金利から利息を計算する方法は「計算式を用いて自分で計算」と「シミュレーションを用いて計算」の2通りあり、どちらの方法も知っておくことが大切です。
ここでは、カードローンの金利から利息を計算する方法や金利を引き下げる方法などについて、解説します。
執筆者:鴨志田 大輔
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、広告代理店に入社。
社会人生活をする中で、自分のお金の知識が高くない事を感じ、お金の知識をより持っている方が人生が豊かになると痛感。
人生をより幸せで豊かにする為にお金の知識を持ちたい気持ちが強くなり、ファイナンシャルプランナーの資格を取得
現在は、初心者の方が見て、分かりやすい記事を作成する事でお金の知識を発信することに注力している
目次
カードローンの金利について
カードローンを利用する際に大事なポイントとなるのが金利です。金利によって毎月の返済金額や総返済額が変わります。カードローンの商品説明でも出てくる「金利」「利息」「利子」は意味が異なり、金利は利息や利子を計算する割合のことで、利息は貸賃、利子は借り賃のようなものです。
まずはカードローンや金利計算への理解を深めるために「金利」「利息」「利子」の違いを把握しましょう。
金利・利息・利子の違い
金利・利息・利子は似た言葉ですが、それぞれの用語で意味が異なります。
「金利」は、利息・利子を計算する場合の割合です。「カードローン金利18.0%」「定期預金金利0.01%」「マイカーローン金利3.0%」などの表記は、一般的には1年間の利率を表しています。金利が高いと追加のお金は多く、金利が低いと追加のお金は少なくなります。
「利息」は、銀行の普通預金口座や定期預金口座にお金を預けた時に、一定利率で算出され利用者に支払われるお金で「貸賃」のようなものです。
「利子」は、お金を借りた時に元本に追加して支払うお金のことです。「借り賃」や「手数料」のようなものです。
金利 | 利息・利子を計算する割合 |
利息 | お金を貸した時に元本とは別に受け取るお金 |
利子 | お金を借りた時に元本とは別に支払うお金 |
ただし、上記はあくまでも一般論であり、決まっているわけではありません。金融機関やシチュエーションによって、利息と利子が同じ意味合いとして使われることもあります。
例えば、預金とは別に受け取れるお金のことを三菱UFJ銀行では「利息」ですが、ゆうちょ銀行は「利子」になります。なお、カードローンには金利とは別に「実質年率」があり、利息に諸経費を加えた実質上の金利のことを指します。
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カードローンの金利計算方法
「借入金額×実質年率×借入日数÷365日=利息額」の計算式を知っていれば、自分でカードローンの金利計算ができます。また、各カードローン会社のホームページでは、自動で金利計算ができる返済シミュレーションを利用できます
カードローンの具体的な返済計画を立てるうえで、計算式の把握や返済シミュレーションの利用は大切なことです。ここでは、金利計算方法や返済シミュレーションについて見ていきましょう。
金利から利息を計算しよう
カードローンの金利から利息を計算する方法は、次のとおりです。
・借入金額×実質年率×借入日数÷365日=利息額
※うるう年の場合は366日
例えば、借入金額が20万円で実質年率が18.0%、借入日数が100日の場合、利息額は以下のようになります。
・20万円×18.0%×100日÷365日=9863円
利息は9863円となり、元本と利息を合わせた総返済額は20万9863円です。もし、実質年率が17.0%、または借入日数が70日、借入金額が10万円の場合は、以下のようになります。
●20万円×17.0%×100日÷365日=9315円
実質年率が18.0%から17.0%に下がることで、利息が約550円少なくなります。
●20万円×18.0%×70日÷365日=6904円
借入日数が100日から70日に短くなれば、利息が約2900円少なくなります。
●10万円×18.0%×100日÷365日=4931円
借入金額が20万円から10万円に減れば、利息は半分になります。
このように、実質年率や借入日数、借入金額が変動すると利息額も変わります。
