも「配当性向(=企業が上げた利益のうち、何パーセントを投資家に還元したのか)」は『アジア欧米企業に見劣り』の状態なのです(2018年7月13日日経新聞を参照)。
 
26年もの間、日経平均を持ち続け、微々たる配当を受け取っているに過ぎないのです。
 

「長期」では報われない…?

26年目にして、2万4000円台を回復。その時に、思い切って売却できていれば、「26年間、待った甲斐がある」というところでしょう。
 
しかし、「日経平均を持ち続ければ、株価はもっと伸びるだろう」と欲をかくと…。どうなっていたでしょうか?筆者の見解としては、「長期投資」というのは少なくとも日本株投資には当てはまらないと思っています。
 

Text:大泉稔(おおいずみ みのる)
株式会社fpANSWER代表取締役