子ども1人につき最大600万円が非課税に。2027年開始「こどもNISA」の基本と使い方
本記事では、基本的な仕組みから、すでに新NISAで貯めている方を含めた具体的な使い方まで解説します。
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士
保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)
「こどもNISA」とは、どういう制度?
こどもNISAは、現行NISAのつみたて投資枠の「こども版」と思っていただくと分かりやすいです。概要は、図表1のとおりです。
図表1
NISAと仕組みが違う点は、払い出し要件です。こどもNISAは12歳以降払い出しが可能ですが、払い出しには要件を満たす必要があります。その要件とは、子のための教育費・生活費の払い出しとして、子の同意を得たことを証明する書類を親権者が金融機関に提出することです。
教育費の目標額を確認しよう
こどもNISAを活用する前にまず確認したいのが、「いくら準備するか」という目標額です。目標をどこに置くかによって、金額は異なりますが、大学進学を考えるなら「17歳までに600万円」が理想です。内訳は、大学費用が約500万円、高校3年生時の受験にかかる費用が約100万円です。
こどもNISAの非課税保有限度額は600万円なので、教育費の目標額とぴったり一致します。年間投資限度額が60万円ですから、子どもが7歳以下であれば17歳までに600万円を準備できる計算です。
ただし、NISAはあくまでも投資であり、元本割れのリスクがあります。教育費のすべてをNISAで準備する必要はなく、学資保険や財形貯蓄などと組み合わせながら600万円を目指してもよいでしょう。
NISAで運用するのは、運用期間が10年以上確保できる場合に限り、他商品と組み合わせて600万円を準備する場合、NISAの割合は教育費全体の50%以上(300万円以上)を目安にしましょう。
こどもNISAの使い方 - 3つのケース
教育費の目標額が決まったら、次は「こどもNISAをどう使うか」です。現在の状況に応じて3つのケースで考えてみましょう。
ケース1:これから教育費を貯め始める人
これは、最もシンプルなケースです。2027年のこどもNISA開始と同時に、積み立てを始めます。
0歳から月5万円で積み立てを始めれば、10歳で非課税枠の上限600万円に到達しますし、17歳まで積み立てるなら毎月約3万円を積み立てればよいことになります。子どもが小さい時が貯め時ですし、複利の恩恵を受けられる期間が長くなるため、できるだけ早く始めることが大切です。
ケース2:すでに新NISAで教育費を貯めている人
親名義のNISAで教育費を積み立てている方は、こどもNISAをどう使うか迷うかもしれません。判断のポイントは、以下の2つです。
1. 教育費600万円が貯まるまでに新NISAが元本1800万円を超えない
このケースは、そのまま親のNISAで教育費の積み立てを継続して問題ありません。管理面では「教育費はこどもNISA」と分けたほうが把握しやすいのですが、こどもNISAより親のNISAのほうが使い勝手がよいため、そのまま新NISAで積み立てを継続しても問題ないでしょう。
2. 教育費600万円が貯まるまでに新NISAが1800万円を超えそう
このケースでは、こどもNISAを活用しましょう。ただし、こどもNISAは月5万円(年60万円)しか積み立てできません。仮に、教育費として新NISAで貯まっている分を売却してこどもNISAへ移すとしても、この月5万円の枠のなかでしか入金できない点が管理の難しいところです。
したがって、新NISAで教育費がどの程度積み立てられているかが、こどもNISAの活用ポイントといえます。
例えば新NISAに300万円積み立てられている場合、月5万円ペースで移そうとしても5年かかります。このような場合は、すでに貯めた300万円は新NISAのまま保有し、残り300万円をこどもNISAで積み立てる、といった使い分けが現実的です。
今からできることを始めよう
こどもNISAは、2027年の開始に向け、今後、制度の詳細が明らかになる見込みです。今から「いくら必要か」「現在の貯め方をどう組み合わせるか」を整理しておくこと安心です。子どもの年齢や現在の積み立て状況に合わせた最適な使い方を、この機会に考えてみてください。
執筆者 : 前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

