投資は常に「選択」の繰り返し! 投資の基本を改めて確認しよう
配信日: 2024.06.19
投資を始めたころは、購入した商品の価額が上昇を続けていたため楽しかった人も、最近は上がったり下がったりの繰り返しで思うような価額になっていない、という声も聞きます。
そこで今回は、改めて、投資とはどういうものなのかを確認しましょう。
執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士
投資とは
昔の日本では金銭教育はほとんどなく、「投資は悪だ」といったようなイメージを持つ高齢者世代の人も多く、その高齢者世代に育てられた40・50代もまた、投資を敬遠しがちで、なかには「お金に執着している人と思われたくない」という人もいます。
ただ、最近では、このような考えを持つ人は少なくなり、投資のイメージは変わりつつあるようです。
実際に投資とはどういうことかと言うと、「株式」「債券」「投資信託」などの金融資産の価値が上昇することを期待してお金を投じることです。以前は、この「期待」が「お金もうけ」を連想させ、お金に執着している人、つまりお金にいやしい人と思われたためか、「投資は悪」のイメージとなっていった側面もあるようです。
しかし、投資には「お金もうけ」だけではなく、もう1つの側面があることを忘れないでください。投資は「応援」という側面もあるのです。株式を購入することで○○会社を応援する、国債を購入することで国を応援する、投資信託を購入することでその分野を応援する、といったことです。
投資は、自分自身のお金を増やしてくれるという魅力とともに、応援という気持ちを伝える手段であることも覚えておいてください。
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投資信託は投資のプロが作った商品です
金融資産の代表的なものと言えば、「株式」「債券」「投資信託」です。「株式」は、○○会社を応援します、という意味でその会社を選んで購入します。「債券」は、国や地方公共団体(会社が発行するものもあります)を応援します、という意味でその国等を選んで購入します。
つまり、自分自身で「選ぶ」という作業をする必要があり、自分自身でその株式や債券が上昇するかどうかを判断して選ばなければいけないため、投資を始めたばかりの人にとっては難しい作業となることも多いです。
そこで「投資信託」という商品が作られました。投資信託は多くの「株式」や「債券」の中からいくつかの株式や債券をプロが選んで1つの商品としてまとめたものです。そのため、少しの手数料はとられるものの、初心者にとっての選択の難しさはなくなったわけです。
しかし、投資信託(公募投信)の数も5980本(2024年3月末時点)となっています(※)。この多くの投資信託の商品の中から1つの商品を選ぶことは、難しい作業と言えるでしょう。そこで、投資信託の基本的な選び方についてお伝えします。
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投資は選ぶことから逃れられない
投資信託は投資のプロが作った商品で、投資のプロは、その商品の運用状況を確認し続けます。そのため、投資を始めたばかりの人は、そのプロが見守る安心感があるため、その商品を購入します。
その安心感が投資信託にかかる手数料だと言えます。しかし、その手数料は「購入したとき」「保有しているとき」「売却したとき」にかかり、商品ごとにその費用の額も異なるため、その額を比べる必要があります。
さらには、金融機関ごとに購入できる投資信託の商品が異なり、A証券会社で購入できる商品がB証券会社では購入できないということもあります。そのため、金融機関選びも必要です。
このように考えると、投資は「選ぶ」という作業から逃れることはできません。その面倒くささを少し解消してくれているのが、NISA対象になっている商品です。
これらNISA商品は、多くの商品の中から国が厳選した商品で、プロが作った商品の中でも、特に景気に左右されにくいもの、手数料の低いものを国が選んだものと考えてよいでしょう。
とは言え、最後は自分で、このなかから1つの商品を選ぶことになります。そこは自分自身で「選ぶ」しかありません。最初に投資を始めるか始めないかの選択で「始める」を「選んだ」のと同様、最後の「選ぶ」も自身でするものです。
投資は最初から最後まで「選ぶ」作業の繰り返しです。将来のお金の不安を少しでも解消できるように、自分なりの選択肢を選んでみましょう。
出典
(※)一般社団法人投資信託協会 投資信託の全体像(純資産総額・ファンド本数)直近データのバックナンバー2024年3月分
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士