クレジットカードのキャッシング機能を「1万円」使いました。すぐに返したのですが「借り入れ」の記録は残りますか？

クレジットカードに付帯する「キャッシング機能」。手元に現金がないときに頼りになる便利な機能ですが、少額でも利用すると「借り入れの記録が残るのでは？」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
 
特に、住宅ローンやマイカーローンの審査を控えている方にとっては、信用情報への影響が気になるところです。
 
本記事では、キャッシングを1万円だけ利用してすぐに返済した場合でも、信用情報に記録が残るのか、そしてその記録が今後の審査にどう影響するのかについて解説していきます。

キャッシングって何？ 利用の仕組みと基本を解説

クレジットカードのキャッシング機能とは、カードを使ってATMなどから現金を借りることができるサービスです。借りた金額には利息がつき、後日返済する仕組みです。
 
多くの場合、利用限度額のなかに「ショッピング枠」と「キャッシング枠」が設定されており、キャッシング枠が設定されていれば誰でも使えるようになっています。
 
例えば、ショッピング枠が50万円、キャッシング枠が10万円というカードの場合、最大で10万円まで現金を借りることが可能です。借りたお金は一括またはリボ払いなどで返済しますが、返済期日までに返すことで、遅延などのトラブルを防ぐことができます。
 

少額・短期でも信用情報に記録されるの？

結論からいうと、金額の多寡や返済までのスピードに関係なく、キャッシングを利用した事実は信用情報に記録されます。
 
信用情報とは、個人のお金のやりとり（ローン、カード、携帯分割払いなど）に関する履歴を記録したもので、信用情報機関（CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター）が管理しています。カード会社や金融機関はこの情報をもとに、申込者の信用力を判断します。
 
キャッシングを利用すると、「借り入れをした日付」「金額」「返済状況」などが登録されます。今回のように1万円という少額でも、記録は速やかに信用情報へ反映されます。
 
ただし、これはネガティブな情報ではありません。延滞や返済不能などのトラブルが発生しないかぎり、キャッシングの利用履歴があること自体がマイナス評価になることは基本的にありません。
 

キャッシング履歴が審査に与える影響とは？

では、キャッシングの記録があると、住宅ローンや自動車ローンの審査に影響するのでしょうか？
 
実際には、短期かつ一度きりの少額利用であれば、審査に大きな影響を与えることはほとんどありません。一方で、頻繁にキャッシングを利用していたり、残高が長期間あったりすると、「資金繰りに余裕がないのでは？」と見られる可能性があります。
 
また、複数のクレジットカードや消費者金融から同時に借り入れがある場合、債務過多と判断され、ローンの審査で不利になることがあります。
 
したがって、キャッシング自体が悪いというよりも、その使い方や返し方が信用に影響すると考えるのが正確です。必要なときに一時的に利用し、すぐに返済しているのであれば、むしろ「計画的な利用」と評価されるケースもあります。
 

記録はいつ消える？ 将来のためにできること

キャッシングの利用履歴は、完済してもすぐに消えるわけではありません。信用情報機関に記録される情報は、完済後も約5年間は保管されるのが一般的です。この期間中に別のローンに申し込んだ場合、過去の履歴として確認される可能性があります。
 
ただし、記録があること自体よりも、その内容は健全かどうかが重要視されます。「毎月の返済をきちんとしている」「延滞がない」などの実績はむしろプラスに働くこともあります。
 
信用情報を守るためには、以下の点を意識するとよいでしょう。

・必要以上にキャッシングを利用しない
・リボ払いは避け、できるだけ一括で返す
・支払期日を必ず守る
・多重債務（複数の借り入れ）を避ける

 

不安な人は確認しよう！ 信用情報は自分でチェックできる

「本当に記録が残っているのか不安」「自分の信用情報がどうなっているか知りたい」という方は、信用情報機関に開示請求をすることで、自分の情報を確認することが可能です。
 
例えば、CIC（株式会社シー・アイ・シー）では、スマートフォンやパソコンからオンラインで信用情報を確認できます。手数料は1回500円で、登録情報の詳細（キャッシング履歴、返済状況、申し込み情報など）を確認できます。
 
ローン申し込みの前に、一度自分の信用情報をチェックしておくと安心感も増しますし、もし誤った情報が記載されていた場合でも、修正を依頼することができます。
 

信用情報を正しく理解して、安心してキャッシングを活用しよう

少額のキャッシングでも、その履歴はしっかりと信用情報に記録されます。しかし、記録されることがすぐに信用力の低下につながるわけではなく、むしろ使い方によっては信頼を高める材料にもなります。
 
今後、住宅ローンや教育ローンなど大きな融資を受ける予定がある方は、普段からキャッシングを計画的に利用し、返済期日を守ることで、良好な信用履歴を築いていくことが大切です。
 
信用情報は、あなたの信用力を示す大切な記録で、将来の選択肢を広げる助けになります。もし不安を感じたら、まずは一度、自分の信用情報を確認してみましょう。
 

出典

株式会社シー・アイ・シー（CIC） 情報開示とは
株式会社日本信用情報機構（JICC） 開示を申し込む
一般社団法人 全国銀行協会 本人開示の手続き
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー