株主優待で「白い恋人」をもらったというママ友。「かなり高利回りでお得」とのことですが、どれだけ投資すれば“優待を受けられる”でしょうか?「必要資金・優待利回り」を確認
そんな人もいるのではないでしょうか。特に、有名なお土産がもらえるとなれば、興味を持つきっかけになるかもしれません。株主優待は、株主に対する株式保有のお礼として企業から贈られるもので、その内容は、クオカードのような金券や、自社製品の食品・日用品、自社サービスの利用チケットなどさまざまです。
投資銘柄を選ぶ際、理由の1つともなる株主優待ですが、北海道の企業であるエコモット株式会社は、2025年7月、株主優待制度を新設し、北海道のお土産として広く知られる「白い恋人」を含んだ優待内容を発表して話題になりました。
本記事では、株主優待制度の仕組みを解説したうえで、エコモット株式会社の株主優待の概要と、株主優待をもらうために必要な投資額を紹介します。投資経験のない人にも参考にしていただければ幸いです。
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種
銀行にて12年勤務し、法人および富裕層向けのコンサルティング営業に従事。特に相続対策や遊休地の有効活用に関する提案を多数手がけ、資産管理・税務・不動産戦略に精通。銀行で培った知識と経験を活かし、収益最大化やリスク管理を考慮した土地活用のアドバイスを得意とする。
現在は、2社の経理を担当しながら、これまでの経験をもとに複数の金融メディアでお金に関する情報を発信。実践的かつ分かりやすい情報提供を心がけている。
株主優待の魅力と注意点
株主優待とは、一定数以上の株を保有している株主に対して企業が提供する「お礼」の制度です。日本独自の文化として定着しており、商品や金券、サービス利用券などバリエーションはさまざまです。
近年は一時的に優待を廃止する企業もありましたが、ここ数年は新設する動きも見られます。株主との関係を深めたり、自社商品のファンを増やしたりする狙いがあり、特に食品や日用品といった日常生活で使いやすい優待は、人気が高い傾向にあります。
ただし、魅力ばかりに目を奪われるのは禁物です。企業の業績悪化や経営方針の転換によって、突然優待内容が縮小されたり廃止されたりすることは珍しくありません。優待はあくまで投資判断の一要素であり、企業の成長性や配当とあわせて総合的に検討することが重要です。
エコモット株式会社の株主優待の内容
エコモット株式会社は、IoT関連のシステム開発を手がける北海道の企業です。同社は2025年7月に株主優待制度の新設を発表し、毎年8月末時点で100株(1単元)以上を保有する株主に対し、優待を進呈することとしました。
2025年の優待の内容は、オンラインショップ特設ページで利用できる4000円分のギフトカードです。オンラインショップには、北海道の製菓企業である石屋製菓株式会社の「白い恋人」や「美冬」を中心にした、4000 円セット3種類、6000円セット1種類、8000円セット1種類の全5種類の特別セットです。
4000円セットの3種類については、株主は追加の負担なく利用できます。また、4000円と6000円のセットは送料込み、8000円は送料無料で、追加費用が発生しない点は、株主にとって使いやすく、企業の配慮を感じます。長期保有の条件は特に設けられていないため、基準日の時点で条件を満たせば優待を受けられます。
優待を得るために必要な資金を確認
では、この優待を受け取るためにはどの程度の資金が必要なのでしょうか。
エコモット株式会社の株主優待を得るには、最低でも100株を保有する必要があり、2025年12月8日時点での同社の株価は、終値で442円のため、100株で4万4200円です。優待から利回りを計算すると、4000円分のギフトカードを約4万円の投資額で手に入れることができるため、優待利回りはおよそ9%台となり、高利回り銘柄と言えるでしょう。
もちろん、実際には株価は変動するため、あくまで目安として捉えることが大切です。ここで注意すべきなのが「権利付き最終日」と「権利落ち日」です。基準日が8月末の場合、その2営業日前が権利付き最終日となり、この日の取引終了時点で株を保有していなければ優待を得る権利はありません。
スケジュールを確認し、直前に慌てて購入するのではなく余裕を持って準備しましょう。
まとめ
エコモット株式会社が導入した株主優待は、オンラインショップで利用できる4000円分のギフトカードを受け取れるというものです。
必要な資金は2025年12月時点で4万円程度と、比較的少額の投資で株式を保有できる点も投資初心者にとって、手を出しやすいのではないでしょうか。ただし、株式投資は優待だけを目的にするのではなく、株価の変動や制度変更のリスクも踏まえて判断することが大切です。
株主優待は、投資を始めるきっかけとしても魅力的な制度です。身近なお菓子が届くことで投資に関心を持ち、資産形成の第一歩につなげることができるかもしれません。
出典
エコモット株式会社 株主優待制度の導入に関するお知らせ
エコモット株式会社(開示事項の経過)株主優待品内容の詳細決定に関するお知らせ
執筆者 : 竹下ひとみ
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種
