「スシローで現金は使わない」と話す友人。どうやら「株主優待券」で支払ってるらしいけど、株初心者の自分でも受けられる? 最低投資額と“2025年9月からの変更点”も解説
株に詳しくなくても、条件さえ満たせば誰でも受け取れます。さらに2025年9月からは、「1円単位」で使えるなど利便性が向上する予定です。本記事では、最低投資額の目安、優待の受け取り方と使い方、2025年9月の変更点を初心者向けに解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
スシローの株主優待の概要
スシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIESでは、株を100株以上保有すると、年2回、グループ各店で使える株主優待割引券が、電子チケット形式で発行されます。対象店舗はスシローのほか、大衆寿司居酒屋「鮨・酒・肴 杉玉」、京樽の一部店舗など幅広く利用できます。優待はほかの割引券との併用も可能です。
店内飲食でも持ち帰りでも使えるので、普段の食事代を節約できるのが魅力です。
いくら必要? 最低投資額と注意点
最低投資額は「株価×100株」で計算します。これは、1単元が100株に設定されているためで、株主優待を受け取るには少なくとも100株を購入する必要があります。2025年9月現在、FOOD & LIFE COMPANIESの株価はおよそ8000円です。
したがって、8000円×100株=約80万円が最低投資額の目安です。優待の贈呈額は保有株数と保有期間に応じて決まります。
例えば、100~199株を3年未満保有すると、年2回各1650円分で合計3300円の優待になります。3年以上の長期保有なら、年2回各2750円分で合計5500円に増えます。基本的に、より多く、より長く保有するほど優待が増えます。
基準となる金額と期間は、図表1のとおりです。
図表1
FOOD & LIFE COMPANIES 株主優待
注意点としては、株価が上下すれば必要金額も変動するため、実際に投資する際は最新の株価を必ず確認しましょう。
2025年9月からどう変わる? 使い勝手の具体点
さらに、2025年9月の制度変更では、従来よりも優待が使いやすくなる内容変更が行われます。特に「1円単位で無駄なく使えるようになること」と「スマホでも紙でも利用しやすくなること」です。以下で詳しく見ていきましょう。
1円単位で無駄なく使えるようになる
2025年9月の基準日分(2025年12月下旬発送分)から、優待割引は会計金額に関わらず1円単位で利用可能になります。
従来は会計額に応じた割引券として利用していたため、端数が出ると小銭を支払ったり、割引が使い切れなかったりと不便さがありました。今回の変更により、端数を気にせず無駄なく使えるようになり、優待をきっちり活用できるのが利点です。
改定は2025年12月発送分から反映予定で、6月発送分までは従来の運用が継続されます。
スマホでも紙でも利用しやすくなる
優待は電子発行が基本で、スマホ提示でスムーズに会計できます。また、スマホを使わない場合でも、書面記載のバーコードを店舗で読み取って利用できると案内されています。電子化と併せて1円単位利用が実装されるため、使い勝手が大きく向上します。
家計目線での落としどころ
優待は、日々の外食代を直接減らす便利な制度です。特に利用頻度が高いほど、効果が出ます。投資と考えると難しく感じられますが、定期的に届く優待券を上手に使い、あわせて配当で利益還元を受ける仕組みと捉えれば、家計との相性は悪くありません。
外食費の節約と資産の育成を同時に狙える点がメリットです。一方、元本は株式のため、値下がりすることがあります。まずは無理のない金額から、段階的に始めるのが現実的です。
出典
FOOD & LIFE COMPANIES 株主優待
執筆者 : 諸岡拓也
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

