医師から別業界へ転職すべき? 臨床医以外の職種やメリット・デメリットを解説|ファイナンシャルフィールド

医師から別業界へ転職すべき? 臨床医以外の職種やメリット・デメリットを解説

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病院やクリニックの臨床医として働いている方の中には、他の業界や業種への転職を検討している人もいるのではないでしょうか? 別業界で働くのであれば、臨床医としての知識や技術を活かせる職種に就きたいですよね。

そこで、医師から別業界へ転職が可能な業種や、他の業界へ転職するメリット・デメリットについて解説します。別業界の転職に興味がある人はぜひ参考にしてみてください。

医師が別業界で働きたい・転職したいと思う理由

他の業界で働いてみたいと考える医師もいるかと思います。医師が別業界を検討する理由には以下のものがあります。

激務による疲労

医師は労働時間が長い職業です。

労働基準法では、法的な労働時間は週40時間になります。しかし、厚生労働省の「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」では、以下のことが明らかになっています。

●20代~40代の男性常勤医の労働時間の平均は週50~60時間
●20代の女性常勤医の労働時間の平均は週50~60時間



上記を見ると、常勤医の年代や性別によって差があるものの、医師の週当たりの時間外労働は、1ヶ月に40~80時間になることが分かります。厚生労働省によれば、過労死ラインは1ヶ月で100時間、2~6ヶ月で月平均およそ80時間としています。

医師の過労死が注目されているように、医師の働き方によっては、数ヶ月以上にわたって、労働時間が月80時間を超える可能性もあるでしょう。過剰な労働時間は過労死までに至らなくても、十分な休息や睡眠時間が取りにくくなるため、心身の健康を崩す結果を招きやすくなります。

精神的なプレッシャーが強い

医師の仕事は人の命を取り扱うため、常にプレッシャーと隣り合わせです。プレッシャーを感じる原因は診療科によっても異なります。

例えば、外科医では長時間に及ぶ手術の手技にプレッシャーを感じるでしょうし、救急医では限られた時間の中でより多くの患者を診るプレッシャーがあります。

また、産婦人科では病気の患者だけではなく、妊婦の出産を扱うこともあります。周産期医療の発展により、新生児が亡くなる割合は非常に低くなっていますが、子供に少しでも異変があると、親御さんからクレームが来る例も多くあります。

小児科医は、十分にコミュニケーションを取れないような小さい子どもを適切に診療しなければなりません。また親御さんへの対応も必要になるため、診療以外のプレッシャーを感じる可能性があります。

このような医師のプレッシャーから逃れるために、転職を意識する医師もいます。

訴訟リスクと隣り合わせ

日本でも医療事故が注目されるようになり、「訴訟に発展するケース」が増えています。医療訴訟の中には、医療過誤や医療事故のように医師など医療職側のミスによるものもあります。

一方で、大きな発展が見られている現代医療ですが、すべての患者の病気を治せるわけではありません。医師が最善を尽くしても、治療の結果によっては訴訟を起こされてしまうこともあるでしょう。

医師と患者の考えの違いによる医療訴訟の背景には、コミュニケーション不足が背景としてあります。医療訴訟により医師の立場が不安定になったり、モチベーションが低下したりするため、医師から転職を考える方もいます。

医師から別業界への転職は可能?

医師から他の業界への転職に対して不安に思っている人もいるかもしれません。職業選択に自由があるため、医師免許を持っていても、医師以外の職種に就くことができます。

医師免許を取得するには、大変な努力が必要です。その努力の経験があれば、難関資格といわれる弁護士や公認会計士などを目指すこともできるでしょう。あるいは別の全く違う分野の業種に転職することもできます。

ただ、難関の医学部を入学し、6年間の就学をしたのであれば、これまでの知識やスキルを活かせた方が良いでしょう。特に、医師は別業界に転職すると、収入が減ったり、キャリアダウンになる可能性があります。

医学とは全く関係のない分野へ転職するよりも、医師としての経験が活かせる業種に転職した方が、今までのキャリアが無駄になりません。医師からの転職を成功させるには、業界や業種をしっかり見極める必要があります。

現在のキャリアや培った知識を活かしながら転職したい方は、ここから紹介する内容をぜひ参考にしてみてください。

病院(臨床医)以外で医師から転職可能な仕事

病院やクリニックの臨床医以外にも、医師から転職することができます。ここでは、医師が医療機関以外で転職できる業種についてみていきましょう。

介護老人保健施設の常駐医

「介護老人保健施設」は、「常駐医」を配置することが義務付けられています。介護老人保健施設の常駐医は施設長を兼務していることが多く、施設を統括する立場も求められます。

