iDeCo、年金制度改正でどうなる? iDeCoの魅力と変更点をチェック!

配信日: 2020.07.05

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iDeCo、年金制度改正でどうなる? iDeCoの魅力と変更点をチェック!
公的・私的年金の制度改正でiDeCoにどのような変化がおきるのでしょうか。
仁木康尋

執筆者:仁木康尋(にき やすひろ)

日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント

人事部門で給与・社会保険、採用、労務、制度設計を担当、現在は人材会社のコンサルトとして様々な方のキャリア支援を行う。キャリア構築とファイナンシャル・プランの関係性を大切にしている。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の概要

iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金のことで、任意に加入する自分で作る年金制度です。毎月一定額の掛金を運用しながら積立てて、60歳以降に年金または一時金で受け取る仕組みです。運用は定期預金・投資信託・保険の中から自分にあったものを選びます。後ほど触れますが税金面でも優遇されています。
 
2018年から、掛金の拠出を1年の単位で任意に決めた月にまとめ拠出することもできるようになっています。
 
<毎月の積立額の上限>
毎月の積立額は、5000円から1000円単位で選択できます。上限は以下のように職業によって異なります。
・自営業の方:6万8000円
・専業主婦(夫)の方:2万3000円
・会社員の方(企業年金がない場合):2万3000円
・会社員の方(企業年金がある場合):1万2000円
 
<加入できる期間>
60歳未満まで
 

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iDeCoの魅力、4つの税制優遇

1.所得税・住民税の軽減

掛金は、所得控除のうち「小規模企業共済等掛金控除」の対象になります。支払った掛金と同じ額だけ、課税所得が減額されますので税金が軽減されます。
 
【軽減額計算例】 会社員年収550万円(税率10%)、掛金月額2万3000円の場合
 
(イ)所得税
掛金2万3000円/月 ×12ヶ月 = 27万6000円/年 → 課税所得が27万6000円減少
課税所得の減少分に相当する税額は、27万6000×10%=2万7600円 → 2万7600円の税軽減
※復興特別所得税考慮せず
 
(ロ)住民税
所得割の税率は一律10%ですので
課税所得の減少分に相当する税額は、27万6000×10%=2万7600円 → 2万7600円の税軽減
 
(ハ)合計
所得税と住民税合わせて1年間で5万5200円の軽減になります。
年間拠出額27万6000円で、年5万5200円を手元に残すことができます。
これは、拠出した額の20%の分に相当します。
 
※今回の試算は所得税率10%と仮定しています。税率は所得が多くなるにしたがって10%→20%→23%・・・・と段階的に高くなっていきますので、軽減効果もそれに応じて大きくなります。
 
(ニ)軽減額の使い方
■これを使わずに貯蓄すると
30年間加入したと仮定して単純計算で5万5200円×30年=165万6000円
■積立型の金融商品で運用すると
毎年5万5200円を仮に年2%の複利で運用すると、30年後には約223万9000円(額面)
 
このように、所得税・住民税の軽減分で新たに資産形成することも可能です。
 

2.運用益が非課税

通常は、株式や投資信託、預金などで運用し利息や運用益がでた場合には、20.315%が課税されますが、確定拠出年金制度内の運用益は非課税。運用益をそのまま再投資ができます。
 

3.年金で受け取る場合は「公的年金等控除」の対象になる

年金として分割で受け取る場合は、公的年金と合算して「公的年金控除」が適用されます。
 

4.一時金で受け取る場合は「退職所得控除」の対象になる

一時金として受け取る場合は退職所得とみなされます。つまり「退職所得控除」が適用されます。
 

年金制度改正で何が変わる

1.企業型DCとの併用がしやすくなる

現行:企業による規約の定めや事業主掛金の上限の引き下げが必要
改正後:不要に
施行期日:2022年10月1日
 

2.加入年齢の上限の引き上げ

現行:60歳未満
改正後:65歳未満
※国民年金の加入(本来は国民年金の加入は60歳まで、未納期間があれば65歳任意加入可)等の要件はあり
※会社員は厚生年金に加入していること
施行期日:2022年5月1日
 

3.受給開始時期の上限の引き上げ

現行:60~70歳
改正後:60~75歳
施行期日:2022年4月1日
 

まとめ

税の軽減効果を長期間受け続けることができるiDeCo。今回の改正で、企業型DCに加入している方も利用しやすくなります。また、加入年齢の上限も5年延びます。老後の資産形成の手段として、iDeCoの加入者は今後さらに増えていくことでしょう。
 
取扱金融機関は銀行や証券会社などさまざま。金融機関選びでは、自分の資産形成の目的にあった運用商品の有無、コールセンターやホームページなどの使いやすさ、加入期間中発生する各種手数料など、長年付き合うことを前提とした比較検討が必要です。
 
最後にiDeCoの注意点を3点まとめました。
 
1.将来受け取る年金額(または一時金額)は運用成績によって変動する
2.60歳になるまでは原則として受給できない
3.手数料にはいくかの種類がある
 
(イ)国民年金基金連合会の手数料
加入・移管手数料: 税込2829円(初回の1回のみ)
収納時手数料: 税込105円(掛金の納付の都度)
還付手数料:税込1048円(発生した場合)
 
(ロ)運営管理機関(金融機関等)の手数料 :金融機関によって異なる
 
(ハ)事務委託先金融機関(信託銀行)手数料 : 税込66円(ほぼ共通)
 
(ニ)商品の手数料(信託報酬) :金融機関や運用商品によって異なる
 
《参考資料》
国民年金基金連合会 厚生労働省「自分で育てる、自分の年金iDeCo」
iDeCo公式サイト

国税庁HP
 
執筆者:仁木康尋
日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント


 

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