50歳で貯金500万円です。退職金は約1000万円だと思いますが、65歳までにあと500万円貯めるにはNISA・iDeCoにいくら投資すればいいですか?

配信日: 2025.10.31
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50歳で貯金500万円です。退職金は約1000万円だと思いますが、65歳までにあと500万円貯めるにはNISA・iDeCoにいくら投資すればいいですか?
「老後2000万円問題」が話題になって以降、老後に2000万円以上準備しておこうと考える人は少なくないでしょう。50歳で500万円が不足している場合、NISAやiDeCoで、実際にいくら投資すればいいのでしょうか。「50歳から65歳までに500万円貯める」という目安で考えてみましょう。
前田菜緒

FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)

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NISAとiDeCo、どちらで積み立てるか

現在、NISAとiDeCo、両方を利用していてiDeCoの掛け金が上限に達していない場合は、まずiDeCoを優先するとよいでしょう。iDeCoは掛け金が所得控除の対象になるため、NISAより節税効果が大きい点が魅力です。
 
また、退職金が1000万円とのことですが、仮にiDeCoで500万円作ると、合計で1500万円になります。退職金とiDeCoを同時に一括で受け取る場合、勤続30年以上であれば、退職時の非課税枠である退職所得控除は1500万円以上あるため、受取時に課税されることはありません。
 
ただし、iDeCoは一括受け取りか分割受け取りかを選ぶ必要があり、受け取り年齢や年数にも制限があります。
 
一方、NISAは引き出しの制約がないため、使い勝手は良いといえるでしょう。NISAかiDeCo、どちらか一方だけの利用でも良いですし、両方を併用しても構いません。ご自身の状況に合わせて上手に活用してください。
 

いくら積み立てるか

仮に利回り3%で運用できるとすると、500万円を15年でつくるには、毎月約2万2000円の積立が必要です。利回りは投資先によって異なりますし、将来のことなので確実な答えは分かりません。
 
しかし、過去15〜20年の先進国株式の平均利回りは10%前後といわれていますから、先進国株式中心に投資をするのであれば、3%という利回りは安全に見積もった数値であることがわかると思います。まずは毎月2万円を目安にしてはいかがでしょうか。
 
また、すでに500万円の貯金があるとすると、これを活用する方法もあります。500万円の一部も投資にまわして利益を生み出すようにすれば、毎月の積立額をさらに減らすことも可能です。
 

そもそも老後に2000万円を準備する必要があるのか

老後2000万円必要と思っている人は少なくありませんが、この数字は、あくまでもモデルケースに基づくものです。高齢世帯の平均収入と支出の差が約5.5万円/月だったため、かりに月5万円不足の生活が30年続いたら……という前提で算出された結果なのです。
 
しかし、実際にご自身の生活で毎月の5.5万円不足するとは限りません。この前提がズレると、老後に準備すべき金額をも大きく変わってしまいます。そのため、まずは自分の年金額を確認して、生活費との差を把握することが大切です。50代であれば「ねんきん定期便」に将来の年金見込み額が記載されています。この機会に確認しておきましょう。
 

自分自身の不足額を準備することが安心につながる

「老後資金2000万円」は目安でもなく一般的な数字でもありません。実際、別の年度のデータで試算すると、不足額が0〜800万円ほどになる年もあり、一概に2000万円必要とはいえません。
 
大切なのは、「自分にとって必要な金額を知り、そのために今いくら積み立てるか」を考えることです。人それぞれ年金額も異なれば、支出額も異なります。自分自身の年金額と支出をおおまかにでも把握し、不足分を補うための準備をしておくことが老後の安心につながります。
 
執筆者 : 前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

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