常駐委の仕事内容は、「入居者の健康状態を把握する」ことと、「看護師や理学療法士などの医療スタッフに適切に指示する」ことです。介護老人保健施設に入居している多くの高齢者は、高血圧や糖尿病などの慢性疾患を抱えていますが、病院のような急変対応が少ないのも特徴です。

介護老人保健施設の常駐医の給与は、病院の医師よりも低めですが、ゆったりした気持ちで働けるでしょう。施設の常駐医には、50歳過ぎのベテラン医師も多いため、セカンドキャリアとして働くのもおすすめです。

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公衆衛生医師

「公衆衛生医師」は、都道府県の保健所や自治体で地域住民の健康の維持や向上のための仕組みを考える医師です。病院やクリニックの医師が、1対1で患者さんを診療するのに対して、公衆衛生医師は地域全体の人々の健康に働きかけます。

医師の中には、患者さんが医療機関に受診する前の段階にアプローチしたいと考える方もいるでしょう。公衆衛生医師は、保健所であれば感染症対策・母子保健・精神保健などの対策を行い、自治体ではがんや生活習慣病の予防に対する取り組みをします。

一人ひとりの患者さんを診察することはあまりありませんが、疾病予防や対策のシステムに関わる仕事なので、大変やりがいのある仕事です。

また、公衆衛生師は都道府県や市の職員になるため、勤務日や勤務時間も規則的です。新型コロナウイルスのように緊急時以外は、ライフワークバランスを取りやすいといえるでしょう。

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健診医

「健診医」とは、「健診や人間ドックなど検査を行い、病気の早期発見をする医師」です。臨床医と異なるのは、健診や人間ドックでは健康な人を診る機会もあることです。

健診医として働くメリットは、勤務日や勤務時間が規則的であることです。通常、健診や人間ドックは平日のみ行います。病院やクリニックの常勤医のように、宿日直やオンコールがないので、仕事とプライベートをしっかり分けたい人におすすめです。

一方、健診医は規則的であるがゆえに、常勤医として働いていたときよりも、仕事時間が少なくなり、収入が低くなる可能性があるでしょう。

また、健診や人間ドックでも検査結果から病気を発見するためのスキルが必要になります。ただ、ほぼ毎日ルーティンのような仕事になるので、医師としてのスキルを高められないデメリットがあります。

矯正医官

「矯正医官」は、「刑務所や少年院など矯正施設内の診療所に勤務する医師」で、法務省の所属になります。矯正施設内の診療所では、収容者の健康診断や病気の治療を行います。

矯正医官は収容者に適切な医療を提供するために、病院への搬送などの判断が必要になります。また、犯罪を犯した収容者は、家族背景が複雑なケースも多くあります。そのため、医師として診療するだけでなく、心のケアにも配慮する必要があるでしょう。

矯正医官の年収は1400万円ほどで、待遇が良いといえるでしょう。仕事も規則的なので、臨床医に近い仕事をしたい医師で、別の業界に挑戦してみたい人に適しています。

上記で紹介した職業は、あくまで一部です。医師から別の業界に転職する道は多くありますので、自身のロードマップに合わせた転職のために、興味のある業界についてよく調べてみましょう。

産業医

「産業医」は、「一般企業に配属される医師」で、社員が健康で適切な環境で働けるように専門的なアドバイスをする役割があります。産業医の配置は、常時50人以上の労働者がいる企業に義務付けられています。

近年は、ブラック企業など労働者の雇用環境が注目されています。働き方改革が進む中、社員でありながら独立した立場を持つ産業医は、企業にとってなくてはならない存在です。

産業医の勤務は企業の労働時間と同じになり、平日勤務が多くなります。宿日直やオンコール待機がない分、病院で働いているときよりも収入が低くなる可能性があります。

ただ、時間外手当を除いた基本的な給与は、勤務医と同じ程度になります。休日がしっかり取れるので、家庭持ちの医師やライフワークバランスを重視したい医師に向いているでしょう。

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保険会社の社医

「保険会社の社医」とは生命保険会社に従事する医師のことで、主に保険加入の際の健康チェックや診査を行います。一般に、生命保険を申し込み後には、顧客の健康チェックが必要になります。

