NISAの“つみたて投資枠”は「月2万円×10年間」「月1万円×20年間」で、どれだけ利益に差が出る? 投資額は同じでも「投資期間の長さ」が影響するワケとは
そんなNISAですが、同じ投資総額でも、運用期間が違うとリターンに大きな差が出る可能性があります。
本記事では、「毎月2万円を10年間」と「毎月1万円を20年間」、いずれも投資額の合計は240万円の事例に対し、どれくらい利益に差が出るのか、そしてなぜこのような違いが生まれるのかを解説します。
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NISAってそもそもなに?
NISA(ニーサ)とは、「少額投資非課税制度」のことで、毎年一定額までの投資で得た利益に対し、税金がかからない制度です。通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座での運用益は非課税になるため、効率よく資産形成ができる点が大きな魅力です。
新NISAでは、以下の2つの投資枠が設定されています。
・つみたて投資枠:毎月所定の金額を積み立てる制度で、長期の積み立て・分散投資に適した一定の投資信託が投資対象。年間120万円まで投資可能。
・成長投資枠:一括で投資し、上場株式や投資信託などが投資対象。年間240万円まで投資可能。
この2つの枠は併用可能で、両方合わせると生涯投資上限は1800万円(うち成長投資枠は最大1200万円)となっています。
同じ投資額でも運用期間が長いと有利? 実際にシミュレーション!
それでは、総投資額が同じ240万円である、毎月の積み立て額が2万円で10年間の場合と、毎月の積み立て額が1万円で20年間の場合で、利息を含めた総額がどうなるのかを見ていきましょう。なお、今回は利息が年間3%と5%の場合でシミュレーションします。
【年利3%】
・毎月2万円×10年間・・・約279万円
・毎月1万円×20年間・・・約328万円
【年利5%】
・毎月2万円×10年間・・・約311万円
・毎月1万円×20年間・・・約411万円
ご覧のとおり、同じ240万円を投じたにもかかわらず、20年間じっくりと運用したほうが年利3%の場合は約50万円、5%の場合は100万円も資産が増えています。
この差の理由は「複利効果」のためです。
【複利のチカラ】運用益にも「利息」がついていく
複利とは、運用益が次の年の元本に組み込まれていく仕組みです。例えば、最初に100万円を年利5%で運用した場合、1年目の利益は5万円程度です。2年目は仮に105万円に対して5%の利回りがつくため、利益は5万2500円に増えます。このように、時間が経つほど利益に利益が重なる「雪だるま式の資産増加」が起こるのです。
複利が発生する場合、10年より20年、20年より30年と、運用期間が長くなるほどこの効果は大きくなります。
したがって、毎月2万円を10年という短期集中型の積み立てよりも、毎月1万円を20年という長期型の積み立てのほうが、利回りが同じでも最終的なリターンが大きくなりやすいのです。
まとめ
「まとまったお金がないから……」と投資をためらっている人でも、毎月1万円の積み立てからスタートすれば、将来の資産形成に大きな差を生む可能性があります。
ポイントは、投資額の大きさよりも「投資期間の長さ」です。できるだけ早く始めて、できるだけ長く続けることが、複利の効果を最大限に活かす近道です。
もちろん、投資にはリスクはつきものですので、元本割れのリスクがあります。あくまでも余裕資金の範囲内で、計画的に投資をしましょう。
出典
金融庁 NISAを知る
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
