ママ友がデパートの「友の会」の積立会員です。年利15%でもデパートの「高級品」しか買えないですよね? 高級店を普段づかいできる“お金持ち”でなければ得しませんか?
本記事では、百貨店を普段づかいしていなくても得するような、「友の会」の上手な使い方を解説します。
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全国に広がる「友の会」
「友の会」は、北海道から沖縄まで、大手を中心とした全国のデパートが行っている積み立てプランです。
デパートの会員となって月毎の掛金を12ヶ月間積み立てると、1ヶ月分のボーナスを上乗せされて、13ヶ月分の買物券または金額がチャージされたカードとして受け取れるシステムです(図表1)。積立金に未使用の買い物券を合わせると国内で5000億円を超える市場規模です。
図表1
一般社団法人日本百貨店協会 友の会
年間利回りに換算すると約15%。「12万円払って1万円得するなら1万円÷12万円=約8.3%では?」と考えるかもしれません。しかし、積立型の複利計算は少し異なります。開始時の1万円は12ヶ月運用していても、最後の1万円は1ヶ月だけ運用しているからです。
これを踏まえて、積立期間の加重平均である6万5000円を平均元本として計算すると、1万円÷6万5000円=15.38%となります。
さらに、友の会の商品は非課税のため、通常の投資で利益を得ると課される約20%の税金分も手元に残ります。これらを踏まえると、友の会は好条件な利回りといえます。
「友の会」を使いこなすポイントは?
しかし、デパートで食料品や日用品を毎日のように買う人は限られていますし、近所のスーパーやショッピングモールのほうが安く済ませられることが多いと思います。つまり、「友の会」で積み立てた金額を上手に使うには、デパートで普段づかいの買い物をするよりも、「デパートならでは」の買い物をする点がポイントといえます。
例えば、慶弔時の返礼品です。品物の安心感や包装の丁寧さなどが重視される状況では、デパートのブランド力が威力を発揮します。満期でチャージされた金額は有効期限がないため、そうした「いざというとき」のために積み立てておくのも一案です。
夏と冬のセールで使うのも、お得度が増すポイントです。「デパートは、普段は行かないが夏と冬のセールは行く」という人もいるのではないでしょうか。
通常価格では割高感があっても、セール期間は掘り出し物に出合えたり、普段づかいする店舗で手に入れにくい品物をお得に手に入れることができたりします。満期後の買物券・カードは、基本的にはセール品も対象となるため、そうした特定期間に集中的に使ってもよいでしょう。
また、海外ブランド品の購入も狙い目です。一部の店舗やブランドに例外があるものの、「友の会」買い物カードを利用できることが多いようです。値下げをせず、アウトレットモールでも取り扱っていないハイブランドの商品を、国内でお得に購入できる数少ないチャンスといえます。
積立金は「デパ地下」でも使用できます。おいしさはもちろんのこと、さまざまな店舗のさまざまな総菜や菓子などを見て歩く楽しさは「デパ地下」ならではの醍醐味(だいごみ)です。
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各店独自のサービスも
デパートによっては、独自のサービスを付加していることもあります。
ホテルやレストランなど提携施設の優待サービスが受けられたり、有料の催しが入場無料になったり、1ヶ月分の上乗せ分の代わりに劇場公演の観劇ができるコースがあったりします。また、オンラインストアでも利用可能なことが多く、手軽さにおいてもネットショッピングと同レベルになりつつあります。
まとめ
「友の会」ならではのさまざまなメリットを使いこなせば、デパートを普段づかいしなくても年利約15%分の上乗せ分を楽しむことができます。デパートによっては、上乗せ分は減りますが積立期間が半年のコースも用意しています。こうしたサービスも使って、まずはお試し的な感覚で始め、自分に合っていたら継続・増額するとよいかもしれません。
出典
一般社団法人日本百貨店協会 友の会
経済産業省 割賦販売法(前払式取引)の概要
執筆者 : 掛川夏
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種