返済シミュレーションを使って計算
各カードローン会社のホームページで返済シミュレーションができるため、簡単に金利計算ができます。
例えば、アコムのホームページでは「借入ご希望金額」「借入利率(実質年率)」「ご返済回数」の3項目を入力すれば、毎月返済額が表示され、返済計画表も確認できます。
アコム「ご返済シミュレーション(借入返済)」
三井住友銀行の場合は「借入金額」「返済月数」「借入金利(年率)」をパラメーターで選択すれば、毎月返済額が表示され、返済計画表も確認可能です。「毎月返済額シミュレーション」の他に「返済期間シミュレーション」「返済総額シミュレーション」があります。
三井住友銀行「カードローン 返済シミュレーション」
楽天銀行の場合も「ご希望の利用限度額」「借入希望額」「ご返済日」を選択すれば、総支払額などの詳細が表示されます。
楽天銀行「カードローン返済シミュレーション」
各シミュレーションは、申し込みをしていない人でも利用できます。パソコン・スマホから手軽に金利計算ができますので、一度シミュレーションをしてみましょう。
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カードローンの金利相場
カードローンの金利相場は、利用する会社が銀行系か消費者金融系かで違います。
以下は、それぞれの金利相場です。
銀行系カードローン | 年4.5%~18.0% |
消費者金融系カードローン | 年15.0%~18.0% |
「消費者金融=金利が高い」といったイメージを持っている人も多いかもしれませんが、消費者金融のカードローンは利息制限法によって上限金利が年20.0%と定められています。どんなに高くても年20.0%の金利ですが、ほとんどの消費者金融系カードローンは上限金利を18.0%に設定しているため、銀行系カードローンの上限金利と大きな差はありません。
各カードローンの金利を比較する際は、下限金利ではなく上限金利を比べることが大切です。基本的に、初めて利用する人や借入金額が少ない人は上限金利が適用されるからです。
銀行系カードローンと消費者金融系カードローンで、金利相場が違うことを理解しておきましょう。
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金利を下げる方法
カードローンの金利を下げたい場合は、利用限度額を上げましょう。利用限度額が増えるほど金利は低く設定されているからです。
また、今利用しているカードローンより金利が低いカードローンへの借り換え、おまとめローンや無利息サービスを活用する方法でも金利が下がる可能性があります。金利が下がれば利息が減るため、毎月返済額が少なくなります。
ここでは、カードローンの金利を下げる方法について見ていきましょう。
利用限度額を上げる
カードローンの金利を下げる方法の1つが、利用限度額を上げることです。一般的にカードローンは、利用限度額が増えるほど金利が下がるようになっています。利息制限法によって、以下のように借入金額に応じた上限金利が設定されているためです。
借入金額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 20.0% |
10万円~100万円未満 | 18.0% |
100万円以上 | 15.0% |
また、利用限度額や借入金額が大きい人は、返済能力があり信用力が高いためです。
例えば、楽天銀行カードローンは、利用限度額に応じて以下の金利が設定されています。
利用限度額 | 借入利率 |
---|---|
100万円未満 | 年14.5% |
100万円~200万円未満 | 年6.6%~14.5% |
200万円~300万円未満 | 年3.9%~14.5% |
300万円~350万円未満 | 年2.9%~12.5% |
350万円~500万円未満 | 年2.9%~8.9% |
500万円~600万円未満 | 年2.5%~7.8% |
600万円~800万円未満 | 年2.0%~7.8% |
800万円 | 年1.9%~4.5% |
みずほ銀行カードローンでも同様で、利用限度額が増えるほど、以下のように金利が下がります。
利用限度額 | 基準金利 |
---|---|
10万円~100万円未満 | 14.0% |
100万円~200万円未満 | 12.0% |
