10年前に「大林組」の株を“応援の気持ち”で買ったら2.6倍に! 元社員視点で振り返る「株の長期保有」の価値とは
しかし、現在は株価が2300円台まで上昇し、資産は約2.6倍になっています。さらに配当も増え、長期保有の価値をあらためて実感しています。本記事では、筆者の実体験をもとに数字を交えて建設株投資について振り返ります。
FP2級、日商簿記2級、建設業経理士1級、衛生管理者
890円から2300円台へ! 数字で見る“応援投資”の成果
筆者が大林組の株を購入したのは約10年前です。1株890円で100株を手に入れ、投資額は合計8万9000円でした。
当時は「値上がりを狙う」というより、元社員としての思い入れや「800円台なら手が届くから買ってみよう」という気持ちが強かったのです。つまり「株式投資で資産形成をしよう」という意識はほとんどありませんでした。
ところが現在、同社の株価は2300円台(2025年10月1日時点)に上昇し、評価額は23万円を超え、含み益は約14万円と、投資額の2.6倍の成果をもたらしました。
また、配当金についても、10年前は1株あたり18円でしたが、今では1株あたり81円、100株で年間8100円を超える配当が支払われています。大きな金額ではありませんが、不労所得が定期的に口座に振り込まれるのは、家計にとって明らかにプラスと言えるでしょう。
長期保有だからこそ見える“企業愛”と“お金”の両立
株式投資というと、値動きに一喜一憂して「いつ売ればいいのか」と迷う人も多いでしょう。
しかし筆者の場合、購入した同社株は10年以上にわたって保有を続けています。応援の気持ちで買った株だからこそ、短期の値下がりがあっても簡単に手放そうと思わず、むしろ“見守る存在”のように感じられたのです。
結果的に、長期保有によって配当の積み重ねや株価上昇の恩恵を受けることができました。もし短期間で売却していれば、現在の2.8倍の資産や年間8100円の配当収入は得られなかったでしょう。
そもそも、投資の基本は長期保有です。株式投資では、配当の再投資や株価上昇による「複利効果」が時間とともに大きな成果をもたらします。短期の値動きに左右されず、企業の成長とともに資産を増やしていく姿勢こそ、安定的なリターンを得るための基本です。
まとめ
「応援」と「資産形成」を両立できるのは、長期投資ならではの魅力です。応援の気持ちで購入した株が、その後の資産形成につながった経験は、投資をぐっと身近に感じさせてくれます。
購入当初は株価の上下をあまり意識せず、企業への信頼や応援の思いから保有を続けていましたが、結果的に長期保有による利益を生むことになりました。
株式投資において筆者が重要と考えるのは、短期的な株価変動ではなく、信頼できる企業を長期にわたって見守ることです。長期間にわたり株価の値上がりと配当の積み重ねを数字で確認できることは、家計にとって確かなプラスとなるだけでなく、安心感や満足感ももたらしてくれるでしょう。
執筆者 : 里見るい
FP2級、日商簿記2級、建設業経理士1級、衛生管理者
