円安が進んでいる今、「米国国債」を買うのはリスクが高い? 為替変動に負けない投資戦略とは
配信日: 2025.02.20

本記事では、為替リスクのコントロールについて説明したいと思います。

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。
ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。
FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。
2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。
現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。
早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。
サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow
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為替リスクのコントロールの原理
為替リスクをコントロールするためには、米国国債の次の性質を利用します。
米国国債は満期日まで待てば、ドル建てで元本保証され、利息が受け取れます。すなわち、購入日から満期日までのドル建て利回りが確定することになります(必ずしも米国国債の発行日に新発債を購入する必要はなく、発行後一定の期間が経過した既発債を購入してもよいのです)。
また、米国国債の利回りは日本の元利確定資産(日本政府発行の国債または銀行預金)と比べて高く、現時点では年利に換算して4%程度の利回りがあります。
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具体的な為替リスクのコントロールの仕方
続いて、具体的なコントロール方法を、5つのステップに沿って説明します。
1.為替が円高に振れたときを見計らってドルを購入し、証券会社のドル口座に保有しておきましょう。 その時点で、購入時の円ドル為替レートが確定します。
2.米国国債の利回りを確認しながら、利回りが上昇した時点で、証券会社のドル口座から米国国債をドルで購入しましょう。その時点で、米国国債満期日までのドル建て利回りが確定します。
3.購入した米国国債は、満期日以前でも利益が出れば売却しましょう。具体的には、為替レートが購入時より円安になった場合や、為替レートが変わらなくても金利を考慮すれば利益が出る場合などです。この時点で、円建ての利益が確定します。
4.為替が円高になり、売却利益が出ない場合は満期日まで待ちましょう。待つ間は、以下の2点に注意することが必要です。
(1)満期時点で円安になる場合や、円安にならなくとも利息を考慮すれば利益が出ている場合は、売却します。
(2)満期時においても購入時より円高のままで、金利を考慮しても利益が出ない場合は、いったん米ドルで受け取りましょう。そのドルは別の米国国債に再投資して、金利を稼ぎながら円安になるのを待ちましょう。
例えば、10年後に満期を迎えた時点では利益が出ていなくても、国債の売却資金をドルで受け取り、新たな国債をドルで購入すれば、為替リスクなしに国債の償還期間を延長することができます。
10年後に満期になる国債をそのときに買えば、計20年間、米国国債の高金利を享受しながら、利益が出るのを待つことができます。従って、20年間で購入時より円高になっても、高金利により利益が出ることも十分あり得ます。
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為替リスクコントロールのポイント
上述したリスクコントロールのやり方のポイントは、次の2点です。
1.円高のときに米ドルを買い、円安の時点で売りましょう。満期になっても円高であれば、ドルのまま引き続き保有し、円安になるのを待ちましょう。
2.米国国債は満期日まで高利回りが保証されます。満期時までに円高が進行しても、その高利回りにより、円換算価格で考えても、購入価格と同額を保つことができます(「円高耐性力」と呼びます)。
まとめ
米国国債への投資で為替リスクをコントロールするためには、ますドル建てで元利が保証される満期を迎えるまで待つことです。
もし、この時点で利益が出ていなくても、いったんドルで受け取り、別の国債を購入すれば、利益が出るまで待つ期間を延ばせます。満期を迎える以前でも、高金利または円安により利益が出ている場合は売却して利益を確定させることが可能です。
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー