NISA開始当時から「S&P500」に“100万円”投資してたら、今いくらになっている? 10年間での「トータルリターン」を確認
「NISAで10年運用するとどのくらい資産形成ができるの?」と気になる人もいるでしょう。
本記事ではNISAが始まったあと、2015年にNISA口座でS&P500に連動する投資信託を100万円分投資していたら、10年後の2025年にはいくらになっているかを解説します。
FP1級、CFP、DCプランナー2級
NISA制度なら非課税で株式や投資信託を運用できる
NISAは、2014年1月に開始した「少額投資非課税制度」です。イギリスのISA(Individual Savings Account)がモデルになっていることから、NISA(Nippon Individual Savings Account)と呼ばれます。
課税口座である「特定口座」では、株式や投資信託などの売却や配当金で得た利益の約20%が税金として課税されます。一方、NISA口座内で投資した株式や投資信託などで得られる利益は非課税になります。
旧制度では「一般NISA」「つみたてNISA」という別種の制度がありましたが、現行制度ではNISA制度に「成長投資枠」「つみたて投資枠」という2つの枠が設定されています。
2つの枠は併用が可能で、成長投資枠は年間240万円、つみたて投資枠は年間120万円まで投資できます。2つの枠の非課税保有限度額の総枠は1800万円(うち成長投資枠は1200万円)です。
2015年に100万円を投資していた場合は今いくらになっている?
「iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンド」を例に、2015年当時投資した100万円がいくらになっているかを解説します。
投資信託の値段である「基準価額」は、株式の株価にあたるもので、一般的に投資信託1万口あたりの時価を表しています。購入や換金の際の基準となります。
説明を分かりやすくするために、基準価額1万円で計算してみましょう。基準価額が1万円だったのは2015年8月31日でした。それから10年後の2025年8月31日には、基準価額は4万4092.7円まで上昇しています。
この場合のトータルリターンは「+340.93%」です。計算式で表すと、
(44092.7÷10000−1)×100=340.93%
になり、基準価額が10年間で約4.41倍になりました。
つまり、2015年8月に「iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンド」に100万円分を投資した場合、現在は約441万円まで資産形成ができていることになります。
今後もNISAで投資を続けると20年後はどうなる?
今後も同様のペースで基準価額が成長すると仮定した場合、20年後にはいくらになっているでしょうか。
2025年8月31日を基準にすると、10年のトータルリターンは年率約15.99%でした。ただし、今後も同じ高い成長が続くと考えるのは楽観的かもしれません。そこで、少し厳しめに年率10%と仮定して、2015年の100万円から増えた441万円が20年後にどうなるかを試算してみましょう。
441万円×(1.10の20乗)=約2967万円
年率平均10%の成長が20年続くと、441万円が2967万円になると試算できました。
NISAなら、税金を支払うことなく得た利益を再投資して投資元本がどんどん大きくなるため、長期間投資するほど資産が雪だるま式に増えていくことになります。
まとめ
これまでの運用成果をみると、2015年に100万円を「iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンド」に投資していると、10年で約441万円になっていたと計算できます。同じようなリターンが続くと仮定すると、20年後には3000万円近くまで資産形成を進められる可能性があります。
あくまでも試算なので同じ結果になるわけではありませんが、自分の資産を育てたい人にとっては、NISAは心強い制度であるといえるのではないでしょうか。
出典
ブラックロック・ジャパン株式会社 iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンド
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級
