新NISAもiDeCoもやっていますが、同じ額を入れるよりも、どちらかの金額を多くしたほうがお得ですか?

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新NISAもiDeCoもやっていますが、同じ額を入れるよりも、どちらかの金額を多くしたほうがお得ですか?
新NISA(以下、「NISA」といいます)とiDeCoの両方をやっている人は、「どちらも同じ額を入れるべきか」「どちらかの金額を多くするべきか」と悩まれる方もいらっしゃるでしょう。
 
この点については、現在NISAとiDeCoの両方をやっている方だけでなく、これからNISAやiDeCoを始めようとしている方も気になるところです。どうしたらよいかについて、本記事で解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
中村将士

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

NISAとiDeCoの比較ポイント

図表1は、NISAとiDeCoの特徴を簡単にまとめたものです。
 
図表1

NISA iDeCo
つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資枠・
年間拠出限度額
120万円 240万円 27万6000円
(会社に企業年金がない
会社員の場合)
非課税保有限度額
(総枠)
1800万円 1200万円
(つみたて投資枠と
併用で1800万円)
―
投資商品 一定の投資信託 上場株式・
投資信託など
元本確保型商品・
投資信託
投資方法 積み立て 積み立て・一括 積み立て
税制優遇 運用益が非課税 (1)掛金が全額所得控除
(2)運用益が非課税
(3)受け取るときも所得控除あり
受取方法 口座から引き出し (1)年金方式
(2)一時金方式

ここで注目したいのは、以下の点です。
 

・年間の投資(拠出額)に限度があり、iDeCoのほうが大幅に少ないこと
・NISAには総枠の限度額があること
・投資方法が異なること
・iDeCoは掛金が全額所得控除になること
・お金を受け取るとき、NISAは預金と同じ扱いで課税されないが、iDeCoは所得扱い(年金方式=雑所得、一時金方式=退職所得)で優遇税制ではあるものの課税される可能性があること
・iDeCoを受け取るとき、年金方式なら「公的年金等控除」を、一時金方式なら「退職所得控除」を受けられること

 

iDeCoは節税効果があり、NISAは複利効果が大きい

以上のことから、NISAとiDeCoで運用成績に差がないことを前提とすると、iDeCoは掛金が全額所得控除になる分、掛金を拠出している期間は手取りが増える(所得税が減る)ため、NISAに比べて得であるといえそうです。
 
しかし、iDeCoは受取時に所得税が課税される可能性があります。年金方式で受け取る場合は雑所得となり、一時金方式で受け取る場合は退職所得になります。
 
それぞれ公的年金等控除、退職所得控除を受けられますが、所得税を納付することになれば、結局は課税の繰り延べをしたにすぎないともいえます。拠出時の節税分と受取時の課税分を比較して、前者のほうが多ければ、節税できた分、iDeCoのほうが得だといえます。
 
また、iDeCoの場合、投資方法が「積み立て」となり、一括投資ができるNISA(成長投資枠)と比較して不利になる可能性があります。例えば、以下のケースを比較してみます。前提として、どちらも年2%で複利運用するものとします。
 

〈ケース1〉毎年24万円ずつ積み立てながら、10年間運用した場合
〈ケース2〉1年目に240万円投資し、10年間運用した場合

 
〈ケース1〉の10年後の金額は、以下のとおりです。
 
24万円 × 10.95(年金終価係数)= 262万8000円
 
一方、〈ケース2〉の10年後の金額は、以下のとおりです。
 
240万円 × 1.219(終価係数)= 292万5600円
 
投資額(掛金)の合計は、どちらも240万円です。しかし、投資のタイミングの違いにより、得られる「複利の効果」にも差が生じます。この点からいえば、NISA(成長投資枠)のほうが得だといえます。
 

まとめ

「NISAとiDeCoでは、どちらが得か」と聞かれたら、「目的に応じて使い分けましょう」と答えるのが一般的でしょう。NISAの目的が資産形成であるのに対し、iDeCoの目的は私的年金だからです。
 
NISAもiDeCoも運用益が非課税になるため、どちらも得な制度です。そのうえで、どちらが得かを考えるのであれば、節税効果を取るか、複利効果を取るか、ということになるでしょう。
 
ただ、「同じ額を入れるか、どちらかの金額を多くするか」で迷われているのであれば、まずはiDeCoを掛金限度額まで利用するのがよいのではないでしょうか。iDeCoで得られる節税効果(所得控除)には、投資でいうところの「リスク」がないからです。
 
もし、まとまったお金をどうするか思案しているようであれば、NISAの成長投資枠を利用するのがよいかと思います。成長投資枠であれば一括投資ができ、複利効果を得やすいからです。
 
本記事では運用成績に差がないことを前提としましたが、投資先が異なれば、当然、「どちらがよいか」という比較はできなくなります。本記事が、NISAとiDeCoをどのように活用するかの参考になれば幸いです。
 

出典

金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCoってなに? iDeCo(イデコ)のメリット
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCoってなに? iDeCo(イデコ)の加入資格・掛金・受取方法等
国税庁 高齢者と税(年金と税)
国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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