2004年に「ニトリ株」へ10万円投資していたら…“配当49倍・株価10倍”に!「22期連続」増配見込み・9月から「1株→5株分割」で買いやすく! ニトリの“長期成長の要因”とは
仮に、2004年に10万円投資していれば、株価は約10倍、配当は約49倍に拡大していたことになります。さらに、2025年9月には1株を5株に分割し、最低投資額は約130万円から26万円に低下しました。
本記事では、ニトリの長期成長の要因と、株式分割後に個人投資家が注目すべきポイントを解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次
2004年の10万円投資、2025年にはいくらになった?
2004年2月当時のニトリホールディングスの株価は、終値で1657.5円でした。もし当時10万円を投じて約60株を購入していた場合、その株価は2025年5月13日には1万6235円まで上昇し、評価額は約97万円で、約9.8倍に達しました。
2025年10月7日時点では、株式分割により株価は2549.5円となっており、2004年比で約7.7倍の水準にあります。なお、2004年当時と2025年現在の評価額の概算は、図表1のとおりです。
図表1
Yahoo!ファイナンス (株)ニトリホールディングス【9843】:株価時系列・信用残時系列を基に筆者作成
配当49倍の成長、21期連続増配の裏にあるニトリの戦略
2004年の年間配当はわずか3.1円でした。それが2025年には152円と約49倍に増加しました。しかも、2005年以降、21期連続で増配を続けており、2025年12月期も22期連続が見込まれています。
この背景には、ニトリの高い利益率と国内外での安定的な出店戦略があります。製造・物流・販売までを自社で一貫管理するSPA(製造小売)モデルを採用しています。これにより、余計な中間コストを省きながら、高品質な商品を低価格で提供できるのです。
SPAとは「Specialty store retailer of Private label Apparel」の略で、企画から販売までを自社で行う業態のことです。代表的な企業としては、ユニクロ(ファーストリテイリング)や無印良品(良品計画)などが挙げられます。
この戦略により、円安や資源高の影響を受けながらも利益を確保し続けた点が、配当が安定している要因の1つです。
2025年9月に1株⇒5株分割、最低投資額は26万円になった!
さらに、2025年9月にニトリは1株を5株に分割しました。図表2のとおり、1万4000円前後だった株価は2500~2800円前後になりました。
図表2
Yahoo!ファイナンス (株)ニトリホールディングス【9843】:株価時系列・信用残時系列
これにより、100株で約140万円だった最低投資額が、約25~28万円に下がり、個人投資家が購入しやすくなりました。
一般的に、株式分割は企業への関心を高める効果があり、流動性の向上にもつながります。過去にもトヨタや任天堂など、分割後に投資家層が拡大し、株価が堅調に推移した例が多数あります。ニトリもまた、成長性に「買いやすさ」が加わることで、再び注目を集める可能性が高まっています。
分割で身近になった今、長期投資で狙いたい理由
これまで株価が高く、個人投資家には手が届きにくかったニトリですが、今回の株式分割で購入しやすい水準まで下がりました。いわゆる「値嵩(ねがさ)株(株価の高い銘柄)」として敬遠されがちだったからこそ、今は新たに注目すべきタイミングです。
長期的な増配実績、堅実なビジネスモデル、景気に左右されにくい需要構造という三拍子がそろう銘柄は貴重です。短期の値動きに惑わされず、数十年後の資産形成を見据える投資先として検討したい企業の1つです。
出典
Yahoo!ファイナンス (株)ニトリホールディングス【9843】:株価時系列・信用残時系列
執筆者 : 諸岡拓也
2級ファイナンシャル・プランニング技能士