また、保険会社の社員には医学知識がない人も多いので、社員の育成をサポートすることもあります。さらに、保険会社によっては、社医が自社の産業医の役割を果たすこともあります。

保険会社の社医は保険の査定も行うため、幅広い医療知識が必要になります。一方で、保険の申し込み者に対して診察や血圧測定などをしますが、医療的な処置はほとんど行いません。

そのため、総合診療の得意な医師や臨床のブランクがあり医療手技に自信のない医師が向いているでしょう。保険会社の社医は社員と同じ扱いになるため、平日勤務が基本になります。

勤務日によっては残業が発生することもありますが、比較的規則正しく仕事ができるでしょう。給与については、年収1000万円を超えることも多いので、収入レベルを維持しながら会社員のような生活にあこがれている医師に適しています。

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製薬会社のメディカルドクター

「メディカルドクター(MD)」は製薬会社に勤務する医師です。主な仕事内容は、「新薬の開発や市販薬の安全性の評価」を行います。新薬の開発や市販薬の安全性を調べるには、深い臨床の知識が必要です。

メディカルドクターは、薬剤師のチームを取りまとめながら業務を行う必要があるでしょう。また、メディカルドクターは薬の効果や副作用を検証するうえで、海外の論文を読む機会も多くあります。

ときには、製薬会社の社員として病院で説明を行ったりもします。メディカルドクターの業務には、語学力や医師同士の太い人脈が役立つので、外向的な医師が向いているでしょう。

基本的な勤務時間は平日になるため、仕事とプライベートのバランスを取りやすいのも特徴です。給与も1200万円を超えることが多いので、高収入の仕事を探している医師にもおすすめです。

医系技官

「医系技官」は国の保健医療のシステムを考える仕事で、勤務先は厚生労働省になります。医系技官は、医師としての専門性と行政スキルが必要になります。現場の視察から審議会での議論、政策の立案など、国民の健康課題の解決に努めます。

医系技官は国家公務員になるため、安定した身分が保証されているでしょう。お役所の仕事なので、定時勤務のイメージがありますが、仕事量が膨大であるため残業も多くなります。

医師の仕事とは異なる忙しさがありますが、給与は低くなることがほとんどです。ただ、医師とはまた違ったやりがいがあるので、日本の保険医療の政策づくりに興味がある人に向いています。

医師から別業界・業種へ転職するメリット

病院やクリニックの医師から、別業界や業種へ転職を検討している医師の中には、不安を感じている方もいるかもしれません。しかし、病院やクリニックの医師が他業界へ転職するメリットはあります。

視野が広くなる

病院やクリニック以外の業界で働くと、新たな視点を得ることができます。医師として毎日診療に従事すれば、専門的な知識や技術を深められるかもしれませんが、一方で、医師の中には他分野の診療になると今ひとつ診察や技術に自信を持てない人も多くいます。

特に、医療機関の医師の中には、「自分の仕事はこれしかない」と感じる方も多くいます。医師は高収入なので、激務であっても何となく続けてしまう人もいるでしょう。

医師免許や医師の経験やスキルが活かせる場所は臨床医以外にも多くあります。それぞれの職種には違った面白味があるので、視野を広げて検討してみると良いでしょう。

自由度を大切にしながら働ける

大学病院には医局、クリニックには院長というように、医療機関はフラットな組織ではありません。各施設には経営や診療方針に関して権力を持つ人がおり、いち医師の意見が通りにくい傾向があります。

医療機関の中にはまだまだ閉鎖的なところが多いので、自由度やユニークさを重視する医師にとっては働きづらい面があります。病院やクリニックでは居場所がないと感じる医師も、別の業界や業種で働けば、伸び伸びと働くことができるかもしれません。

医療知識を活用できることがある

医師から他の業界への転職というと、一から仕事を覚えなければいけないと考える方もいるでしょう。病院やクリニックの臨床医以外にも、医師の経験や知識を活かせる職場はさまざまあります。

また、医師として転職しない場合でも、医学と関連のある業界や業種を選べば、これまでのキャリアを活用できます。むしろ医師以外にも医師の資格や経験が重宝される職場もあるので、転職活動をする際は、積極的にアピールしていきましょう。

特に、どんな仕事も人とのコミュニケーションが必要です。日々の診療で培った聞く力や洞察力は色々な仕事で活かすことができるはずです。

ライフワークバランスが取りやすい

多くの場合、医師が転職すると仕事とプライベートのバランスが保ちやすくなります。医療は「24時間365日」体制を保つために、交代で宿日直があります。勤務日によっては、連続勤務が長くなったり、終業から次の就業までのインターバルが極端に短くなることがあります。

日本は諸外国と比べると、患者当たりの医師数が少ないため、医師の過重労働により医療を支えている面があります。2024年から医師の働き方改革が始まりますが、理想通りに移行ができるとは限りません。

医師の長時間勤務に負担を感じている方は、別業界や別業種への転職を検討してみるのも良いでしょう。転職により、業務負担が軽くなったり、勤務時間が短くなったりすることで、仕事漬けの毎日から解放されるきっかけになります。

特に、家庭を持っている医師は、転職することで仕事と家庭のバランスを取りやすくなります。

医師から別業界・業種へ転職するデメリット

医師から他の業界や業種への転職にはメリットだけでなくデメリットもあります。臨床医以外で転職を検討している人は、デメリットについても十分把握しましょう。

高収入を維持できないことがある

医師から別業界に転職すると、収入がダウンすることがあります。転職後に収入が下がる原因となるのは、勤務時間や勤務日が少なくなるためです。スポットで入る健診医であれば、仕事をしない日が多くなると、前の職場よりも収入が下がる可能性があるでしょう。

一方で、医師としての経験を活かせる業種では、一般の医療機関と同等の給与をもらえるケースも多くあります。転職後も一定レベルの収入を維持したい方は、新しい職場や仕事の内容をよく見極めることが大切です。

医師ならではのやりがいを感じにくい

医師の診療は、患者さんと1対1で向き合って行います。多くの医師が、患者さんが元気になる姿を見たり、感謝の言葉をかけられたりすることに、やりがいを感じているでしょう。

他の業界や業種の仕事になると、医学知識を活かせても、患者さんと直接関わることはほとんどありません。業種によっては、健康な人を見ることもありますが、健診など決まった検査や診察になるので、関係性を深めることはほとんどないでしょう。

別の業界や業種では裏方として働くことが多く、医師ならではのやりがいを感じにくくなります。

キャリアダウンになる

医師から別の業界や業種に転職する場合、医学的な知識や経験が必要な職業に就いても、仕事としてはゼロからスタートすることになります。医師時代に培ったコミュニケーション能力や洞察力が役立つことはあっても、キャリアとしては評価されにくいものです。

また、自分が目指している方向とは異なる場所に転職すると、転職の職歴がブランクになる可能性があります。専門医を目指すのであれば、ほかの業界や職種に転職するのではなく、症例の多い病院に転職する方が適しています。

特に、年齢を重ねて医師として一線を退くのであれば、新しい仕事を覚えるのに苦労する可能性があります。医学と無関係の分野よりも、これまでの経験を活かせる転職先を選ぶことがおすすめです。

医師を辞めた(転職した)方がいい人の特徴

医師から他の仕事へ転職する際には、メリット・デメリットを検討することが大切です。一方で、医師を取り巻く状況によっては早めに転職をした方がいいケースもあります。医師を辞めて他の業界や業種に行った方が良い人は次の通りです。

激務で心身の健康に影響が出ている

医師は過労死ラインである月80時間の労働が続きやすく、体調を崩すリスクがあります。多くの医師がご存知のように、長時間勤務は心筋梗塞や脳卒中のリスクを高め、命を落とす危険性があります。

また、過労死までは行かなくても、過剰な労働により、鬱などメンタルヘルスを崩す可能性もあるでしょう。激務であると、生きるために必要な食事や睡眠もままならなくなることもあります。

心身のベストコンディションを保てなくなれば、患者さんの診療にも影響が出ます。長時間労働により、適切な診察ができなかったり、検査や手術の手技を誤ったりするリスクがあり、本来の医師の役割を発揮できません。心身を壊す前に転職を検討してみましょう。

理想とのイメージギャップを感じている

医師として働いている方の中には、理想と現実とのあいだにギャップを感じている人もいます。医学生時代には、多くの医師が「命を助けたい」、「人のために役立ちたい」と考えていたことでしょう。

しかし実際に医師としての理想を全うするには、相当な体力が必要です。心身に限界が来ている医師の中には、患者さんを助ける前に、自分の健康を壊してしまう方もいるかもしれません。

また、毎日の激務をどうにか乗り越える医師でも、常に精神的なプレッシャーを感じるものです。人間にはヒューマンエラーがつきものですが、医師のように命に関わる仕事は、ミスが許されにくい雰囲気があります。

