クレジットカードで買い物したら「暗証番号」の入力を求められてビックリ！ 今までは「レシートにサイン」してたけど、サイン記入は廃止されたって本当？ 理由と注意点を解説

買い物や公共料金の決済利用などのため、クレジットカードを利用する人も多いことでしょう。2025年3月末で、クレジットカード利用時のサイン記入が廃止され、原則として暗証番号の入力が必要になりました。
 
本記事で、生活にどんな影響があるか説明します。

クレジットカード利用者と不正利用被害率はどのくらい？

まず、日本国内でクレジットカードを利用している人はどのくらいいるのでしょうか？
 
経済産業省が2024年に公表した調査によると、2023年の日本でのキャッシュレス決済は126兆7000億円で、そのうち83.5％がクレジットカード決済で約105兆7000億円、デビットカードは2.9％で約3兆7000億円でした。
 
これを民間最終消費支出322兆4000億円に占めるカード利用率で見ると、クレジットカードが32.8％、デビットカードが1.1％になります。
 
2017年のクレジットカード決済は58兆4000億円で民間最終消費支出303兆3000億円に占める利用率は19.2％、デビットカードは約1兆1000億円で0.3％だったことと比べると、決済金額、利用率ともに大きく伸びています。
 
カード決済の利用が伸びることに伴って、不正利用による被害額も大幅に増えています。2014年での被害額が約100億円で、2023年には約541億円に増加しています。
 
2000年ごろは偽造クレジットカードによる被害が増加し、偽造対策のためカードにICチップが搭載されてからは、偽造カード被害は減少しました。
 
しかし、2014年ごろからカード番号の盗用による被害が増えて、2023年でのカード番号盗用率は被害額全体の90％を超えるほどになっています。
 

カード決済で暗証番号の入力が必要になるのはなぜ？

ICチップがついたクレジットカードで買い物をした際は、1万円など一定金額以上の利用時には、レシート類にサイン署名またはカード読み取り端末に暗証番号を入力することで決済が可能でしたが、2025年3月末からはサイン署名が廃止され、原則として暗証番号の入力が必要になります。
 
理由は、「カードの不正利用を防ぐ」ためです。2024年にクレジットカード関連業界団体による「クレジットカード・セキュリティガイドライン」が改訂され、本人確認方法として暗証番号の入力が必須になりました。
 
近年新しく発行されるクレジットカードには、表面にカード番号と名前の印字が無く、裏面の署名欄も無くなり、よりシンプルなデザインの物が多くなっています。これらも、カード番号と名前などを盗まれて不正利用されることを防ぐためです。
 
インターネットでの通信販売などでクレジットカード決済を取り扱うところでは、最新のセキュリティ対策である「3Dセキュア」が導入されつつあります。
 

注意しておくべきことは？

注意しておくべきことで最も重要なのは、「暗証番号を忘れないこと」です。日本クレジットカード協会の2022年度「ICクレジットカードに関する消費者意識調査」では、暗証番号を「しっかり覚えている」人は約68％、「何となく覚えている」人は約20％でした。
 
クレジットカードのタッチ決済では、2025年3月以降も1万円や1万5000円以上の利用では、タッチ決済ではなくカードを端末に差し込んで暗証番号を入力することが必要になります（タッチ決済で暗証番号入力が不要な上限金額は、カード会社によって異なります）。
 
カードを複数枚持っていたり、しばらく使っていなかったカードを利用したりするときは、暗証番号を思い出せない可能性があるので、カードを必要な枚数に絞ることも有効になります。
 
暗証番号を忘れてしまった場合は、カード会社に連絡して手続きを行いましょう。
 

まとめ

クレジットカードは、買い物や公共料金の決済利用などで生活に欠かせない存在となっています。2025年3月末で、クレジットカード利用時のサイン記入が廃止され、原則として暗証番号の入力が必要になります。
 
カード暗証番号を他人に知られないように注意する、不正利用されていないかカード利用明細をよく確認するなどに努めることが望ましいでしょう。
 

出典

経済産業省 2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました
経済産業省 ご注意！ クレジットカードの不正利用被害が急増しています
経済産業省 「クレジットカード・セキュリティガイドライン」が改訂されました
日本クレジットカード協会 ＩＣクレジットカードの正しいお取扱いについて
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー