2019.01.31 資産運用

投資信託を初めて買う人によくある勘違い。基準価額が低い方がお得って本当?

投資で利益を出すには、安いときに買って、高い時に売るのがセオリーです。
 
投資信託の値段は基準価額です。投資信託も基準価額が低いときに買ったほうが得なのでしょうか。
 

投資信託とは

投資信託(ファンド)とは、多くの投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家(ファンドマネジャー)が株式や債券などに投資・運用する商品です。ファンドの運用成果は、投資家それぞれの投資額に応じて分配されます。
 
投資信託には、次のようなメリットがあります。
 
通常、株式投資や債券投資には、ある程度まとまった資金が必要になります。しかし投資信託であれば、1万円程度から手軽に始めることができます。1万円程度の投資でも、さまざまな資産に分散投資することができ、リスクを軽減することが可能です。
 
一般の会社員が経済・金融などの知識を身に付け、銘柄を選ぶのは時間も手間もかかりますが、その部分を専門家に任せることができます。また、個人では買うことが難しい特殊な金融商品や海外の株式等も購入が可能です。原則として毎日1回、取引価格である基準価額が公表されているので、資産価値や値動きが分かりやすいので安心です。
 
一方、投資信託は銀行預金と異なり、元本が保証されているわけではありません。株式などと同じく、投資信託の運用成績は市場環境などによって変動します。投資信託の購入後に、運用がうまくいけば利益が得られますが、運用がうまくいかなければ、投資額を下回って、損をします。為替リスクなどもあります。
 
株式や債券など投資対象の組み入れ比率、運用方法(インデックス運用・アクティブ運用)についてよく理解することが大切です。また、投資信託の購入時、運用期間中、売却時の手数料についてもよく確認することはとても重要です。
 
特に、運用期間に預けている資金から日々差し引かれる手数料(信託報酬)は、低いものを選ぶようにすると良いでしょう。これら費用は、投資信託を取引する際に、目論見書などで確認することができます。
 

基準価額とは

基準価額は投資信託1口(くち)あたりの値段のことです。投資家が投資信託を購入・換金する際は基準価額で取引が行われます。
 
基準価額は純資産総額を総口数で割って求めます。純資産総額は、投資対象の株式や債券などを時価評価し、配当金や利息などの収入を加え、そこから信託報酬などの手数料や払い戻す分配金を差し引いて求めます。運用がうまくいかなければ純資産総額が小さくなりますので基準価額も下がります。
 
また、投資信託には分配金を投資家に分配するタイプと、分配せずに再投資するタイプがあります。分配するタイプでは分配後、分配金の分だけ純資産総額は減少し基準価額が下がります。したがって、単純に、基準価額が高い投資信託の方が、運用成績が良いとは限りませんので留意してください。
 
上場している株式は、市場が開いている間、刻々と株価が変動し、リアルタイムでの売買が可能です。一方、投資信託の基準価額は1日1回しか公表されません。しかも、公表されるのは、投資信託の取引の申込を締め切った後なので、投資信託を購入する際には、投資家は当日の基準価額が分からない状態で投資信託の取引を行うことになりますので注意が必要です。
 

基準価額の高い低いは損益には関係ない

投資対象や運用方針、運用成果が同じであれば、購入時の基準価額の高い低いは損益には関係ありません。
 
簡単な例で説明しましょう。
 
投資信託AとBがあるとします。基準価額はAファンドが5千円、Bファンドが1万円です。どちらも、TOPIXに連動する成績を目指す運用方針です(インデックス運用)。XさんはAファンドを、YさんはBファンドを10万円分購入したとします。
 
そうすると購入口数は、Xさんは20万口、Yさんは10万口になります。1年後、TOPIXが10%上昇し、Aファンドは5,500円、Bファンドは1万1千円となります。分配金などを考慮しないと、評価額はAファンドが11万円、Bファンドも11万円になります。Xさん、Yさんも1万円の利益が出ました。
 
このように、投資対象や運用方針、運用成果が同じであれば、購入時の基準価額の高い低いは損益には関係ないことが分かると思います。つまり、投資信託を購入する際、基準価額が低いファンドを買ったほうが得という訳ではないのです。
 
このことはよくある勘違いですので、初めて投資信託を購入する人は留意してください。投資信託を購入する際は、運用対象、運用方針、過去の運用成果(実績)、手数料などに関してよく確認することが大切です。
 
執筆者:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。
 
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新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/



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