最終更新日: 2021.04.16 公開日: 2021.04.18
資産運用

ローソク足の上ヒゲ・下ヒゲ。高値圏・安値圏で現れた後、トレンドはどう転換していくの?

執筆者 : 重定賢治

テクニカル分析のツールとしてよく用いられるローソク足。その形状にはさまざまなものがありますが、今回は「上ヒゲ」・「下ヒゲ」についてお伝えしていきたいと思います。

 
重定賢治

執筆者:

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

重定賢治

執筆者:

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

上影陽線・上影陰線、下影陽線・下影陰線の形

ローソク足において、長方形の上下に伸びている線をそれぞれ上ヒゲ・下ヒゲといいますが、少し硬い表現をすると「上影」・「下影」と呼んだりします。
 
■上影陽線・上影陰線、下影陽線・下影陰線


※筆者作成
 
上の図でいうと、陽線は白い長方形、陰線は黒い長方形で表されていますが、陽線は終値が始値を上回っている状態、陰線は終値が始値を下回っている状態です。これに長い上ヒゲや下ヒゲが伸びている状態のものをそれぞれ「上影陽線」・「上影陰線」、「下影陽線」・「下影陰線」と呼びます。
 
左側が上影陽線・上影陰線ですが、上影陽線は、終値が始値を上回っており、かつ、高値が終値よりもかなり高いところに位置している形状であるのに対し、上影陰線は、終値が始値を下回っており、かつ、高値が始値よりもかなり高いところに位置している形状になっているのが特徴です。
 
一方、右側の下影陽線・下影陰線ですが、これらは上影陽線・上影陰線とは逆の形状で、下影陽線は、安値が始値よりもかなり低い位置にあり、下影陰線は、安値が終値よりもかなり低い位置にあるというのが特徴といえます。
 

上影陽線・上影陰線、下影陽線・下影陰線の意味は?

このように上影・下影のある陽線・陰線は、どちらかというと、買いの勢いが強いのか、売りの勢いが強いのかといった売買の強弱を知ることを目的としているのが分かります。
 
例えば、上影陽線では、終値が始値を上回りその日の取引を終えているため、これだけを見れば小動きはあったものの、買い方優勢と一応判断することはできますが、終値のはるか上に高値があり、長い上ヒゲ、つまり、長い上影が描かれていることから、今後、高値を追う勢いはあるが、高値を追ったものの下げてしまったため、現状では買う勢いが必ずしも強いとはいえないという意味になります。
 
一方、上影陰線は、終値が始値を少し下回っているため売る勢いが弱くはありますが、上ヒゲがかなり上に伸びているため、高値からの落ち込みが激しい、つまり、売り圧力が強いと判断することができます。
 
さらに下影陽線・下影陰線の意味を見ていくと、下影陽線は、終値が始値を上回っているため買い方優勢ですが、安値からの下ヒゲがかなり長く伸びているため、今後、買い上がる気はあるが、下値を試す可能性もある、もしくは、安値からの戻りの勢いが強かったとして強い買いが今後入る可能性があるという意味になります。
 
片や、下影陰線は、終値が始値を下回っているため弱気を表してはいますが、安値から下ヒゲが長く伸びているため、今後もさらに下値を追う可能性があるか、もしくは、安値からの戻りの勢いが強かったことで、必ずしも売り方の勢いが強いわけではないという意味になります。
 

上ヒゲ・下ヒゲが高値圏・安値圏で現れた場合の意味

このようにそれぞれの意味を見ていくと、かなりややこしさを感じると思いますが、このような上ヒゲ・下ヒゲが長く伸びているローソク足では、特に高値圏・安値圏で出現した場合、その後のトレンドがどのように変化するかを判断する際に用いると、使い方のイメージがより明確になると思います。
 

