最終更新日:2019.01.07 公開日:2018.11.30
資産運用

投資=ギャンブルは誤解。投資が広まらないワケ

「貯蓄から投資へ」と言われ始めて、何年が過ぎたでしょうか。「金融ビッグバン」と騒がれた時期からすると、20年ほど経ったことになります。
 
この20年間に多くの金融商品制度が登場しましたが、現在に続くヒット制度は見当たりません。これは多くの人がお金を預貯金に入れたままで、投資には向かっていないことの表れでしょう。
 

リスクのマイナス側面ばかりに注目してしまう

投資未経験者に「なぜ投資をしないのか」と尋ねると、よけいなお世話と言われながら、「損をするのが嫌だから」という答えが返ってきました。
 
投資は得をすることも損をすることもあります。未経験者が注目するのは、とくに損のほうです。
 
日本の株式市場ではバブル崩壊、ブラックマンデー、リーマンショックなど、相場の下落時が印象深く記憶されています。下落する前には上昇した相場があったにもかかわらず、下落時をいつまでも記憶するものです。
 
このマイナス側面に注目し、記憶にとどめる傾向は、人間の動物としての本能によるものと思われます。リスクにはプラスとマイナスの両面がありますが、人が敏感に反応するのはマイナス側面です。
 
マイナス側面は危険と同一であり、放っていたら即命の危険につながります。かすかな音や物の動きが、身の危険になるかどうか認識する前に、逃走や回避、闘争モードに変化します。じっくり見極めていれば、動物社会ではその間にやられてしまいます。
 
動物には種の保存システムが備わっているので、危険察知は瞬間的であり、本能的です。現代人に、動物としての身の危険察知はほとんど不要でしょうが、動物として組み込まれた本能は自動的に作動します。
 
本来リスクにはプラスとマイナスがありますが、マイナスのほうがプラスより3倍の威力で受けとめられると言われています。
 
よって、多くの人は、プラスマイナス10%程度の変動の投資には関心を示さないものです。マイナス10%に対してプラスが30%あって、初めて投資をしようかと考えるのです。
 

「投資=ギャンブル」の誤解

投資と言うと、まとまった金額を一度に投ずるイメージがあります。まとまったお金を持っているのはお金持ちであり、お金持ちしか投資はできないと思われています。
 
実は、まとまったお金の一括投資は、精神的なストレスが大きく、後悔を招きやすいものでもあります。投資の際は、上昇と下落の可能性は50対50なので、上昇期待半分で投資します。投資後には、いつ下がるかビクビクした状態が続きます。
 
売却時は、必ずと言っていいほど後悔が伴います。売却後、相場が上昇したら、もう少し待っていれば良かったと思うでしょう。
 
一方、相場がジリジリと下がっていけば、今売却したら損が確定します。損の確定を嫌がれば、ますます下がり、やがて相場を見ようともしなくなります。大きな損失の下で売却すれば、二度と投資には手を出すまいと誓うかもしれません。
 
一括投資は投資のタイミングに左右されることが多く、底で買って山で売ることはプロでも難しいと言われています。まして、投資のたびに山谷を見極めるのは神業になります。
 
また、まとまった金額の一括投資はギャンブルと似ていて、お金を殖やすというよりは投じたお金でワクワク、ドキドキを楽しむ行為になります。
 
自分の運や勘を頼りに、一か八かの賭けにお金を投じます。ギャンブルは高揚する気分を楽しむもので、損得の結果はどうでも良いのです。
 
世の中では、ギャンブル(投機)と投資が同一に思われているところもあり、投資家は不心得者扱いされがちです。真面目に汗をかいて稼いだお金は尊く、不労所得は卑しいという考えも、まだ一部に根強いものです。
 
こうしたメンタル効果や誤解から、投資はなかなか広まらないのでしょう。
 
Text:手塚 英雄(てづか ひでお)
有限会社テヅカプラニング 代表
CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士 証券外務員
 

手塚英雄

執筆者:手塚英雄(てづか ひでお)

有限会社テヅカプラニング 代表
CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士 証券外務員

CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士
お金に振り回されない生活設計を目指している
可処分所得の最大化に拘れば人生に満足がない
人生を明るく豊かに過ごすためにお金を用いたい
他のFPとは一味異なる論点を持つ
http://www.fp-tezuka.com/

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