トランプ関税ショックで“190万円の損失”を出した友人が「イラン攻撃で暴落しても絶対に売らない」と発言! 先日“S&P500が急落”しましたが、なぜ冷静でいられるのでしょうか? 慌てて売ってはいけない理由
しかし、トランプ関税ショックで損失を確定させた経験から、今回は絶対に売らないと決めている人もいます。
本記事では、米国の著名な投資コンサルタント、チャールズ・エリスが示したS&P500のリターンはわずか数日の上昇だけで成り立っているデータをもとに、暴落時に冷静でいられる考え方を解説します。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
トランプ関税ショックで売って後悔
2025年4月、トランプ政権による相互関税の発表を受けて、S&P500は直近高値から約19%下落しました。1000万円を投資していた場合、単純計算では約190万円の含み損です。
「このまま株価は元に戻らないかもしれない」と不安になり売却した人も多くいましたが、直後に相互関税の一部停止が発表され、株価は急回復しました。
損失が出た上、急回復による利益まで取り逃がし、売却を後悔した人は少なくありません。友人は、売ったら次に買うタイミングが読めないから売らないと語っています。この考えは、資産を減らした経験から得た単なる教訓ではなく、実は根拠がある話なのです。
慌てて売ってはいけない理由
チャールズ・エリスは著書「敗者のゲーム」の中で、S&P500を分析した調査を基に「20年間の株のトータルリターンのすべてはベスト35日間に達成されている」と記しています。つまり、S&P500が最も大きく上昇した35日間に投資していないと、20年間のリターンがすべて消えてしまうのです。
なぜ35日間を逃すだけで20年分のリターンが消えるのかというと、株式市場の大きな上昇は、特定の日に集中して起こるからです。チャールズ・エリスは、株価急騰のタイミングを「稲妻が輝く瞬間」と呼んでいます。稲妻は突然輝き、あっという間に消えます。
株式市場も同様に、売却した後では、一瞬で反発する株価上昇の恩恵を受けられません。下落を受け止め市場に居続ける人だけが、急回復の恩恵を受けられるのです。
暴落は安く仕込めるチャンス
S&P500やオルカンのような指数に連動する投資信託を、暴落時に持ち続けるメリットは、急回復を取り逃がさないことだけではありません。価格が下がった局面では、同じ金額でより多くの口数(投資信託の購入単位)を割安で購入できます。
毎月一定額を積み立てている場合、下落局面ほど1口あたりの購入単価が下がり、回復局面で利益が出やすくなるのです。暴落は、指数連動型の投資信託を長期で積み立てている人にとって、購入単価を引き下げる有効な機会と考えられます。
まとめ
長期投資において利益を大きく損なうのは、含み損を恐れて売却してしまい、急回復を取り逃がすことです。暴落局面で慌てて売って後悔しないためにも、20年間のうち35日間を逃すだけでリターンがゼロになってしまうというチャールズ・エリスの言葉を覚えておきましょう。
出典
敗者のゲーム[原著第8版] チャールズ・エリス著、鹿毛雄二訳、鹿毛房子訳 日本経済新聞出版
S&P Global S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス
執筆者 : 小熊晋平
1級ファイナンシャル・プランニング技能士