200万円~300万円未満 | 9.0% |
300万円~400万円未満 | 7.0% |
400万円~500万円未満 | 6.0% |
500万円~600万円未満 | 5.0% |
600万円~800万円未満 | 4.5% |
800万円 | 2.0% |
このように、利用限度額を上げることでカードローン金利を下げられます。
ただし、利用限度額を上げるには、増額審査をクリアする必要があります。カードローン会社によって増額申請方法が異なりますので、早めに確認しておきましょう。申請準備や審査に時間がかかる場合があるからです。
もし、増額審査に落ちてしまった場合は、別の方法で金利を下げることを検討してください。増額審査に落ちても、現在利用しているカードローンには影響ありません。
低金利のカードローンに借り換え
現在利用しているカードローンよりも、金利が低いカードローンに借り換えをする方法もあります。金利が低いカードローンに借り換えをすれば、利息が減るため、毎月返済額はこれまでより少なくて済みます。
カードローンの借り換えは、新しく契約したカードローンでお金を借りて、現在利用しているカードローンを完済する仕組みです。
たとえば、借入金額50万円で借入日数365日、金利が年18.0%の場合、毎月返済額は4万5839円で、総返済額は約55万円です。もし、金利が15.0%のカードローンに借り換えできれば、毎月返済額は4万5129円で総返済額は約54万円となります。
事前に借り換えした場合のシミュレーションをすることを、忘れないないようにしてください。このように、カードローンの借り換えによって金利を下げることが可能です。
おまとめローンを利用
複数のカードローンを利用している場合は、おまとめローンの利用を検討しましょう。おまとめローンで借りたお金で複数の借り入れを返済します。借り入れが一本化できるため、管理が楽です。
また、これまで複数社から借りていたお金を1社からまとめて借りるため、借入金額が増え、金利が低くなる可能性があります。金利が1%~2%でも低くなれば、支払う利息を軽減できます。
例えば、アイフルのおまとめローン「おまとめMAX」は24時間申し込みができ、銀行ローンやクレジットカードのリボ払いも対象で、契約までWEB上で完結可能です。審査をクリアする必要はありますが、おまとめローンを活用すれば金利が下がる可能性があります。
無利息サービスを利用
1~2ヶ月以内など、短期間での利用を考えている場合は無利息サービスを利用するのも一つの手段です。
無利息サービスとは、アコムやアイフル、プロミスなど大手消費者金融が初めて利用する人を対象に行っているサービスで、一定期間金利0円で利用できるのが特徴です。詳しくはプロミス公式サイトをご確認ください。
※アコムの金利0円サービスの対象者は「アコムでのご契約がはじめての方」です。
以下は、大手消費者金融が実施している無利息サービスの適用期間になります。
アイフル | 最大30日間 |
アコム | 最大30日間 |
プロミス | 最大30日間 |
上記無利息期間中に返済をすれば、利息が1円もかからず元本のみで済むため大変お得です。金利を下げたい場合は、無利息サービスを検討しましょう。
ただし、それぞれの無利息サービスで適用条件が異なるため、事前に確認するようにしてください。
金利0円(無利息)のカードローンの仕組み
大手消費者金融などが提供する無利息サービスは、期間が設けられています。ほとんどの場合が最大30日間で、期間内に完済をすれば利息はかかりません。
※アコムの金利0円サービスの対象者は「アコムでのご契約がはじめての方」です。
そのため、期間内に完済できなさそうな借り入れや返済が遅れた場合には、期間後に利息が発生します。無利息サービスを利用する際は、利息がかかりそうか事前にシミュレーションをするようにしましょう。無利息サービスがあるカードローンを考えている場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
利息を安くする返済方法
利息を安くしたいのであれば、毎月返済額とは別に随時返済を行いましょう。返済額が元金に充当されるため利息軽減効果があります。低金利のカードローンへの借り換えやおまとめローンを利用するなどして金利を引き下げれば、利息も減らせます。
