現在30歳ですが、老後のためにNISAを始めたいです。「毎月3万円」積み立てれば60歳までに「2000万円」の貯蓄ができますか?

配信日: 2025.06.30 更新日: 2025.07.03
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現在30歳ですが、老後のためにNISAを始めたいです。「毎月3万円」積み立てれば60歳までに「2000万円」の貯蓄ができますか?
できるだけ老後の資金を増やしたいと思っている場合、年金だけでなくNISAによる資産形成を計画している人もいるかもしれません。しかし、老後に向けた資金作りは目標金額だけでなく、現在の生活に影響が出ないかも重要です。
 
今回は、毎月3万円を積み立てたときの金額の増え方や、投資金額を決めるポイントなどについてご紹介します。
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毎月3万円積み立てたら定年時にはいくらになる?

毎月3万円を積み立てる場合、金利によって貯まる金額は大きく変動します。今回は、金融庁の「つみたてシミュレーター」を使用して、3%、5%、7%の運用利回りで積み立てたときに、30歳から60歳までの30年間の金額の増加割合を比較しましょう。各利回りにおける積立金額の変化は表1の通りです。
 
表1

運用利回り 3% 5% 7%
5年目(元本180万円) 194万円 204万円 215万円
10年目(元本360万円) 419万円 466万円 519万円
15年目(元本540万円) 681万円 802万円 951万円
20年目(元本720万円) 985万円 1233万円 1563万円
25年目(元本900万円) 1338万円 1787万円 2430万円
30年目(元本1080万円) 1748万円 2497万円 3660万円

※筆者作成
 
運用利回りが5%なら、30年で2000万円以上貯められる結果です。一般的に利回りを高く運用したい場合、元本が減少するリスクも大きくなります。元本が減るリスクも考慮したうえで、どのような商品を購入するのか決めることが大切です。
 

2000万円で老後の生活費には問題ない?

老後の生活に足りるかを知りたいときは、平均支出などを参考にするとよいでしょう。総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の平均消費支出は月14万9286円、非消費支出は月1万2647円の合計16万1933円でした。
 
対して、平均実収入は月13万4116円です。支出と収入には、2万7817円の差があります。実収入には年金を始めとする社会保障給付が含まれているので、差額は自身の貯金などから賄うことになるでしょう。
 
仮に、65歳から90歳まで平均と同程度の生活費が必要で、支出と収入の差額分はすべて貯金から賄うとします。すると、必要な金額は「2万7817円×12ヶ月×25年」で834万5100円が必要な計算です。
 
また、もし今後結婚した場合、老後は夫婦の貯金を使用することになるでしょう。同資料によると、65歳以上の夫婦無職世帯では、支出と収入を比較した際に平均で月3万4058円が不足していました。25年間貯金から賄うなら1021万7400円必要な計算です。
 
平均的な家計収支であれば、単身世帯、夫婦世帯の場合のどちらでも、2000万円の貯金があれば足りるでしょう。
 
一方で、老後は病気やけがのリスクも高まります。少しゆとりのある生活をしたいなら、NISAで積み立てたお金と通常の貯金の2種類を用意しておくとよいでしょう。
 

NISAへの投資金額を決めるポイント

目標金額に向けて投資をするのは悪いことではありませんが、無理のない範囲で行うことが大切です。基本的に、積み立てをするときは自身の直近で必要な費用や将来的に必要になる費用とは分けて考えます。生活費まで積み立てに回すと、将来的に貯金が増えるとはいえ一時的に生活が難しくなる可能性があるためです。
 
例えば、月収25万円の人が3万円をNISAに回してしまうと、収入の10%以上が積み立てのためのお金になります。もちろん、それで生活ができるなら問題ありませんが、影響が出るようなら金額を見直した方がよいでしょう。
 
また、すべてをNISAで貯めようとはせず、NISAと通常の貯金を併用することも選択肢のひとつです。無理のない範囲で自身に合った資産形成を行いましょう。
 

30年あれば2000万円は積み立てられる可能性がある

もし毎月3万円を30歳から60歳まで積み立てていくと、金利が5%なら30年目の時点で2497万円の積み立てができる計算です。2000万円を目標にしている場合、定年より少し前の時点で達成できるでしょう。
 
ただし、毎月3万円の積み立てで生活に影響が出るようなら、金額の見直しが必要です。積み立てをするときは、生活に影響のない範囲で、無理なく行うようにしましょう。
 
NISAだけに頼らず、通常の貯金もしながら老後の資産形成をすることも検討しましょう。
 

出典

金融庁 つみたてシミュレーター
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯)図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支-2024年-、図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支-2024年-(18ページ)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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