不動産投資、あなたにピッタリなのはどの方法? 前編
配信日: 2019.11.12
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
不動産投資の魅力
アパート経営をしている人と話していると、「不動産投資には現物の良さがある」という意見を耳にします。「株式投資だと、その会社が破たんしたら資産がゼロになるリスクがあるけれど、不動産ならゼロにはならない。少なくとも土地は残る」というのです。
不動産投資の魅力はそのあたりにありそうです。そこで不動産投資をする方法として、代表的な3つを見てみます。
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(1)現物(賃貸用不動産)に投資
賃貸用不動産を所有する方法です。大家さんになって家賃収入を得ます。物件を担保に融資を受けて行うことで、手持ち資金が少なくても実行できることが特徴です。公的年金で不足する老後資金を準備する対策として、都心のワンルームマンションに投資する人も増えているようです。
ただし、今は低金利ですので追い風となっていますが、金利上昇のリスクを伴います。投資金額が大きいので、借入時に影響を考慮する必要があります。また、空室のリスクがあります。空室が続くと家賃を下げざるを得なくなり、収支が悪化する心配があります。物件選びを慎重にすることが重要です。
物件の管理に手間と費用がかかることも注意すべき点です。物件価格が上昇した場合は売却すれば利益を得ることができますが、もちろん逆の場合もあります。流動性が高くないので、売りたくなっても、売却に時間がかかることも気をつけたい点です。
(2)REITに投資
REIT(Real Estate Investment Trust)は不動産投資信託と呼ばれるもので、投資家から集めた資金を不動産で運用する投資信託です。投資法人は不動産から得た賃料や売却益を投資家に分配します。
投資家は、間接的に「不動産のオーナーになる」イメージです。対象となる不動産は住居やオフィスだけでなく、商業施設や物流施設、さらにはホテルやシニア施設と多彩です。
例えば、今後ますますネットショッピングなどが拡大しそうなので、物流施設に特化したリートを選ぶ。お気に入りのホテルに投資したいのでホテルのリートを選ぶ、といったことができます。単一の用途の不動産に投資する「特化型リート」だけでなく、複数の用途の不動産に投資する「複合型」や「総合型」もあります。
東証のJリート市場では、2019年9月26日現在、63社が上場しています。組み入れられている物件は開示されていますので、自分がどの物件に投資しているかを知ることができます。現物投資に比べて少額からの投資が可能で、物件の管理をする必要もありません。
多くの資金を集めて投資していますので、分散投資ができます。株式と同様に証券取引所で売買されていますので、流動性が高いというメリットがありますが、毎日値動きがあることや分配金が下がる可能性があることは留意点です。
金融商品として考えた時、Jリートの分配金利回りは3.64%(2019年8月末時点)ですので、株式に比べると、相対的に高い水準といえます。これは、収益の90%超を投資家に分配するなどの一定の条件を満たせば、実質的に法人税がかからないので分配金を多く出せる、というのが理由です。
また、REITに分散投資するREIT投信を利用する方法もあります。一般的な投資信託と同様に、国内型・海外型、インデックス型・アクティブ型、分配回数の多少などの条件で選ぶことができます。
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士