「クレカは1枚しか持っていない」が逆に損？ 2枚持ちで得られる「保険・ポイント・利便性」とは

ある日、コンビニのレジで「カードが使えません」と言われたとしましょう。財布にはその1枚だけ。結局、昼食も買えずに慌ててATMで現金を引き出し、何とか切り抜けた――そんな経験、ありませんか？
 
「クレカは1枚あれば十分」と思いがちですが、実は2枚持つだけで日常の困りごとを防げるだけでなく、得られるメリットもぐっと広がります。保険の補償が重複して手厚くなったり、支払い先ごとにポイント還元率を最適化できたり、スマホの画面割れまで補償されるカードも登場しています。
 
この記事では「保険」「ポイント」「利便性」の3つの視点から、なぜ2枚目が家計と生活の頼れる味方になるのかを分かりやすく解説します。

平均は「約3枚」。実は日本人は複数枚が主流

一般社団法人日本クレジット協会の調査によると、日本のクレジットカード発行枚数は2024年3月末時点で約3億枚です。これを20歳以上の日本人の人口で割ると、一人あたり平均約3枚持っている計算になります。
 
この結果からみると、実は「クレカ保有は1枚だけ」というのは少数派です。キャッシュレス化の加速で、ポイントや保険サービスを使い分ける需要が広がっているのかもしれません。
 

補償合算で安心度アップ。スマホの画面割れを補償するカードも？

クレカ2枚持ちの利点の一つ目は、保険の上乗せ効果です。海外旅行傷害保険には「自動付帯」と「利用付帯」があり、治療費用など一部の補償は複数カードで合算できることがあります。1枚のカードだけでは補償金額が足りない場合に、もう1枚のカードの補償額を合算できるのです。
 
これ以外にもメリットはあります。例えばJCBオリジナルシリーズは年会費無料でスマホの画面割れを年間最大5万円まで補償してくれます。会員本人のスマホであること、通信料支払いに同カードを指定していることなど条件はありますが、万一の修理代を自己負担なくカバーできるのは家計の強い味方です。
 

カード利用時の還元率を最適化しポイント収益を伸ばす

クレカを利用する場合、利用に伴い付帯されるポイントも家計にとって重要です。例えば、楽天カードは楽天市場などを通じた買い物ではキャンペーン併用でポイント還元率が高まります。一方、dカードは電気・ガスといった公共料金の支払いで1％以上還元などの特徴があります。
 
クレカを2枚持ちにすることで、例えば買い物はAカード、固定費はBカードのように、用途に応じてカードを上手に使い分けでき、ポイントを効率よく獲得できます。
 

「使えない」を防ぐ。2枚目がクレカ利用の利便性を支える

買い物の決済時に磁気不良や不正検知によりカードが急に止まる。そんな不便な経験がある人は少なくありません。そんなとき、2枚目のカードを財布に入れておけば、決済が止まるリスクを回避できます。
 
加えてそれぞれ違うブランドのカード（Mastercard＋JCBなど）を持てば、利用できるブランドが限定されている加盟店網の偏りに対応しやすく、決済時のトラブル発生時の「詰み」を防げます。例えばコストコはMastercardのみに対応しています。
 

おトクと管理コストの境界線には注意

クレカの複数枚持ちにはデメリットもあります。保有するカードが増えるほど明細確認や支払い口座の残高管理に手間がかかります。対策として、引き落とし日を月内でそろえる、アプリで即時通知をオンにするなど使いすぎへの対策を施しましょう。
 
また、カード付帯の保険の補償は実損分を補償するものが多いため、合算請求できても、支払われる金額には上限があります。補償内容と条件を公式サイトで確認し、自分の生活スタイルに合った2枚を厳選することが大切です。
 

クレカ2枚持ちはコスパのいい備え

クレカを2枚に増やすことで、保険・ポイント・利便性という3本柱のもと、暮らしの安心度とおトク度がぐっと高まります。年会費を払わなくても、年会費無料のカードを選ぶだけでスマホ修理補償やポイント還元の効率化が狙えるのは、大きなメリットです。
 
「たった1枚」ではカバーしきれなかった落とし穴に、2枚持ちなら備えることができます。もちろん、管理の手間や使いすぎへの注意も必要ですが、それを上回るリターンがあるのが2枚持ちの魅力です。
 
今のカードに足りない機能を1枚追加するだけで、生活の質がぐっと上がるかもしれません。損をしないために、今こそ自分に合った2枚目を見つけてみてはいかがでしょうか。
 

出典

一般社団法人日本クレジット協会 クレジット関連統計
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー