9年ぶりに「MMF」が復活! 利回りは0.5%!?「銀行預金100万円」を“MMFにする”と“預金そのまま”の場合で、10年後の差額を比較

配信日: 2025.10.24
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9年ぶりに「MMF」が復活! 利回りは0.5%!?「銀行預金100万円」を“MMFにする”と“預金そのまま”の場合で、10年後の差額を比較
国内MMFが9年ぶりに販売再開されるとの報道がありました。詳細な商品設計は未定ですが、利回りは0.5%近辺と予測されています。そこで、銀行預金100万円を今後10年間、銀行に預けたままにした場合と、MMFに預け入れた場合で、どの程度差が生じるのかを試算します。
掛川夏

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種

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9年ぶりの復活、背景に金利水準の回復

MMF(マネー・マーケット・ファンド)は、短期の日本国債や社債など、比較的安全性が高いとされている金融資産で運用される投資信託です。他商品と比べてリスクが低めで流動性が高いことから、預金に近い商品として知られます。具体的には、満期がないために必要な時に売買でき、解約手数料がかかりません。
 
そのため、急な資金需要にも対応可能で、余剰資金の一時的な運用にも適しています。また、少額からの購入や解約が可能となっています。
 
2016年に日本銀行がマイナス金利政策を採ったことから金利が急低下し、金融各社がMMFの販売停止を余儀なくされて以降、販売中止の状態が続いています。現在販売されているのは、すべて外貨建てのMMFです。
 
ところが、2024年にマイナス金利政策が解除されました。日本銀行は政策金利を0.5%まで上げ、長期金利の指標も17年ぶりの高水準となりました。今後も金利の高水準は続くとみられており、MMFが「復活」できる環境となったのです。報道によると、早ければ2026年前半に主要金融機関で販売が再開される見込みです。
 

MMFで100万円を10年間預けた場合、いくらになる?

MMFの詳細は未定ですが、年換算利回りは0.5%近辺と予測されています。これは、MMFが販売されていた頃に設定されていた利回りが、銀行の預金金利よりも0.3ポイント程度高かったからです。現在、銀行の平均的な預金金利は0.2%のため、プラス0.3ポイントで0.5%となります。
 
では、銀行に預けている普通預金100万円をそのまま預ける場合と、MMFを購入して運用する場合とで、10年後はそれぞれいくらになるかを試算します。
※前提条件:銀行は普通預金(単利)、利率0.2%が10年続くと仮定。税率は20.315%(所得税+住民税)
 
まず、銀行に預け続ける場合、利息(税引後)は1万5937円で、最終受取額は約101万5937円です。一方、MMFを購入して運用する場合の利息(税引後)は約4万780円で、最終受取額は104万780円となります(図表1)。両者を比べると、MMFのほうが2万5000円ほど高いという試算結果になりました。
 
図表1

図表1

筆者作成
 

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新たなMMFは運用の機動性高まる可能性

新たに登場するMMFは、ブロックチェーン(分散型台帳)という先端技術を使うことが予定されています。ブロックチェーン技術を活用することで運用の自動化が進み、投資家は分配金をすぐ再投資に回すことができるようになったり、少額からの投資が可能になったりします。
 
米国ではすでにMMFをブロックチェーン上で流通させており、日本でも同様の動きが進むと思われます。
 
2025年10月時点でMMFの詳細は正式発表されておらず、どこまで個人向けを意識した商品設計となるのか、具体的な利回りは何%になるのかといった点は不明です。また、金融政策に影響を及ぼす国内外の政局も不透明な状況です。しかし、金利上昇局面にある現在、個人資産の資金移動先としてMMFがその受け皿となるのか、注目に値するでしょう。
 
執筆者 : 掛川夏
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種

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