もし“5年前”に戻れたら…「金(ゴールド)」と「ビットコイン」どちらを買うべき? 5年でいくら利益が出るのか「予算100万円」のケースで比較
本記事では、もし5年前にさかのぼって100万円投資するなら、金とビットコインのどちらを買ったほうが得だったのか解説します。さらに、金やビットコインに投資する際の注意点も紹介しますので参考にしてください。
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金(ゴールド)やビットコインはどういったものか
言うまでもありませんが、金(ゴールド)は価値の高い金属である「貴金属」の一種です。類似したものとして、シルバーやプラチナなども挙げられますが、金はこれら価値が高い貴金属の象徴とも言えるでしょう。
特に近年は、金の特性から投資対象としての価値が高まっており、不安定な政情下やインフレが進む状況にも強い実物資産です。現物の一括購入以外にも、少量ずつ積立による購入や金関連の投資信託など、投資方法にいくつかのバリエーションがあります。
一方のビットコインは、インターネット上で取引される分散型のデジタル通貨であり、発行体がない暗号資産で、紙幣や硬貨がない世界初の仮想通貨でもあります。通貨単位はBTCと呼ばれ、2100万BTCが発行上限です。
歴史の長い金とは対照的に、2009年から利用が始まっており、その歴史は20年たっていません。それでも、希少性や利便性から投資対象としての需要が高まっています。
大きな特徴は、ブロックチェーンと呼ばれる取引台帳で管理され、参加者全員で取引を共有する仕組みになっている点です。ビットコインの価値は、取引市場に参加している人の需要と供給によって決まり、実物資産である金との共通点も多いことから「デジタルゴールド」と呼ばれることもあります。
5年前に100万円買うなら金、それともビットコイン?
金(ゴールド)やビットコインを5年前に100万円分買っていたら、現在はどれくらいの価格になっているのでしょうか。まず、金の価格は、5年前の2021年4月時点で1グラムおおむね7000円ぐらいでした。
それが2026年3月下旬は2万5000円ぐらいの水準となっており、3.5倍程度に高騰しています。もし5年前に100万円の金を購入していれば、現時点で350万円ほどの価格になっている計算になります。
ビットコインの価格は、2021年4月で1BTCの価格は600万円ぐらいでした。これが2026年3月下旬時点で約1100万円と、5年前の1.8倍ぐらいの水準です。つまり、100万円分のBTCは180万円ぐらいまで価値が上がっていることになります。
この結果を見る限り、5年前に買うのであれば、金を買ったほうがより利益が大きくなるのは明白です。この間、コロナ禍があったことや、ロシアウクライナ紛争などが発生し、有事に強い金の需要が高まったことも価格が大きく上昇した要因かもしれません。
金やビットコインに投資する際の注意点
金(ゴールド)とビットコインを5年前に買うとしたら、結果的には金のほうが良かったことになります。しかし、ビットコインも価格は大きく上昇しており、そちらを買っていたとしても、投資としては大成功でしょう。
それでは、金やビットコインは今からでも買ったほうがいいのでしょうか。もちろん、これからも投資や資産運用の選択肢であることに変わりはありません。
しかし、この2つの商品はリスク資産とされる株や投資信託と比較して、近年の値動きが激しく、売買の時期によっては大きな損失が発生する面にも注意が必要です。例えば、金は1月下旬には1グラムあたり約3万円に達しましたが、その後下落し、3月下旬は約2万5000円まで17%ほど低下しています。
つまり、3万円のときに100万円買っていれば、17万円も損失が出たことになります。また、3月23日の取引では、たった1日で3000円以上も価格が下落し、取引が制限される事態にもなりました。
ビットコインに関しては、1月中旬には1BTC約1500万円だったものが、3月下旬には約1100万円となっており、価格の下落率は30%近くにもおよびます。このように短期で価格が大きく変動する傾向は、この2つの商品に共通したリスクです。
ほかにも、売却時に手数料がかかり、売却益には税金もかかる点は考慮しておかなければなりません。現物である金を購入する場合は、保管料や口座管理料などのランニングコストにも留意しておきましょう。
まとめ
5年前に戻って投資するのであれば、ビットコインよりも金(ゴールド)のほうが得られる利益が大きかったことになります。
一方、ビットコインも当時からは大きく価格が上昇しており、投資していれば相当の利益を得られたことに代わりはありません。ただし、いずれの商品も1日単位での値動きがかなり激しくなっており、売買の時期によっては大きな損失を抱えてしまう可能性もあります。
金やビットコインなどに投資し、資産運用する場合は、自分のリスク許容度を考慮しながら、ほかの金融商品との組み合わせが必要かもしれません。投資を進める前に、まずはそれぞれの商品のメリット・デメリットを把握することから始めてみてはいかがでしょうか。
執筆者 : 松尾知真
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