・上影陽線の出現タイミングと意味

高値圏で上影陽線が出現した場合は、売りサインと考えられます。なぜならば、それまで上昇してきた株価が高値をつけ、一気に値を抑えつけられているからです。つまり、売り方によって一気に売られていることを示唆しているため、上昇トレンドから下降トレンドへの転換サインとして受け止められます。
 
一方、安値圏で上影陽線が現れると、買いシグナルです。これは、それまで下落してきた株価が安値圏で一気に高値をつけているわけですから、買い方が売り方を凌いだという判定となり、下降トレンドから上昇トレンドへの転換が起こると受け止められます。
 

・上影陰線の出現タイミングと意味

上影陰線が高値圏で出現すると、下落のサインです。それまで上がり続けていた株価が、高値から一気に下げ、終値が始値を下回っているわけですから、買う勢いがかなり弱い、つまり、売り方が一気に売り込んできたことを示唆し、上昇トレンドから下落トレンドの変化の予兆とされます。
 
逆に、上影陰線が安値圏で現れた場合は、上昇シグナルです。それまで下げてきた流れの中で高値を大きくつけたわけですから、たとえ終値が始値を下回ったとしても、買う意思が出てきたと受け止められます。このため、下降トレンドから上昇トレンドへの転換は近いと判断されます。
 

・下影陽線の出現タイミングと意味

高値圏で下影陽線が現れた場合、終値が始値を上回っているといえども、大きく安値をつけてしまっているため、どちらかというと下に引っ張られる形での上昇といえます。このため、そろそろ売り圧力に押される可能性があると判断され、上昇トレンドから下降トレンドに転換するかもしれないと受け止められます。
 
一方、安値圏で現れた場合は、買いシグナルの点灯です。それまで下落してきた流れの中で、大きく安値はつけたものの、その日の取引が高い位置の終値で収まったため、買い方が増えてくるサインとして受け止められます。このようなことから、下降トレンドから上昇トレンドに向かうだろうと判断されます。
 

・下影陰線の出現タイミングと意味

下影陰線が高値圏で現れるということは、売りシグナルです。それまで上昇してきた流れの中で安値を大きくつけながら終値が始値を下回ってしまっているため、どちらかというと、買う勢いよりも売る勢いの方が勝っていると判断されます。このため、上昇トレンドから下降トレンドへの転換サインと受け止められます。
 
片や、下影陰線が安値圏で現れた場合は、買いシグナルです。それまで続いてきた下落の流れは残ってはいますが、安値をつけた後、終値が始値を下回っているものの、安値から一気に値を戻しているので、買い方勢力が息を吹き返してくるかもしれないと受け止められます。このため、安値圏で下影陰線が出現すると、下降トレンドから上昇トレンドへの転換と判断されます。
 
これらの傾向を簡単にまとめると、上ヒゲは、勢いに違いこそあれ、高値圏で現れると売りサイン、安値圏で現れると買いサインとなります。一方、下ヒゲは、こちらも勢いに違いこそあれ、高値圏で現れると売りサイン、安値圏で現れると買いサインとなり、いずれにせよ、傾向としては似たような意味を持ちます。
 
異なるのは陽線か、陰線かですが、これが勢いの違いとして現れるため、上ヒゲ・下ヒゲが高値圏で現れたら売り、安値圏で現れたら買いと考えるのではなく、始値と終値の位置も交えて考えるようにしてみましょう。
 

まとめ

上ヒゲ・下ヒゲは、例えば、その日の株価が極端に動いた結果を示すものです。このため、買い方と売り方のどちらが勢いがあるかを明確に表す傾向があり、特に高値圏・安値圏でその力を発揮します。
 
ただ、今回お伝えしたようなトレンド転換のサインといえるかどうかは、実をいうと、これだけでは判断しにくいことから、他のテクニカルツールも併用し、トレンドが転換するかどうかを判断する必要があります。
 
次回は、ローソク足のうち、大陽線・大陰線についてお伝えしていきます。
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)