また、しっかりとした返済計画を立てれば、家計に余裕が生まれ、毎月の返済額を多く設定して利息を減らすことも可能です。
ここでは、利息を安くする返済方法について見ていきましょう。
約定返済額だけでなく随時返済を利用
利息を少しでも安く済ませたい場合は、毎月の約定返済額だけでなく随時返済を積極的に行いましょう。随時返済とは、毎月返済額とは別に返済をするもので「繰り上げ返済」とも呼ばれます。
随時返済は、毎月の期日に関係なくいつでも返済できるだけでなく、返済金額のすべてが元金返済に充てられるのが特徴です。元金に充当されることで、その分の利息も減らせます。そのため、毎月の約定返済のみと比べると、随時返済をしたほうが効率よく総支払額を減らすことが可能です。
ほとんどのカードローンで随時返済ができ、返済方法も「ATM」「窓口」「インターネット」「振込み」など豊富です。手数料も無料であることが多いため、余計なコストはかかりません。
カードローン会社によっては1円単位で随時返済ができます。
利息をできるだけ減らしたい場合は、積極的に随時返済を行うようにしてください。ただし、随時返済にお金を使いすぎて手元資金が枯渇しては意味がありませんので、計画的に進めることが大切です。
金利をできるだけ引き下げる
金利の引き下げができれば、利息を安くできます。金利や借入金額、借入日数によって利息が決まるからです。借入金額と借入日数が同じであれば、金利が上がると利息は増え、金利が下がると利息は減ります。
金利をできるだけ引き下げるには、次の方法があります。
・利用限度額を上げる
・低金利のカードローンに借り換える
・おまとめローンを利用する
・無利息サービスを利用する
利用限度額が上がると金利は低くなる傾向にあるため、増額申請やおまとめローンによって金利の引き下げが可能です。
また、各カードローン会社で金利が異なるため、元々金利が低いカードローンに乗り換えるのも1つの方法です。アコムやアイフルなど大手消費者金融の無利息サービスであれば、利息0円で利用できます。
このような方法で金利をできるだけ引き下げれば、利息を安く抑え、毎月返済額を少なくできます。
返済計画をしっかり立てる
利息を安く抑えたいのであれば、返済計画をしっかり立てましょう。現実的で具体的な返済計画を立てていれば、借入期間を短くして利息を少なくしたり、積極的な随時返済で効率よく返済を進めたりできるからです。
返済計画を立てる際は、収入と支出を明確にしてください。収支を明確に把握できていないと、よい返済計画を立てることはできません。特に支出面については、把握するとともに見直しましょう。
・携帯を格安スマホ・SIMへ変更する
・電気やガス会社を変更する
・不要な月額サービスを解約する
・コンビニを使わずスーパーにする
・外食回数を減らす
・職場には弁当を持っていく
費用の見直しや節約をして家計を改善させることで、返済に余裕が持てるようになります。1ヶ月に1000~2000円でも節約できれば、年間1万2000円~2万4000円も余剰資金が生まれ、随時返済に充てることも可能です。
カードローンを利用する前に、しっかりとした返済計画を立てるようにしてください。
カードローンの金利を計算して計画的に返済しよう
カードローンの金利から利息を計算したい場合は「借入金額×実質年率×借入日数÷365日=利息額」の計算式を用いるか、各カードローン会社のホームページでシミュレーションを用いることです。
ここで紹介した金利を引き下げる方法や利息を安くする方法も参考にして、早速具体的な返済計画を立てましょう。利用するカードローンが決まっていない人は、以下のカードローン比較情報も参考にしてみてください。
参考記事:カードローン徹底比較
執筆者:鴨志田 大輔
ファイナンシャルプランナー
※商号:アイフル株式会社
※登録番号:近畿財務局長(14)第00218号
※貸付利率:3.0%~18.0%(実質年率)
※遅延損害金:20.0%(実質年率)
※契約限度額または貸付金額:800万円以内(要審査)
※返済方式:借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式
※返済期間・回数:借入直後最長14年6ヶ月(1~151回)
※担保・連帯保証人:不要
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