投資を始める前に心得ておくべき「人間心理」

配信日: 2019.05.30 更新日: 2019.06.14

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投資を始める前に心得ておくべき「人間心理」
資産運用には興味があるものの、経験がなく、損するのも怖いので踏み切れないという方は少なくないでしょう。
 
投資を行う際、情報収集はもちろん必要ですが、知っておくべきことの一つに「人間心理の影響」があります。人が行うことなので、頭ではわかっていても感情的に熱くなってしまい、結果として損を拡げてしまうことがあります。
 
失敗するパターンがわかれば、失敗しないための「ヒント」が見えてきます。ここでは主に「株取引」の場合を例に、心得ておきたい人間心理についてお伝えします。
 
西山広高

執筆者:西山広高(にしやま ひろたか)

ファイナンシャル・プランナー(CFP®)、上級相続診断士、宅地建物取引士、宅建マイスター、西山ライフデザイン代表取締役
 
http://www.nishiyama-ld.com/

「円満な相続のための対策」「家計の見直し」「資産形成・運用アドバイス」のほか、不動産・お金の知識と大手建設会社での勤務経験を活かし、「マイホーム取得などの不動産仲介」「不動産活用」について、ご相談者の立場に立ったアドバイスを行っている。

西山ライフデザイン株式会社 HP
http://www.nishiyama-ld.com/

人間心理が投資に与える影響

人間は厄介です。最近ではAIによって過去の分析を行い、分析結果をもとに機械的に売買を行うアルゴリズム取引と呼ばれるシステム取引も行われています。コンピューターに心理はありませんが人間の場合、微妙な心理が取引に影響します。
 
例えば、少し値上がりしたときには「もっと上がるはず」と感じ、少し値下がりすると「きっとまた戻るはず」と思っている間に下げ幅が拡大。大きく値下がりしてしまうと損切りしにくくなり、塩漬けにしてしまう。
 
一方で、値上がりすると「損しないうちに利益確定しよう」と少額の利益で確定してしまう。利益確定後や損切り後に値上がりすると「もうちょっと持っておけば」と損した気分になることも。こんな風に考えてしまうのは人間として普通だと思います。
 
こうした心理が影響し、冷静な取引ができなくなり、損するときは大きく、得するときは小さくしてしまうと考えられます。
 

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どうすれば心理に影響されずに取引できるのか

人間である以上、感情や心理の影響を受けるのは当然です。では、どうすれば心理に影響されずに取引ができるのでしょうか。今日は2つの方法をご紹介しましょう。
 
1.取引のルールを決める
株式投資には「順張り」「逆張り」という投資スタンスがあります。「順張り」とは株価が上昇トレンドにある中で「買い」のポジションを取る取引方法。「逆張り」とは株価が下落トレンドにある中で「売られ過ぎ」と考えられるタイミングに「買い」ポジションを取ります。
 
どちらが正解というわけではありません。自分に合った投資スタンスを模索されるとよいと思います。
 
例えば、買った値段より○%上昇したら利益確定、△%下がったら損切りすると決めます。取引はすべてそのルールに従って行います。そうすれば、あらかじめ損失幅が確定できるとともに、決めておいた価格まで上がったところで利益確定できます。
 
株式投資は購入するときよりも決済するときの方が難しいと言われます。「もっと上がりそう」「下がったけれど戻るだろう」といった雑念は気にせず、決めた価格で決済することを決めておけば悩むこともないでしょう。
 
2.投資の格言を学ぶ
例えば、「頭と尻尾はくれてやれ」という格言があります。株価が一番下がったタイミングで買い、天井に達したところで売るというのは困難です。
 
株式投資は「未来」を予測する必要がありますが、どの時点が底でどの時点が天井かはそのタイミングが過ぎ去ってしばらくしてからわかるもの。欲張らず、トレンドに乗り、途中の差額を抜くことに集中すべきというものです。
 
「持ち株は買値にこだわるな」とも言います。買った株が値下がりしたときに「せめて買った価格まで戻れば」と考え、売り時を逸してしまうことがあります。また、「しまったは手仕舞え」とも言われます。
 
先にお伝えしたように、上がると予想して買った株が予想に反して下がったり、悪材料が出たりした場合などには躊躇なく反対取引をしてポジションを外すべき、という意味です。買った価格より○○%下落したら無条件に売ると決めておけば、傷は浅くて済みます。
 
ほんの一例ですが、これらの格言は先人たちが経験を通じて学んできたものです。人間心理の赴くままに取引すると傷が広がりかねないことから、自らを戒めるための心得として格言として残したものです。せっかくこうした格言があるのですから、学んでおいて損はないでしょう。
 

株式相場の予想は「天気予報」に似ている

天気予報は、過去の天気図や気圧配置、さまざまな情報から経験的に判断し「おおむね当たる」というもの。相場を予想するということは、「天気予報」に似ていると言えるのではないでしょうか。
 
株式相場は常に動いており、上がるのか下がるのかを確実に知る方法はありません。天気の場合も、晴れる予報であっても雨が降ることもあります。
 
予想外のゲリラ雷雨などで局地的に荒れることがあるように、株式市場も予想外の悪材料が出て大きく予想が外れることもあります。
 
株式投資では「いかに負けを小さくするか」ということを考えましょう。勝ちっぱなしの人はいません。予測が外れたときは素直に受けとめ、切り替えることも重要です。
 

まとめ

本、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットなどのメディア。証券会社の営業マンや、信用している友人・知人から勧められた銘柄などいろいろな情報があるでしょう。
 
しかし、そこから得られる情報の多くが「結果論」や「評論家的」なものだったりします。過去の値動きや社会情勢と株価の動きを後付けで解説するのは簡単です。
 
投資で収益を得るために必要なのは「未来」の予測。そして、その「未来」は確実に見通せるわけではありません。投資はすべて「自己責任」。自分の責任で判断することですが重要です。
 
市場に参加している人はそこでお金を稼ごうとしています。市場に参加する以上「プロ」としての意識を持つことも重要だと言えるでしょう。
 
※2019/6/4 タイトルを修正させていただきました。
 
執筆者:西山広高(にしやま ひろたか)
ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士、西山ライフデザイン代表取締役
 

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