「NISAしないと生涯1000万円の損」という友人…45歳からでも「月5万円×年率5%」で運用すれば、1000万円以上になりますか? 低金利とはいえ“貯金でも十分”じゃないんですか?
1000万円は確かに大きな金額ですが、これは根拠のないあおりではありません。仕組みを正しく理解すると、あながち誇張とも言い切れないことが分かります。
本記事では、NISAの基本と具体的なシミュレーションをもとに、「1000万円損する」と言われる理由、そして45歳からでも始める価値があるのか解説します。
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
NISAとは?
NISAは、株式や投資信託の運用益が非課税になる制度です。2024年から新NISAとなり、非課税保有期間が無期限となるなど、従来よりも利用しやすくなりました。
「1000万円損する」の根拠は?
それでは、NISAの「つみたて投資枠」を利用して、年率5%で長期運用した場合のシミュレーションを見ていきましょう。
・元本:1800万円
・想定運用額:約2659万円
→約859万円の増加
・元本:1500万円
・想定運用額:約2941万円
→約1441万円の増加
このように、長い間運用することで1000万円以上増えることが期待できます。
ちなみに、大手銀行の普通預金金利(0.2%)を前提としてみると、【毎月5万円×25年】での増加分は約38万円です。つまり、NISAと普通預金の差は約1400万円となります。
もちろん、5%はあくまで長期平均を想定したモデルケースですが、預金との資産形成スピードに大きな差があることは確かです。
45歳から始めたらどうなる?
投資は長期運用が大切ですが、45歳から始めてもメリットは受けられます。例えば、45歳から60歳までの15年間、毎月5万円を利率5%で運用した場合、元本900万円に対し、想定運用額は約1330万円です。
運用期間は多少短くなりますが、非課税で400万円以上の伸びが期待できるのは十分に魅力的です。また、昨今は60代以降も働き続ける人が増えています。そうなると、運用できる期間は実質20年以上になる可能性もあるでしょう。
45歳から始める場合に大切なポイント
45歳からNISAを始めても決して遅くはありませんが、若い世代以上に注意すべき点はあります。
まず、運用期間が20~30代より短くなるため、値動きの大きい商品へ偏りすぎるのは避けたいところです。バランス型や世界株インデックスなど、分散性の高い商品を中心に検討してみましょう。
また、取り崩し時期をイメージしておくことも大切です。取り崩す時期が下落相場だと影響が大きいため、50代後半ではリスク資産の割合を少しずつ下げても良いでしょう。
なぜ「NISAをしないと損」と言われるのか?
NISAを「しないと損」と言われるのは、預金ではインフレに負けて資産の実質価値が目減りしやすい一方、NISAなら利益に税金がかからず、長期の複利効果をそのまま受け取れるためです。
さらに、60代以降も働く人が増えており、実質的な運用期間が長く確保できることも理由の1つです。ただし、投資にはリスクがつきものです。特に次の状況では、いったん立ち止まり、慎重な判断をしましょう。
・生活防衛資金(最低3~6ヶ月分の生活費)がない
・2~3年以内に使う予定のお金を投資に回そうとしている
・短期間で大きく増やしたい(NISAは長期向け)
NISAは万能ではないため、家計の状況に合わせて活用することが大切です。
まとめ
預金と積立投資では将来の資産額に大きな差が生まれる可能性があり、NISAを活用すると45歳からでも非課税の恩恵を受けながら十分な資産形成が期待できます。
働く期間が延びると運用できる時間も増えるため、今から始めても決して遅くはありません。ただし、投資にはリスクが伴います。生活防衛資金の確保など家計の土台を整えたうえで無理なく取り組むことが大切です。
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など