来年開始予定の「プラチナNISA」。「普通のNISA」との「違い」は何?

配信日: 2025.07.16
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来年開始予定の「プラチナNISA」。「普通のNISA」との「違い」は何?
2026年から新たに導入が予定されている「プラチナNISA」は、これまでのNISAとは異なるコンセプトで設計された非課税投資制度です。この記事では、現時点でのプラチナNISAの詳細や、従来のNISAとの違い、メリット・デメリットなどについてまとめました。
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プラチナNISAとは?

プラチナNISAは、高齢者を対象とした新しい非課税投資制度です。「資産運用立国議員連盟」が提言しているもので、従来のNISA(少額投資非課税制度)は18歳以上であれば誰でも利用可能ですが、プラチナNISAは高齢者限定で設計されています。
 
プラチナNISAの最大の特徴は、これまでNISAの対象外だった「毎月分配型投資信託」への投資が検討されている点でしょう。毎月分配型投資信託は、収益などの一部を毎月分配金として受け取れる投資信託です。
 
表1に、従来のNISAと、プラチナNISA(※現時点での情報に基づく)の違いをまとめました。
 
表1

プラチナNISA(2026年~予定) NISA(2024年~)
対象者 高齢者向け 18歳以上
投資対象 毎月分配型投資信託を含む(予定) 上場株式・ETF・投資信託(毎月分配型除外)
非課税枠 別枠で設定予定(上限未定) 年間360万円、生涯1800万円
目的 資産活用・計画的取り崩し 長期資産形成
開始時期 2026年以降 2024年以降

※筆者作成
 

プラチナNISAのおもな特徴

プラチナNISAは「資産を運用しながら計画的に取り崩す」ことを前提とした制度といえるでしょう。年金だけでは不安な老後資金を、毎月の分配金として受け取りながら資産を活用できるような設計になると考えられます。
 
従来のNISAが「貯蓄から投資へ」の資産形成を目的とするのに対し、プラチナNISAは「第二の年金」としての役割も期待されているといえるでしょう。
 

毎月分配型投資信託が非課税対象になる可能性

プラチナNISAの最大のポイントは、毎月分配型投資信託の分配金や運用益が非課税となる可能性がある点です。実現すれば、毎月安定した収入を得ながら効率的な資産活用が期待できるでしょう。
 
従来のNISAでは毎月分配型投資信託が長期投資に不向きとされ除外されていたようですが、プラチナNISAにとっては主役といえるかもしれません。
 

非課税枠は別枠で設定予定

プラチナNISAでは、現行のNISAとは別枠で非課税投資枠が設定される可能性があります。上限額は未定ですが、大きな資産がある場合にも対応できるよう、配慮される可能性が高いと見られています。
 
現行のNISAのように、生活状況に応じて柔軟に資金を引き出す(売却する)ことができれば、急に必要になることがある医療費や介護費用などにも対応しやすいでしょう。
 

プラチナNISAのメリット・デメリット

通常、投資信託の分配金や運用益には20.315%の税金がかかりますが、プラチナNISAも現NISA同様運用益は非課税となるため、手取りが増加するでしょう。また、毎月分配型投資信託を活用することで、年金にプラスした安定的な現金収入が得られれば、老後の生活設計がしやすくなるかもしれません。
 
デメリットおよび注意点としては、投資信託である以上、元本保証がない点です。毎月分配型投信は元本の取り崩しが不安視されており、慎重な運用が求められるでしょう。
 
また、毎月分配型投資信託は手数料が高めに設定されている商品が多く、長期的なリターンへの影響も考慮する必要があるといわれています。
 
さらに、毎月分配型投信は、資産を長期的に増やすというよりは、計画的に取り崩していくことがおもな目的となることから、長期で資産を大きく育てたい場合には不向きといえるかもしれません。
 

プラチナNISAは、高齢者を対象とした新しい非課税投資制度で、毎月分配型投資信託を選択できる見込み

プラチナNISAは、毎月分配型投資信託の非課税枠設定の可能性など、従来のNISAにはなかった特徴を持ち、老後資産の安定的な活用をサポートすることが目的とされています。一方で、元本割れのリスクや手数料の高さなどには注意が必要といえるでしょう。
 
非課税枠の上限や具体的な商品ラインアップなど、プラチナNISAの制度の詳細は未定であることから、今後正式な発表を待つ必要があります。既存NISAとの併用や資産移行の特例措置なども検討されており、今後の動向が注目されます。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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