日経平均「6万円台」が常態化!「株高=好景気=円が強い」のイメージですが、引き続き“手取り19万円”で、コンビニおにぎりは「200円超」で買えません…株高でも生活は楽にならないのでしょうか?
一方で、給与は思ったほど伸びず、大手コンビニ各社のおにぎりは商品によっては200円を超えるなど、食料品の値上がりが続いています。なぜ株高でも家計は楽にならないのか、解説します。
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日経平均が「6万円台」で推移 そもそも日経平均株価とは?
2026年5月13日、日経平均株価は終値で6万3272円となり、終値で初めて6万3000円台に乗せ、史上最高値を更新しました。4月下旬に初めて終値で6万円台に到達してから、わずか2週間あまりで6万3000円台へと水準を切り上げています。
日経平均株価とは、日本経済新聞社が東京証券取引所プライム市場に上場する225銘柄の株価をもとに算出する株価指数です。日本を代表する企業の株価をまとめた指数のため、日本の株式市場全体を示す代表的な指標として広く使われています。
株価は、その企業が将来稼ぐと期待される利益を反映して動くといわれます。日経平均が上昇している局面は、世界の投資家が日本の主要企業の将来の収益拡大を見込んでいる状態だといえるでしょう。
「株高=好景気=円高」とは限らない
「株が上がるなら景気が良くなって円も強くなり、生活も楽になるはず」と感じる人もいるかもしれません。しかし、株価・景気・為替の動きは、必ずしも同じ方向に進むわけではないという点に注意が必要です。
日本を代表する企業の多くは、海外で売上を稼ぐ輸出企業です。例えば、1ドル150円から160円に円安が進めば、海外で得た100ドルの売上は円換算で1万5000円から1万6000円に増えます。
このように円安は、企業の業績の追い風となり、株価上昇につながりやすい構図です。実際、2026年5月時点で米ドル円相場は、おおむね157~158円台の円安水準で推移しており、株高と円高が同時に起きているわけではありません。
円安は輸入物価を押し上げ、家計には逆風になりやすい点も知っておきたいところです。
賃金と物価のデータから読み解く家計の現状
家計の状況を、公的な統計データから確認してみましょう。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年3月分結果速報」によると、現金給与総額(事業所規模5人以上)は一人平均31万7254円で、前年同月比2.7%増と51ヶ月連続でプラスとなっています。一方、物価の変動を考慮した実質賃金は前年同月比1.0%増と、ようやくプラス圏に浮上した段階です。
総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)3月分」では、総合指数の前年同月比は1.5%の上昇でした。生鮮食品を除く食料は前年同月比5.2%の上昇、特に米類は前年同月比6.8%の上昇となっており、家計の中の大きな割合を占める食料品の値上がりが続いています。
賃金は少しずつ増えても、物価の上昇分を差し引いた手取りの実感はあまり変わらないというのが、多くの家計の現状でしょう。
株高でも生活が楽にならない理由と、できる備え
株高でも生活が楽にならないと感じる背景には、もう1つの理由として「株式を保有しているかどうか」という違いが挙げられます。
NISA口座などで株式を保有している人は資産価値の上昇を実感しやすい一方、預貯金中心で資産形成している場合は、株高の恩恵が直接届きにくいといえるでしょう。
家計を守るには、収支の把握とあわせ、新NISAやiDeCoといった長期・積立・分散投資の制度を活用していくことが考えられます。短期の値動きで一喜一憂せず、コツコツ続ける姿勢が、株高ニュースを「自分ごと」に変える1つの手段になります。
まとめ
日経平均株価が6万円台で推移しても、賃金や物価のデータから見れば、家計の実感は急には上向きません。株高の背景にあるのは主にグローバル企業への業績期待で、これは家計の手取りとは別のものさしです。
ニュースの数字に一喜一憂するのではなく、自分の収支と資産形成の仕組みを少しずつ整えていくことが、株高の波を生かす現実的な選択肢になります。
出典
厚生労働省 毎月勤労統計調査 2026(令和8)年3月分結果速報
総務省 2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)3月分及び2025年度(令和7年度)平均
執筆者 : 金子賢司
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