55歳までに「1億円」貯めて“早期退職”したい! 22歳から「月10万円×年率5.1%」でNISAに投資すれば“億り人”になれますか?

配信日: 2025.11.07
この記事は約 3 分で読めます。
55歳までに「1億円」貯めて“早期退職”したい! 22歳から「月10万円×年率5.1%」でNISAに投資すれば“億り人”になれますか?
「億り人になって悠々自適に暮らしたい!」
 
このように漠然と考えている人もいるでしょう。1億円を運用できれば、そこから得られる配当金や分配金だけで、年間数百万円くらいの不労所得を獲得して生活することは十分に可能です。
 
ただ、会社員として仕事をしながら、1億円を貯めて早期リタイアを実現することは本当に可能なのでしょうか。
 
本記事では22歳の新卒の人が、1億円の貯金を貯めるために知っておきたい「NISA」の基本や、月どのくらいの金額を運用すれば何年後に1億円に届くかを解説します。
 
※本記事の内容は計算を簡略化してシミュレーションしています。また、投資には元本保証がなく元本が目減りするリスクもあります。
高柳政道

FP1級、CFP、DCプランナー2級

1億円を貯めるなら「貯金」ではなく「投資」を考えよう

結論からいって、1億円のお金を貯めることは決して不可能ではありません。今回のように22歳という若さで貯め始めれば、生涯で1億円を貯めることも可能でしょう。
 
ただ、資産運用の選択肢を誤ると1億円の達成は難しくなります。
 
例えば、22歳で毎月10万円を運用して33年後の55歳で早期退職する想定の場合、毎年の期待リターンを「5.1%」まで達成させる必要があります。
 
ここで気をつけたいことは、「単に預貯金だけでは1億円の達成はできない」ということです。
 
2025年11月現在、三井住友銀行の普通預金の金利は0.2%、定期預金でも0.25%から0.5%です。近年は銀行の預金金利も以前 の「0.001%」と比較すればかなり高い水準になりましたが、それでも1億円を貯めるためのリターンとしては不足しています。
 
1億円を貯めるなら、預貯金ではなく「投資」による資産運用を検討しましょう。
 
例えば、米国の代表的な500の株式で構成される指数「S&P500」は、1927年から2023年12月末までの96年間で年平均6%のリターンを獲得しています。
 
前記の計算では、億り人になるのに必要なリターンは年利「5.1%」だったため、今後も同じリターンを獲得できると仮定すれば、S&P500の値動きに連動する投資信託に投資することで億り人を目指すことは可能ということになります。
 

「億り人」を目指すなら知っておきたい「NISA」の基本

億り人を目指す場合、ぜひ知っておきたいのが「NISA」の存在です。
 
通常、証券会社で投資信託や株式に投資する際は「特定口座」という口座を開設しますが、そのなかで得た利益に対して20.315%が課税されます。
 
例えば、運用で1万円の利益を得ても、課税後に手元に残るお金は8000円未満しかありません。
 
一方、NISA口座内で得た利益は非課税であり、1万円の利益を全て獲得して再投資できます。税金の目減りなしで再投資できるため、より効率よく資産形成を進めることが可能になります。
 

月いくら投資すれば1億円を目指せる?

先ほどは「22歳から55歳まで毎月10万円を積立投資し、年率5.1%で運用すれば資産1億円を達成可能」と試算しました。実際、S&P500と連動する投資信託のリターンがあれば年利5.1%の達成も不可能ではありません。
 
ただ、株式や投資信託100%では市場の状況によって値動きが激しくなり、リスク許容度の低い人は値動きに耐えきれない可能性もあります。その場合、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のポートフォリオを参考にしましょう。
 
GPIFは、国内株式・外国株式・国内債券・外国債券に25%ずつ分散投資をしており、過去2001年度~2025年度第1四半期のリターンは年平均4.33%になっています。
 
株式投資信託100%よりもリターンは控えめですが、値動きが緩やかな債券をポートフォリオに入れ込むことで、万一の暴落の際に値動きをマイルドにすることが可能です。
 
年率4%と仮定して22歳から55歳までに1億円を達成するには、月13万円を貯金すれば達成できます。または、毎月8万円まで金額を減らしても、43年後、65歳には1億円を達成できる計算です。
 

まとめ

「いつまでに1億円を達成したいか」にもよりますが、年金を受け取り始めるまでに資産1億円を達成して早期退職することは決して不可能ではありません。
 
今回の計算を参考に、できる限り毎月の積立投資に資金を捻出して1億円を目指してみてはいかがでしょうか。
 
ただし、この試算はあくまでもシミュレーションであり、元本保証がない点には注意する必要があります。
 

出典

年金積立金管理運用独立行政法人 2025年度の運用状況
 
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問