外貨運用を始める~外国債券とはどういうものか?

配信日: 2019.03.26 更新日: 2019.06.26

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外貨運用を始める~外国債券とはどういうものか?
自分の資産に外貨を組み入れる場合、多くの運用方法が考えられます。
 
例えば、米ドルを組み入れるなら、米国株の購入や、米ドル建ての商品で運用している投資信託の購入などがあります。ただ、外貨運用初心者なら、そうした値動きの大きい商品は怖いと感じるかもしれません。
 
そのような場合、外貨預金や外国債券(外債)といった商品が選択肢となり得ます。外貨預金は一般的に認知度も高いと思われますが、外債についてはあまり馴染みがない人も多いかもしれません。外債とはどういうものなのでしょうか。
 
北垣愛

執筆者:北垣愛(きたがき あい)

マネー・マーケット・アドバイザー

証券アナリスト、FP1級技能士、宅地建物取引士資格試験合格、食生活アドバイザー2級
国内外の金融機関で、マーケットに関わる仕事に長らく従事。
現在は資産運用のコンサルタントを行いながら、マーケットに関する情報等を発信している。
http://marketoinfo.fun/

債券の基本的な特徴

まず、債券について基本的なことを押さえておきます。債券と一口に言っても、その種類は多岐にわたるため、ここでは最も基本的な形である「固定利付債」について説明します。
 
債券は企業の借り入れ証書のようなもので、資金の借り手である企業が、その債券の「発行体」と呼ばれます。借り入れは期限が決まっており、その返済時期が債券の「償還日」にあたります。借り入れの利率や利払い日はあらかじめ決められていて、その利率は「クーポン」などとも呼ばれます。
 
債券特有の言い回しなどもあるため、難しく感じられるかもしれませんが、実は一般的な定期預金の仕組みと似ているとも言えます。発行体を定期預金の預け先の銀行、償還日は定期預金の満期日、クーポンは定期預金利率と考えれば分かりやすいでしょう。
 
どちらの場合も利回りが最初から確定しており、発行体や銀行が潰れない限り、期限が来れば元本が全額返ってくる仕組みとなっています。
 
このように考えれば、定期預金を預ける際に利率と期限を重視して決めるのと同様に、債券を選ぶ際も、償還日とクーポンが重要になることが分かると思います。そして、銀行が潰れないことが預金の大前提であるように、債券の発行体が潰れないことが何より重要となります。
 

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では、外国債券とは?

外国債券とは、発行体か通貨、発行市場のどれか一つでも国外のものである債券のことを言います。
 
今回は外貨を資産に組み入れる際の対象として、外債を取り上げているため、以下では通貨が国外のもの(外貨)である外債についてお話します。
 
元本が保証されているということで安心感のある外債ですが、元本が確保されているのはその外貨ベースであるという点には注意が必要です。つまり、購入時より償還日時点のほうが円高になっていれば、円換算したベースでは元本割れしてしまいます。
 
例えば、ドル円の為替が100円の時に5万ドルの外債を購入した場合、当初の投資資金は500万円ですが、償還時の為替が90円になっていれば、償還金の5万ドルを円に戻すと450万円になってしまいます。外債投資には為替リスクがどうしても付いてくるのです。
 

外貨預金と外債の違い

為替リスクが付きまとうのは、外貨預金でも外債でも同じです。外債のみのリスクとしては、換金性の問題があります。一般的な外債の多くは時価での売却が可能となっていますが、時価が購入価格を上回ることはそれほど多くないと考えておいたほうが無難でしょう。
 
債券の価格が上昇するのは、大まかに言って、市場金利が購入時より低下しているか、あるいは発行体の信用力が大きく改善しているかのどちらかの時となります。
 
損失を出してまでの売却はしたくないとすれば、償還までに換金できるタイミングはあまり多くないか、もしかしたら全くないこともあり得ます。その意味では、実際の換金性は決して高いとは言えません。
 
外貨ベースで元本が確保されているというのは、償還まで持ち切った場合の話なのです。
 
また外債は、外貨預金よりも一般的に期間が長いものが多くなっています。メガバンクなどでは、最も長い米ドル定期預金は1年物であり、その場合の金利も0.7%前後です(2019年3月11日現在)。
 
一方、外債の場合、メガバンク系列の某証券会社では、例えば2024年11月償還の米国債などが購入でき、その利回りは2.21%となっています(2019年3月11日現在)。長いものでは、2048年8月償還の米国債などを取り扱っているところもあります。(2019年3月11日現在で利回り2.911%)。
 
利回りで比べると、現時点では外債のほうが魅力的だと言えます。しかしそれは、長く資金が固定化される可能性の裏返しでもあることには注意が必要です。
 
実際に外債に投資する上では、その他にも留意点があります。それについては、次回にまた書かせていただこうと思います。
 
執筆者:北垣愛(きたがき あい)
マネー・マーケット・アドバイザー
 

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