【史上初】金価格が「2万円」超に!“10万円”の予算で買うなら「アクセサリー・地金・ETF」どれがおすすめ? メリット・デメリットを比較
昔は、金といえば豪華な宝飾品や金塊など、まとまった資金がないと手が届かない印象があったのではないでしょうか。しかし今は、5グラムや10グラムの小さなバーや、毎月数千円から積み立てられるサービス、さらにはETFなど、少額でも金投資を始められる方法が増えています。
ただし、選び方には注意が必要です。ネックレスなどのアクセサリーとして持つのか、純金の地金を買うのか、それともETF(上場投資信託)を通じて金融商品として投資するのが良いのでしょうか。
同じ金であっても、それぞれにメリット・デメリットがあり、資産として持ったときの特徴は大きく異なります。
本記事では、初心者にも分かりやすく3つの方法を比較し、10万円で金を買うならどの形が最適かを考えてみます。金投資を始めるきっかけになれば幸いです。
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種
銀行にて12年勤務し、法人および富裕層向けのコンサルティング営業に従事。特に相続対策や遊休地の有効活用に関する提案を多数手がけ、資産管理・税務・不動産戦略に精通。銀行で培った知識と経験を活かし、収益最大化やリスク管理を考慮した土地活用のアドバイスを得意とする。
現在は、2社の経理を担当しながら、これまでの経験をもとに複数の金融メディアでお金に関する情報を発信。実践的かつ分かりやすい情報提供を心がけている。
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アクセサリーとしての金
金のアクセサリーは、「身につけて楽しむ」ことができる点が大きな魅力です。ジュエリーショップに行けば、1万~10万円程度のネックレスやリングが見つかります。アクセサリーであれば日常的に使え、いざというときには下取りや買取に出せる安心感もあります。
一方で、資産として考えると注意が必要です。
アクセサリーの多くは18金(K18)で、純金(K24)に比べると含まれる金はおよそ4分の3しかありません。さらに、購入時にはデザイン料や加工費という付加価値が上乗せされるケースがあり、実際の金の価値より割高になりやすいのです。
しかし、売却時は基本的に地金部分の価値で査定されます。購入時に支払ったデザイン料や加工費は反映されにくいため、上乗せされていた分が高ければ高いほど、その分は戻ってきません。結果として、金相場が上がっても思ったほど高く売れないことになるのです。
アクセサリーで持つ場合は、資産形成の手段というより、「楽しみながら持つ」タイプの所有方法だといえるでしょう。
地金やコインとしての金
もっとも「資産らしさ」を感じられるのは、地金やコインではないでしょうか。10万円の予算があれば、2025年9月末の相場なら5グラム程度の小さなインゴットや金貨を購入できます。
地金やコインで購入する最大のメリットは、実物資産として手元に残せる点です。世界中どこでも換金可能で、金融危機やインフレ時にも強いとされます。
デメリットは保管方法です。自宅に置けば盗難リスクがあり、銀行の貸金庫を利用すれば手数料がかかります。また、小型のバーやコインは、1キログラムバーなどに比べて売買手数料が割高になる点にも注意が必要です。
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ETFで投資する金
ETFは、証券会社の口座を通じて、株のように売買できる金融商品です。金価格に連動するETFを購入すれば、10万円どころか数千円からでも投資可能です。
メリットは、なによりも保管の手間がなく、売買のしやすさ(流動性)に優れていることでしょう。短期的に売買益を狙う投資スタイルにも向いています。
一方、実物資産ではないため、「いざというときに手元にある安心感」は得られません。また、金融システムに大規模なトラブルが発生したなどの場合、ETFは現金化に制限がかかる可能性もあるため、「守りの資産」としては地金に劣るといえそうです。
まとめ
金を10万円の予算で買うといっても、その形によって性質は異なります。
・アクセサリーは日常的に楽しめるが、資産性は限定的。
・地金やコインは実物資産として強いが、保管コストや手数料の割高感がある。
・ETFは流動性が高く少額から投資できるが、実物の安心感はない。
どれが正解というわけではなく、自分が金を「なぜ持ちたいのか」で選ぶことが重要です。ファッションとしても楽しみたいならアクセサリー、長期的な守りの資産なら地金、手軽に売買して投資効率を重視するならETFがいいでしょう。
それぞれの特徴を理解し、自分の目的に合った方法を選べるといいですね。
出典
田中貴金属工業株式会社 地金・コイン(現物)の購入にかかる手数料
日本取引所グループ 銘柄一覧(ETF) 商品・商品指数
執筆者 : 竹下ひとみ
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種