このように医師の理想と現実には大きな差があるため、仕事へのモチベーションを維持しにくい人もいるでしょう。実際に医師として働いてみてから「自分は医師に向いてなかった」と気付く人もいます。

今後の人生を豊かにするためにも、医師以外の働き方を検討するのもおすすめです。

医師から別業界・業種へ転職する際の注意点

転職を検討している医師の中には、今の仕事に不満を持ちながら仕事を継続している人もいます。業界や業種によっては、転職をする際に、一定の臨床経験が求められることもあります。

希望する転職先の条件を満たしているのであれば、早めに行動に移しましょう。早く転職活動するということは、自己分析や情報収集を怠ることではありません。自分の中で仕事を変える決心をして、転職するための行動をスタートすることです。

臨床から離れるということに、不安を感じる医師も多くいると思います。しかし、病院やクリニック以外にも医師が活躍できる場は多くあります。より豊かな人生を送るためにも、臨床医の仕事に疑問を感じている人は、行動を起こしてみましょう。

医師から別業界・業種への転職を成功させるポイント

行き当たりばったりで医師が仕事を変えても、転職に失敗するリスクがあります。医師が転職するときは、ポイントを抑えて実行することが大切です。医師から他の業界や業種へ転職する際には、以下に配慮しましょう。

自己分析する

医師が別の業界や業種の仕事を探すのなら、まずは自己分析をしましょう。単に「今の病院から離れたい」というだけでは、とりあえずの転職となり、新しい職場でも後悔する可能性があります。

医師が転職するときには、次のことを整理してみましょう。

●医師になった理由
●今の職場を辞めたい理由
●医師としてやりがいを感じること
●自分の強みと不得意なこと
●次の職場で優先したいこと(給与・勤務時間など)



医師の転職は、病院やクリニックを変えるだけではありません。上記のことを1つ1つ書き出すことで、次にどういった業界や業種が合うのかが整理しやすくなります。特に、医師から他の業界に転職するには、自分の強みを活かせる業種を選ぶことがおすすめです。

自分に合った仕事にチャレンジするためにも、自己分析を怠らないようにしましょう。

情報収集をしっかり行う

医師が転職するときは情報収集を十分にすることが大切です。「今の職場から一刻も早く逃げたい」と適当な職場を選ぶと、転職後も苦労する可能性があります。特に、医療機関以外の施設や別業界での仕事を選ぶときには、ほかの医師から経験談を聞くことも難しいものです。

医師の世界と同じように、それぞれの業界にも理想と現実があります。医師が他の業界や業種へ転職するとき、細かい情報収集を欠かさず行いましょう。特に業界によっては、勢いがある企業もありますが、必ずしも働きやすい環境とは限らないので注意が必要です。

近年はインターネットで企業の口コミを確認できるので、参考にしてみると良いでしょう。

転職エージェントを活用する

医師から転職を考えている人は、医師に特化した転職エージェントを活用することがおすすめです。医師向け転職エージェントは、病院やクリニックの求人以外にも、企業や製薬会社など別業界の業種も扱っています。

転職活動をしている医師の中には、病院やクリニックの合間に情報を見つけている方も多いかもしれません。転職エージェントを使えば、収入や地域など自分の希望の条件に合わせて、効率的に絞り込むことができます。

医師向けの転職エージェントは複数ありますが、それぞれに特徴があります。転職エージェントの中には、求人数が豊富なところもあれば、他職種への転職に強いところもあります。自分にぴったりの仕事を探すために、複数の転職エージェントに登録してみるのも良いでしょう。

医師から別業界・業種への転職まとめ

医療機関以外にも、さまざまな場所で医師が求められています。いくつかの業界や業種では、医師としての経験やスキルが求められるため、転職後にまったくのゼロからスタートとなることはありません。

ただ、業界や職種によっては、勤務時間が減ることで収入がダウンすることもあります。医師が転職するときは、給料や勤務時間など優先事項をはっきりさせましょう。

特に、医療機関以外の業界では、経験談を聞けるチャンスが少ないので、自己分析や情報収集をしっかり行う必要があります。医師から別の業界や業種への転職を考えている人は、記事内で紹介した内容を参考にしてみてください。

出典

厚生労働省 医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査
厚生労働省 過労死等防止啓発月間
法務省 矯正医官ってどんな仕事?

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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