金価格がついに「1万7000円」台に! 10年前に「1キログラム」買ってたら、どれだけの利益になっていた? 過去10年の推移もあわせて確認
配信日: 2025.04.29

最近ではついに1グラムあたり「1万7000円」を超え、「あのとき金を買っていたら、今ごろどれだけの利益になっていたのかな?」と気になる人も多いのではないでしょうか。
本記事では、そもそもなぜ金価格が高騰しているのかを考えたうえで、仮に10年前の2015年に金を1キログラム購入していたら現在どれほどの利益になっていたのか解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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金価格が上がっているのはなぜ?
それでは、金の価格が上昇している背景について見ていきましょう。
世界情勢の不安定化で「安全資産」としての需要が高まっている
金は「有事に強い資産」として知られており、戦争や経済危機など、不安定な状況になるとその価値が見直されやすい傾向にあります。
現在、ウクライナ情勢や中東問題、米中の対立、台湾周辺の緊張など、国際社会はリスク要因に満ちています。こうした状況では、株式や通貨といったリスク資産よりも、安全資産である「金」に資金を逃がそうとする動きが強まり、金の需要が高まるのです。
世界的な低金利とアメリカの利下げ観測
一般的に金は利子を生まない資産です。そのため、金利が高い時期にはあまり人気が出ません。金の価格は特にアメリカの金利と逆の相関関係があるとされていますが、最近はアメリカでは低金利政策が取られています。
したがって、アメリカの低金利とは逆に、金の相場が上がっている側面があります。
金の採掘量の減少と、世界的な需要の増加
地球上で簡単に採れる金はすでに採掘し尽くされたと言われており、これからはコストや時間がかかる深部や海底の採掘をしなければなりません。そのため、金の採掘量は以前よりも多くはないと考えられます。
一方で、世界の中央銀行による金の買い増しや、個人・機関投資家による「実物資産」としての需要は右肩上がりです。中国やロシアなどでも金の保有量を増やしています。
このように、供給が減り、需要が増えている現状が金価格を長期的に支える形となっています。
金価格の10年間の推移
それでは、実際の金の価格推移を見てみましょう。田中貴金属工業株式会社の公表データによると、各年の1グラムあたりの金価格の平均価格は次の通りです。
・2015年:4564円
・2018年:4543円
・2021年:6402円
・2024年:1万1718円
このように、年々金の価格は上昇傾向にあり、特に2024年以降急激に高騰しています。そして、昨今ではついに1万7000円を超えるほどの価格となりました。
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10年前に1キログラム購入していたらどれだけの利益になっていた?
それでは、ここまでのデータをもとに、10年前の2015年に1キログラムの金を購入していたら、現在どれだけの利益になっていたのか計算してみましょう。
2015年の平均価格の1グラムあたり4564円で1キログラム購入したとすると、購入価格は約456万円です。そして、2025年の1グラムあたりの価格を1万7000円とすると、1キログラムの価格は1700万円です。
つまり、たった10年で約1240万円の含み益を得ることができたという計算になります。もちろん、実際の売買には手数料や税金がかかるものの、資産運用としてはかなりの高利率だったと言えるでしょう。
金って買うべき?
ここまでの話を聞くと、「今からでも金を買ったほうがいいのでは? 」と感じた人もいるかもしれません。一方で、「現在高値なら、今買うと値下がりして損するから買わないのが吉? 」と感じる人もいるでしょう。
金の安全資産としての価値は高く、経済の不安定さやインフレへの対応としては有効です。また、長期的には利益が出る可能性も低くはありません。
とは言え、投資の世界に絶対はないため、現在買ったら必ず得をする・損をするということは誰にも分かりません。購入する場合は短期的な価格変動に動揺せず、長期的な観点での資産運用を心がけましょう。
まとめ
金価格上昇の背景には世界情勢や需要と供給の関係など、さまざまな要因が関係しています。本記事のシミュレーションでは、10年前に1キログラムの金を購入していたら1000万円以上の利益が出ていたという結果となりました。
また、金価格の上昇は今後も継続する可能性があります。とは言え、未来の価格は誰にも分かりません。一方で、お金はただ持っているだけではなかなか増えません。金やほかの投資方法を含め、お金の運用方法を一度考えてみるのもよいでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー